盆と正月しか帰省しない40代・50代が親の資産凍結を防ぐためにできること
こんにちは、ENMANの今井です。
「家族とお金と幸せと」シリーズ楽しめていらっしゃいますでしょうか?
まだの方はコチラからどうぞ!
前回のnoteで次は相続税の話を書くと予告したのですが、少し思うところがあり、番外編として書かせていただきました。
(相続税の話は次回のnoteで書きます!)
最近は少し短めの文章で投稿していたのですが、
今回は久々に気合が入って長くなっています笑
これまで約100人の方に直接お話を伺ってきた経験から、「これだけは今お伝えせねば」と思うことをまとめてみましたので、
最後まで読んでもらえたらうれしいです!
(全部で7~8分で読めるかと思います)
また、できるだけ多くの方に読んでもらえたらなと切に願います…
では、早速本編どうぞ!
親の資産を守るのは誰か?
まず質問です。
「あなたの親の資産を守るのは誰ですか?」
「終活」なんて言葉が世に広まってからだいぶ経ちますが、終活の定義はだんだんと広まってきています。
具体的には、
もともとは葬儀や墓など自分の死後の事務的な部分を先に整理しておくことが中心でしたが、最近では介護・療養費の準備、関係する連絡先や口座番号などの整理と記録、その他身辺整理や相続対策などに広がっています。
そして、もともとの対象から広がった部分については、子世代も一緒にやらなければ上手くいきません。
実際、僕が直接お話を伺った約100人の方に、
「終活や、資産の対策をしているのはご家族の誰ですか?」と質問した結果は以下のようになっています。
もちろん、偏りが一定程度出ている可能性はありますが、
「終活=親がやること」という概念は過去のもので、「終活=親子でやること」と考えられます。
そして、親が高齢になればなるほど、難しい話をお一人で理解しきることは難しくなります。
そのため、子世代の方(特に40代・50代の方)には、実質的に、「親の資産を守るのは子(自分)の役目」と考えていただきたいです。
加えて、昨今、核家族化が進んだことで、親とは離れて暮らしているという方も少なくありません。
なかなか顔を見て親と話せていないという方ほど、このnoteを読んでいただきたいと思います。
子世代が親の終活に参加するには
先ほど、「親の資産を守るのは子(自分)の役目」と申し上げました。
ですが、親に「資産はどのくらいあるんだ」「リストを作れ」などは決して言ってはいけません。
また、そもそも「親に資産の話をするなんてできない」という方がほとんどだと思います。
そして、残念ながら、親子の関係性によっても終活に参加できるかどうか、どの程度参加できるかは変わってきます。
ただ、少なくとも「親とは良好な関係だが、資産の話はしづらい、上手くできない」という人には上手に終活に参加してほしいなと思います。
ではどのようにすべきでしょうか?
第一に、あなたが親にどのように余生を過ごしてほしいのかを伝えるべきです。
僕自身もそうですが、家族に幸せに過ごしてほしいという思いは多かれ少なかれ皆さんお持ちだと思います。
でも、気恥ずかしくて言いづらいですよね…
盆や正月でも構いませんし、子どもが就職して手離れしたタイミングなどでも良いかもしれません。
改めて、「これまでお疲れ様。今後は自分の幸せのために生きてほしい。どんなことやりたい?」と言ったようにお話しされてはいかがでしょうか?
終わるタイミング(死)のことではなく、終わるまでの過ごし方(余生)のことからお話しされるのが良いと思います。
第二に、「自分も一緒に資産を、家族を、守りたい」という意思をお伝えしましょう。
冒頭お話しましたが、親世代の約半数は「子供に任せている、子供がやってくれていると思う」とお考えで、あなたを頼りたい気持ちがあります。
なので、しっかりと任せてほしいという意思をお伝えいただく方が良いと思います。
ただし、2点気を付けてほしいことがあります。
①「自分がやるから、親は何もしなくていい」というスタンスはNGです。
②誰のために資産を守るのかも併せて伝えてください。
①については、ご自身が積み上げてきた資産のことを想像してみてください。自分が積み上げてきたというプライドはありますよね?
それを子供に全部任せろ、何もするなと言われたらどう思うでしょうか?
大事なのは、「親子で」終活することです。
親に任せきりはだめですが、自分で抱え込みすぎるのもよろしくない、ということです。
②については、多くの方が悩まれる部分ですが、
「資産の話を親とすると『早く死んでほしいと思っているのか』と言われそうで怖い」
「実際にそういう風になって喧嘩してしまった。」
という声をよく聞きます。
なんでこうなってしまうと思いますか?
