情動・認知に関する疼痛評価
痛みの多面性
痛みは「感覚」だけではなく、「情動」や「認知」としての側面も含んだ多面性を有している。
今回は、情動・認知的側面から捉えた代表的な疼痛評価を紹介する。
「情動」に関する疼痛評価 【HADS】
HADS(Hospital Anxiety and Depression Scale)
・不安(Anxiety)と抑うつ(Depression)の各7項目で、全14項目
・奇数番号は不安尺度、偶数番号は抑うつ尺度
・0〜3点の4段階
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短期のイベント前後で大きく変化するものではないため、数ヶ月程度の間隔をあけて評価するのが望ましいかもしれない。
「認知」に関する疼痛評価 【PCS】
PCS(Pain Catastrophizing Scale)
・”破局的思考”を評価
・全13項目あり、各項目を3つの下位尺度で分けることができる
・0〜4点の5段階
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急性期には反芻が高まり、慢性化するほど無力感が高まる傾向にある。
鬱などの情動障害は、下行性疼痛抑制系が働きにくくなり慢性痛に繋がる。
そのような情動障害をもつ方には一度評価してみてもいいと思う。
参考文献
八田宏之 他:Hospital Anxiety and Depression Scale日本語版の信頼性と妥当性の検討 ー女性を対象とした成績ー 心身医学 38 :309-315, 1998
松岡紘史 他:痛みの認知面の評価 Pain Catastrophizing Scale 日本語版の作成と信頼性および妥当性の検討. 心身医学 47:95-102, 2007
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