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行き場のない話を聞いておくれ。

馬鹿話は楽しいと思う。
いつも馬鹿話の放出場所を狙っているが、会話の流れやその場の雰囲気、あとは臆病になりすぎて誰にも話せないことがしばしばある。だから結局は自分の脳内でぐるぐると思考を巡らし、バターになってしまう頃には大量の時間を消費していることに気づく。僕は暇ではないのだ。のはずなのだ。

もしも世界が○○だったら!


まるでドラえもんに出てくる秘密道具みたいなお話ですが、馬鹿話とは例えばこういうことです。飲み会で「ねぇ、もし世界の理に一つ干渉できるとしたら、、どうする?」とか聞く勇気はありません。まず序盤に切り出せるような話題じゃないので、自ずとチャンスは中盤から終盤になります。中盤はそこそこ真剣な話をして、酒が回ってみんなアツくなってるから興を削ぐようなことはできないし、ある程度話し切って最後一杯頼むかくらいの時に、「ところで、もし世界の…」とか誰が聞いてくれんねん。いつかみんなで話したいなー。


もしも世界のことわざ、四字熟語の普及率が今よりもっと高かったら!


「この前服売りに行ったんやけどさー、買取査定してもらってる間に売れたお金で何しようかなって考えててん。そんなこと考えながら古着見てたらずっと欲しかったジャケットがあって、うわこれ運命やん!と思って売上金でこれ買おうと思ったんよな。でカゴに入れてトイレ行って帰ってきたら、いつも絡んでくる近所のおっさんがそのジャケットを取ってたんよ!なんとか奪い返して買取査定の結果聞きに行ったら本来は三万で売れるパンツが、装飾品の欠損で二千円って言われて笑。そしたら横にさっきのおっさんが立ってて、おっさん違う部位が欠損してるおんなじパンツ持ってこっち見て「これ組み合わせたら三万で売れるなぁ…」って言うから、協力して一万五千円ずつ分けたんよな。それからはなんか顔合わせるたびに笑顔で挨拶するようになって、結果よかったわー。」

「この前服売りに行ったんやけどさー、買取査定で捕らぬ狸の皮算用中、一期一会の出会い。犬猿の仲のおっさんと呉越同舟で、雨降って地固まる。」

こんな感じで伝達スピードの恐ろしい短縮が期待できます。その代わり聞き手の恐ろしいまでの察知能力が必要になります。


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