Kubo

元消防士で現在は外資系企業で安全に関する業務を行っています。 元消防士×グローバルスタンダードの安全という観点から発信をしたいと考えています。 日本の火災予防をアップデートさせることを企てています。

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元消防士で現在は外資系企業で安全に関する業務を行っています。 元消防士×グローバルスタンダードの安全という観点から発信をしたいと考えています。 日本の火災予防をアップデートさせることを企てています。

最近の記事

竹槍でB29を落とす(落とせない)

消防士時代に感じた壁 現在、私は外資系消費財メーカーにてEHSマネジメント(Environment, Helth, Safety)の業務に就いています。 前職では消防士として働いており、特に「予防」と呼ばれる消防法を基準とした、火災予防の業務に携わっていました。 とてもやりがいのある業務で、充実はしていたのですが業務を進める中で壁を感じることが多々ありました。 それは、法令の壁です。 新しい建物が建つ際や、既存の建物が消防法に適合しているかを審査、検査することが主な

    • 【防火技術のグローバル化・保険としてのリブランディング】

      危険物の規制に関する規則が一部改正されましたね。https://www.fdma.go.j/laws/tutatsu/items/231206_kiho2.pdf 内容はリチウムイオンバッテリーに関する屋内貯蔵所の特例についてです。 リチウムイオンバッテリーは引火性液体に該当することから、原則屋内貯蔵所での保管が必要となりますが、リチウムイオンバッテリーの普及拡大に伴う規制緩和のため基準の特例が設けられたようです。(日本では屋内貯蔵所のサイズを制限しているため、国際競争力

      • 2級土木施工管理技士を独学で1か月で合格した方法(衛生管理者も同時受験)

        私は現在、製造業で企業内の安全衛生をマネジメントする部署で働いています。 社員の労働災害を予防することはもちろんのこと、敷地内で行われる外部業者による工事などでの労働災害もKPIとなっています。 自社の製造業務よりもむしろ外部業者による工事のほうが高リスクな状態となっています。 また、外部業者に対しては直接の指揮命令権がありませんので、事故防止のためにはより高度な知識とスキルが求められます。 こんなことも相まって、建設業に関する知識とそこで必要な安全衛生の知識を身に着けるため

        • その火事には許容できないリスクがあったのか?

          先日大阪市内で発生した福祉施設に関する火災に対して、消防庁から通知が出ていますね。https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/e50aa68adf5618621c87ed758cb43bc7cf19ebfe.pdf 火災についてのニュースは以下のとおりで、9人が搬送され5人が中傷、4人が軽傷とのことです。 https://news.yahoo.co.jp/articles/ca62d6c69ee54928cc0621c3fbb4545

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        • 2級土木施工管理技士を独学で1か月で合格した方法(衛生管理者も同時受験)

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          火災予防の民主化運動

          現在、本業では労働安全衛生をメインで担当しているのですが、追加で消防業務も担当できないかと打診がありました。 少し悩んだのですが、これもご縁かなという事で引き受けることとなりました。 私が勤務する会社は米国系の一般消費財メーカーで日本の法令とアメリカやヨーロッパの基準をベースとした社内基準が別に存在し、これらを両方満たすことにいつも頭を悩ませています。 消防業務も例外ではなく、職場は工場なのでスプリンクラーの設置義務はないのですが、社内の基準でNFPA基準のスプリンクラ

          火災予防の民主化運動

          民間企業の”予防担当”

          消防士から民間企業に転職した人間が、どのような仕事をしているか知りたいという声をいただいたので、その一部をご紹介できればと思います。 私は現在、民間企業で労働災害、環境災害、火災を「予防」する仕事をしています。 消防職員時代も予防業務が長かったのですが、現在も同じような仕事を会社の中で行っています。 消防署では「怪我と弁当は自分持ち」と言われるくらい「怪我するやつが悪いんや!」という風潮が強かったのですが、大企業であれば1件の労働災害や労災隠しが企業の運命を左右するほど重大な

          民間企業の”予防担当”

          【規制時代の終わりと自主的管理時代の到来】

          かねがね投稿させていただいているとおり、今日本は安全に関して過渡期を迎えています。 具体的には法令による規制の時代が終わり、リスクアセスメントを中心とした自主的管理の時代がやって来ようとします。 消防法により設備規制等や危険物規制が具体的になった時代背景として、高度経済成長があります。 この時代、急激な経済発展の反面、労働災害や火災が多発しました。 どうにかしなければいけない政府は安衛法や消防法による規制を強化しました。 安衛法や消防法が制定された当時のコンセプトと

          【規制時代の終わりと自主的管理時代の到来】

          【大麻グミと消防法】

          超久しぶりの投稿で、突然なんですが、世間を騒がしている大麻グミと消防法について書いてみたいと思います。 体調不良者が食べたグミには、大麻に近い合成化合物「HHCH」(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)が含まれていましたが、これが法規制の対象外であったため、販売会社社長自身も「違法ではない」と堂々と主張しています。 政府はHHCHの規制を検討しているようですが、今後も規制対象外の薬品を用いた脱法グミが続々誕生するでしょう。 実はこの流れ、労働安全の世界で全く同じことが起こっ

          【大麻グミと消防法】

          自己紹介 なぜ元消防士がNoteを書こうと思ったか 大学生~消防士になるまで

          こんにちは。 元消防士で現在外資系化学メーカーでEHSマネジメント業務を担当しています、Kuboと申します。 前回、自己紹介となぜNoteを書こうかと思ったのかについて記載したのですが、今回はより詳細に消防士になるまでについて記載させていただこうと思います。 前回記事については下記から読んでいただけると嬉しいです。 部活漬けのクソ大学生 私は地方国立大学に通っていたのですが、大学に入ってからウィンドサーフィンというスポーツに出会い、人生が一変しました。 とてもマイナ

          自己紹介 なぜ元消防士がNoteを書こうと思ったか 大学生~消防士になるまで

          自己紹介 なぜ元消防士がNoteを書こうと思ったか

          はじめまして はじめまして、現在外資系メーカーにてEHSマネジメント※業務を専門としている、元消防士のKuboといいます。 EHS:Environmental/Health/Safetyについてはまだあまり日本では馴染みが少ない、マイナーな業務なので下記の記事がわかりやすいかと思います。 簡単な経歴 地方国立大学を卒業後、2013年に関西の35万人程度を管轄する消防局に採用されました。 消防隊として現場配属となり、厳しくも素晴らしい先輩や上司に恵まれ充実した日々を送っ

          自己紹介 なぜ元消防士がNoteを書こうと思ったか