最大の原因は、何のために資産の話をし始めたのか分からないからだと思います。
話す側からすると、友人が相続トラブルに遭って裁判沙汰になった、亡くなった母の通帳を探すために丸2日大捜索した、など嫌な話を聞いたので、そうならないようにしたい、ということが強いと思うのですが、親からしたら(言葉を悪く言えば)知ったことではない、わけです。
むしろ、
など、親のための終活であることをきちんとお伝えするべきです。
終活は「早ければ早いほど良い」
では、実際に対策が必要になるのはいつでしょうか?
残念ながら、多くの高齢者の方が「自分は元気だから大丈夫」と考えられています。
もちろん一部の富裕層の方で、早くから相続税の対策などを取られている方もいらっしゃいますが、多くの方は「いつかやればいいと後回し」にしてしまっています。
ですが、間違いなく言えることは、「早ければ早いほど良い」ということです。
なぜそう断言できるか?
私が申し上げている終活というのは、「家族の資産を守って受け継いでいくことを親子で会話すること」が中心になります。
変な話お金はかかりませんし、先述の通り、気恥ずかしくて言えなかった思いやりのメッセージを親子で伝え合うことで家族仲は一層良くなると思います。
また、これまでのnoteでも介護の話など書いてきましたが、「いつ起きるか分からない」ということが解決を難しくしています。
なので、問題が起きていないうち(親が元気な時)から、転ばぬ先の杖として終活を始めるべきなのです。
加えて、日本人の平均寿命と健康寿命を考えると、
70代中頃からは一気に健康に不安を感じる方が増えます。
ですから、盆・正月しか親と話さないという40代・50代の方(親が70歳以上の方)の場合、突然親の体調が悪化した、なんてケースが十分にあり得るのです。
是非これを読まれた方は、早めに終活を始めることを考えていただければと思います。
どんな対策が必要なのか?
ここでは、タイトルにもある通り「資産凍結」を回避することを中心に対策を簡単に紹介したいと思います。
なぜなら、相続税の対策はお金持ちの方だけの問題ですが、相続や介護・療養費の問題は資産の多寡によらず全員に関係する問題だからです。
そして、細かい対策の内容というよりは、今回はいろんな対策があるんだよ、という点を知ってもらえたら嬉しいです。
現在世の中で言われている資産凍結回避対策は大きく4つに分類されます。
①後見制度の活用
②家族信託
③保険商品の活用
④生前贈与
それぞれを詳しく説明すると分量が多くなってしまいますので、今回は割愛します。
ただし、それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるので、注意が必要です。
ご自身で検索されたり、僕に質問・相談いただいたりしても構いません。
気を付けていただきたいこと
さて、世の中でよく言われる対策までお伝えしたところで、気を付けていただきたいことを最後に2つ記載します。
終活は一度で終わらず状況の変化を踏まえて継続することが大事
終活を考えるうえでとても大事な前提があります。
それは、「家族の状況、健康状態、それぞれの心理状態は変化し続ける」ということです。
なので、例えば、「母の他界後、父は終のパートナーと出会い、今は二人で暮らしている。ゆくゆくは結婚するかもしれない」などの状況の変化は十分あり得ます。
そのため、「2023年に対策をしたから、これで安心!あとは何もしなくても大丈夫」ということはないのです。
絶対の正解はない。全員が納得できることが大事
家族のカタチが多様化しており、ご家族ごとに資産の持ち方も違います。
また、先ほど挙げた対策の優劣についても法制度の変更などの影響を受けながら、日々変化していきます。
そのため、ご家族にとって、絶対にこれが正解ということはなかなか言えません。
しかし、残念ながら、多くの事業者は持ち前のサービス・商品パッケージがあって、それにご家族の状況を当てはめようとするでしょう。
先ほど申し上げた通り、どの対策も一長一短あります。
大切なご家族の資産、本当にあなたに寄り添って信頼できる方に相談してください。
また、絶対の正解はない一方で、全員が納得する形で終活できることは重要です。
くれぐれも、後悔することなきよう、丁寧な対策を検討ください。
いかがでしたでしょうか?
今回は、「盆と正月しか帰省しない40代・50代が親の資産凍結を防ぐためにできること」について書かせていただきました。
以前「大企業を辞めて、起業したわけ」でも記載しましたが、私が起業したのは、「人生100年時代の資産管理・承継に関する課題を解決し、すべての家族が円満であり続けられるようにする」という理想を実現するためです。
今回のnoteが少しでも無用なトラブルを避けるきっかけになれば幸いです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
発見があった、分かりやすかった、などあれば是非スキ・フォロー、Twitter(X)のDMなどよろしくお願いいたします!
では、また次回のnoteで!