どこまで納得できたら、海外挑戦すべきなのか? 〜バロメーターは”腹落ち感”〜

前回のnote ”海外に出るときに、カッコいい理由って必要?” では、決断における納得感、腹落ち感について書きましたが、ここでは、

・では、納得感、腹落ち感ってどうやって測るのか
・それがどの程度あれば、決断するタイミングと言えるのか

について、以下、実体験に基づいた、僕なりの指針を共有したいと思います。


”人間には体内に7人の神様がいる”

いきなり宗教チックなお話か?と言われそうだが、そうではなくて。
これは僕が人生やらキャリアやら迷っていたときに恩師から言われた言葉で、とてもわかりやすい表現だったので紹介したい。

要は、
・「反対する神様がいない時は、間違いなくGoサインであること」
・「反対する神様がいるならば、まずはそれが誰で、何が課題なのかを突き止めること」
・「その課題を今の自分の力で解決できなかったり、そもそも向き合う気になれないのならば、それはもしかしたら動くタイミングではないかもしれないこと」

ちなみにその7人の神様が、具体的に誰で、それぞれどんな役割を持っているのかはわかっていない。七福神のように、明確に顔と役割をイメージはできない。(ちなみに、七福神7人も言えない笑)

僕の中の感覚では、神様は大きく分けて2通りいるのだと思っている。
・攻めの神様
 ー例えば、挑戦、自己実現、理想を追う考え
・守りの神様
 ー例えば、安定/安全、健康、現実的な考え

では、それが具体的にどのように役に立ったかを、体験を踏まえながら述べたい。


【2度訪れた海外挑戦の機会】

僕には二度、本格的に転職を検討した時期があった。
結果から言うと、1回目は失敗、2回目は成功(少なからず後悔はない)だった

【1回目:不安に向き合わず、心の底から納得できていなかった】 

・新卒入社3年目
・1年間の海外(インド)トレイニー帰国後
・海外帰国間もない駐在員や留学生が陥る、所謂”帰国ブルー”の時期

要は、
・非現実:刺激的な海外生活、アジアの熱量/経済発展してる感
・現実:平凡で低刺激な日本での退屈感
のギャップに苛まれる時期。

今思えばこの時の僕は、
・「もっと挑戦したい、刺激的な環境に身をおきたい」
・「このまま日本で大企業にいたらダメになる」
・「早くベンチャーに行かねば!」
と、はやる気持ちとある種の焦りみたいものに突き動かされ、具体性のかけらもなく、全く地に足の着いてない状態だった。

そんな時、知り合いの海外ベンチャー企業から誘いをもらった。
もちろん、その時は素直に挑戦したいと思った。
理想の自分に近づけると思った。

同時に、実は不安もあった。
・今いる環境で、自分で何かをやりきった感がまだなかった
・大企業を辞め、この身一つで海外のベンチャーに飛びこむことにより発生しうる、リスクや負の面に、目を向けようとしなかった
・この決断の先に、何があるのか想像できていなかった

それでも僕は若気の至りに身を任せ、自分の熱意は正しいと思い込み、負の感情に向き合わず、周囲の意見には耳を貸さず、実現に向けた最短ルートを走ろうとした。

気づくとどうだろうか。
無理やり押し込めて、向き合おうとしなかった不安たちは知らぬ間に膨れ上がり、身体が悲鳴を上げた。本業もままならない状態に陥り、決断するどころではなく、転職の話は自然と流れていった。
今振り返れば明白だが、守りの神様たちから猛反対を食らっているにも関わらず、振り切ろうとしてしまった懲罰だった。


【2回目:不安に正面から向き合い、違和感なく決断できた】


僕は1回目の失敗から、多くを学んだ。
・身の丈の合わない大ジャンプを試みて谷底に落ちるよりも、てっぺんにたどり着くための道を見極め、時間をかけながらも着実に進むこと
・実はその方がてっぺんに辿り着ける可能性は高いこと
 (もちろん、小ジャンプが必要なことはあるけど)
・少なくとも、自分のジャンプ力は把握しておくこと

そんなスタンスで、時間はかけながらもチャンスを伺った。
・意識的に自分と向き合い内省する時間を作り、
・不安や負の感情を押し殺さず、紙に書きなぐって顕在化させ、
・無理せず、違和感なく、自分が納得できることは何なのかを、ブラッシュアップしていった

スタンスが明確になった僕に、幸運なことにまた転職のチャンスが巡ってきた。
・なぜその挑戦をするのか、5年後の自分はこの決断を正解にしてくれそうか
・押し殺している不安や違和感はないか、リスクやトレードオフ要素とも向き合った末での決断か

この時に反対する神様はいなかったので、Goすることにした。



今、大企業を辞め海外に出て2年が経過しようとしている。

まだ、その決断をしたから今自分はここまで成長した、と自信を持って周囲に発信できるかはわからないけど、少なくとも、

”自分の人生を生きている感”

これは、日本の大企業でモヤモヤしていた時に比べれば確実に持てるようになった。

その理由は、
・違和感や負の感情を無視せず、自分が腹落ちするまで向き合ったこと
・周囲の意見ではなく、最終的に7人の神様が背中を押してくれたこと

まだ何者でもない自分だけど、他人から見てどうこうではなく、自分にとって格好いいストーリーにできるよう、あの時あの決断を下してくれた自分からのバトンを、しっかり繋いでいきたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?