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【規制時代の終わりと自主的管理時代の到来】
かねがね投稿させていただいているとおり、今日本は安全に関して過渡期を迎えています。
具体的には法令による規制の時代が終わり、リスクアセスメントを中心とした自主的管理の時代がやって来ようとします。
消防法により設備規制等や危険物規制が具体的になった時代背景として、高度経済成長があります。
この時代、急激な経済発展の反面、労働災害や火災が多発しました。
どうにかしなければいけない政府は安衛法や消防法による規制を強化しました。
安衛法や消防法が制定された当時のコンセプトとして、「専門家が不要」というものがあります。
え、消防法めっちゃ複雑やんという意見もあるかもしれませんが、それは改正を重ねに重ねて煮詰まった秘伝のタレのような奥深さが出てしまっていることが原因です。
元々は、過去に起きた災害の学びから類似災害を防ぐため、「こういった建物や作業にはコレが必要!」と専門家による個別の対応を不要とするざっくりとした規制となっています。
当時は災害による膨大な死者を減らすことが急務であったため、この方式は効果的でした。
今の平和な日本があるのはこの当時の先人達の貢献のおかげです。
しかし現在、労災や火災による死者はある一定の水準を境に急激に減ることはありません。
この境界を私は「コンプライアンスの壁」と呼ぶことにします。
それもそのはず、最低限の基準である法令の影響が強すぎて、事業者は法令遵守をゴールにし、個別の特殊なサービスや業態に対する対策が市場に存在していないためです。
私が達成したいのはこのコンプライアンスの壁を超えることです。
現在の最適解は一つしかありません。
リスクアセスメントと自主的管理の浸透です。
今後、行政がやっていかなければいけないことは、自主的管理を促すための法整備や市場整備であったり、最低基準違反に対する違反処理の推進です。
自主的管理が浸透すれば消防用設備等は無くなるのか、という疑問があるかもしれませんが、私は真逆であると確信しています。
リスクに気付いた業界は法令以上に高度なスプリンクラーの設置推進や、それに応じた保険料金の設定など市場構造が一変します。
消防用設備等や防火対策は「火災保険」としてリブランディングされるのです。
今、世界は急速にグローバル化が進んでいます。
例えば、スマホの充電器も急速にタイプCが広まりましたが、これはタイプCがグローバルスタンダードを勝ち取ったからです。
海外ではリスクアセスメントによる自主的管理がスタンダードなので、日本にも法改正を迫る黒船がやってくることは避けられません。
私は悔しい!
日本の圧倒的に高品質な製品や機械がグローバルスタンダードを満たさないことで海外市場から締め出されていることが。
日本の安全についてのスタンダードは日本で守らなければなりません。
そのためにはグローバルスタンダードを学び、それ以上のものを世界に発信していく必要があります。
来週あたりから、世界最大の防火組織である全米防火協会「NFPA」の火災予防専門家養成トレーニングを開始する予定をしています。
またその内容も共有させていただければと思います!