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マンガでわかるHCI: 今週のコンピュータサイエンス研究 140字での論文解説 まとめ 7/19-7/26
はじめに
前回に書いたように、このブログは、コンピュータサイエンスに興味を持った小中高生とかに、コンピュータサイエンス研究の入り口があったらいいと思い、マンガでわかるHCIなるものをはじめました。
ただ、研究を始めるにあたって、重要な要素が2つあります。
1. 基本的な概念や、学問全体の流れがわかっている
2. 最新の研究を追ってキャッチアップできている
1を主に、マンガでわかるHCIとして、描いていこうおもっているわけですが、それだけでは足りないわけです。やはり研究というからには、最先端の動向がどうなっているのかも知らないといけないわけです。
というわけで、このブログでは、最新のコンピュータサイエンスの研究を140字でゆるく解説しつつ、気になる論文にはこういう研究もあるよーと2-3個似てる研究を紹介して、コンテクストも与えられるようなことも書いていきたいと思っています。要は、それぞれが上の2つの要素の補完になれば、と。というわけで、今回はその初回です。
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来週からSIGGRAPH 2019がロサンゼルスで行われるということで、ここしばらくはSIGGRAPHの紹介は少し多くなりそうです。それではさっそく。
コンピュテーショナルみかん剥き
[SIGGRAPH 2019] Computational Peeling Art Design
#SIGGRAPH2019 みかんの皮をコンピュテーショナルに剥くことで、アート作品を作る論文。絵を入力として、いかに球に近似させていくかのアルゴリムが味噌。こういう一見変わった問題設定にマジメに取り組み、論文にしてしまうのが #SIGGRAPH のいいところhttps://t.co/FFVL7e5CrN#140字での論文解説 pic.twitter.com/bQ5P50w6gw
— マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) (@HCI_Comics) July 25, 2019
似てる論文
- [SIGGRAPH 2018] 球の様々なサーフェスカッティング
- [SIGGRAPH 2017] 面から3次元形状に変換 - CurveUps
ロボットで人形劇
[SIGGRAPH 2019] PuppetMaster: Robotic Animation of Marionettes
#SIGGRAPH2019 ロボットに人形劇をやらせるための論文。ETHのStelianは昔ディズニーにいた時から、フィジカルなキャラクターアニメーションを、リンク機構を使ってコンピュテーショナルに解くことで有名だったが、今回の進化の方向はすごい。笑 #SIGGRAPHhttps://t.co/agNwnvBmRP#140字での論文解説 pic.twitter.com/vITZ420tYg
— マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) (@HCI_Comics) July 26, 2019
似てる論文
- [SIGGRAPH 2013] フィジカルキャラクターをリンク機構でアニメーション
- [DIS 2017] 形状変化ディスプレイで人形劇 - AnimaStage
- [UIST 2017] パペットをVRでリモートに動かす - You as a Puppet
ジャンプもできる昆虫サイズロボット
[Nature] Designing Minimal and Scalable Insect-Inspired Multi-Locomotion Millirobots
#Nature EPFLと大阪大、昆虫サイズのロボットTribotを開発。PCBを折り紙のように折り、バネ型形状記憶アクチュエータを使うことで、安くスケーラブルに作成可能。バネの圧縮と伸張を使うことで、垂直方向及び水平方向にジャンプでき、様々な地形に対応可能https://t.co/S7akvUgDic#140字での論文要約 pic.twitter.com/rSEY9bU0Cc
— マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) (@HCI_Comics) July 22, 2019
似てる論文
- [IROS 2015] 折り紙型ロボット
- [Nature] 水や陸を飛んだり跳ねたりするマイクロロボット
やわらか素材インターフェイスのまとめ
[DIS 2019] Non-Rigid HCI: A Review of Deformable Interfaces and Input
#DIS2019 筑波大とノースイースタン大による、やわらかい(Non-Rigidな)インターフェイスのサーベイ。131本のタンジブル+形状変化UIの論文をサーベイし、1) インプット、2) 変形のタイプ、3) マテリアル、でカテゴライズ。サイトもあり → https://t.co/WHntlWGcNJ#140字での論文要約 pic.twitter.com/kRzsLHdj1n
— マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) (@HCI_Comics) July 22, 2019
似てる論文
- [UIST 2012] 粘土のように形と硬さを変えられるインターフェイス - Jamming UI
- [UIST 2017] 服の袖をインプットデバイスに - Smart Sleeve
VRお絵かきを3Dプリント
[SIGGRAPH 2019] SurfaceBrush: From Virtual Reality Drawings to Manifold Surfaces
#SIGGRAPH2019 ブリティッシュコロンビア大ら、VRでのお絵かきを、3Dプリント可能なモデルへ変換する方法を提案。スパースな線からのモデル構築が肝。ストロークの制約付きマッチング問題として隣接の頂点を検出し、つなぐことで自然なサーフェスを再現https://t.co/4b5CPwxRpX#140字での論文要約 pic.twitter.com/5YOLr1PgDi
— マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) (@HCI_Comics) July 25, 2019
似てる論文
- [CHI 2019] VRのお絵かき支援 - TutoriVR
鎖から3次元形状への変換
[SIGGRAPH 2019] LineUp: Computing Chain-based Physical Transformation
#SIGGRAPH2019 清華大学ら、鎖状の線から異なる3次元形状に変換する手法を提案。鎖は折り曲げとねじりが可能。3Dの形状を入力とし、鎖のユニットの数に応じてボクセル化し、衝突がないよう鎖の順列を計算。モジュール型の形状変化ロボットの設計などに応用https://t.co/0dZ6fo1Prk#140字での論文要約 pic.twitter.com/Bl0slDMXvs
— マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) (@HCI_Comics) July 23, 2019
似てる論文
- [IROS 2012] ミニチュアの鎖状ロボット - Milli molten
- [UIST 2016] 鎖をつなげて形状変化インターフェイス - ChainFORM
切り紙でセンシング
[DIS 2019] Kirigami Sensing
#DIS2019 コロラド大とジョージア工科大、切り紙を使ったセンサーを提案。切り紙にカーボンコーティングし、レーザーカットすることで、簡易で安くかつ様々な形状のセンサーを作ることが可能。素材は2種類試し、評価。パターンはPDFから直接レーザーカット可https://t.co/aELFPIRA3a#140字の論文要約 pic.twitter.com/DpBegaWxea
— マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) (@HCI_Comics) July 23, 2019
似てる論文
- [CHI 2019] レーザーカッターで伸縮可能なセンサー作る - LASEC
- [DIS 2019] 切り紙でアクチュエーション
振動+圧迫+せん断 = 新しい触覚デバイス
[IMWUT 2019] VPS Tactile Display: Tactile Information Transfer of Vibration, Pressure, and Shear
#IMWUT2019 スタンフォード大とFacebook、振動+圧迫+剪断(VPS)を組み合わせた新たな触覚デバイスを提案。これまで触覚提示は主に振動が使われてきたが、圧迫と剪断を組み合わせることで、触覚によって与えられる情報量を増加させることが可能。https://t.co/yQ09Om6LSw#140字での論文要約 pic.twitter.com/CtvKUaDzmZ
— マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) (@HCI_Comics) July 23, 2019
似てる論文
- [UIST 2016] VRコントローラーで触り心地を与える - NormalTouch TextureTouch
アバターの髪の自動生成デザインツール
[UIST 2019] HairBrush for Immersive Data-Driven Hair Modeling
#UIST2019 著者のJun Xing (+ Li-Yi Wei)は絵やモデルの自動補完で有名で、Hao Liはフォトリアリスティックな顔や髪の生成で有名で、それらをうまく組み合わせたイメージ。それぞれの長所がうまくでてる。#SIGGRAPH ではなく #UIST という点が興味深い。#140字での論文解説https://t.co/iqsXcelsBX
— マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) (@HCI_Comics) July 26, 2019
似てる論文
- [SIGGRAPH 2018] 3Dモデリングを自動補完
- [ECCV 2018] CNNで写真から髪の3Dモデルを生成
こぼれ話
ちなみにこのLi-Yiさん、引用数5000くらいあって界隈ではかなり有名なんですが、インターネット上で本人の写真を全く探せないという(もはや諜報員みたい笑)
— マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) (@HCI_Comics) July 26, 2019
彼のサイトも非常にエッジが効いていて「人生は短いので #SIGGRAPH か #CHI/#UIST しか興味ない」とのこと。さすがhttps://t.co/KmwdjFiaWE pic.twitter.com/TFIyOchwxk
お知らせ: メールでの配信もしようかと
アメリカでは、Weekly JavaScriptとかWeekly Goとか、情報のアップデートをメールで配信するのが結構一般的で、日本でも例えば、piqcyさんのWeekly Machine Learningなどは、僕も購読していて非常に勉強になっています。
そんなわけで、HCIに関連したメールマガジンがあってもいいだろうと思って、こういう感じの論文のゆるい解説記事とマンガのアップデートをメールでも配信しようかと思っています。
リンクはこちら → https://www.getrevue.co/profile/HCI_Comics
興味があれば、ぜひ購読してみてもらえると。(↓ まだ準備中ですが、イメージ的にはこんな感じの)
Twitter(@HCI_Comics)では、連載の更新以外にも、HCIや他のコンピュータ・サイエンスの最新の研究についても、動画や画像を交えながら更新していく予定です。ぜひフォローしてもらえたら嬉しいです。
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中の人は、アメリカでコンピュータサイエンスの研究をしています。
Twitter(@ryosuzk)やホームページ(http://ryosuzuki.org/)も興味があれば、ぜひチェックしてもらえたら嬉しいです。
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