イチャンドン監督オアシスをみる②
映画オアシスをみた衝撃がでかくて、さらに書きたくなった。
夕飯時、妻にペパーミントキャンディーとオアシスの比較とここがすごい点を説明しまくった。
できれば一緒にみたいのだけど、妻は重い作品は苦手だ。だからipadで二作品のハイライトを紹介した。それだけで涙がでそうになった。
さて。ここからネタバレ注意。
冒頭の場面で主人公の青年がヒロインを強姦しそうになる。
はじめてみたとき、前科三犯、刑務所から出所直後の流れで強姦未遂は、重い。
ただ、その後青年はヒロインに対して隙あらば無理強いするような描写はない。
終盤、ヒロインが青年を受け入れるシーンで、「こんな私でもかわいいと思ったんでしょ」みたいな台詞がある。
そう、冒頭の強姦未遂のとき、青年はヒロインに対して気に入ったからつきあいたいとおもう、君はかわいい、といって彼女に近づき、足をさわり、顔をなで・・・となる。途中から本能的な行動をとるが、彼女は彼から花束を受け取り、告白され、彼からひとりの女性としてみられたことに気づく。
一方で、終盤に青年が警察につかまったとき取り調べの警官から、あんな子を襲うなんておまえは変態か、といわれる。
そう、ここで脳性麻痺のあるヒロインをひとりの女性として向き合っているのは青年だけで、ほかの周囲のひとは彼女をかわいそうな子とみている。けっして彼女を性の対象とみていない。
青年は冒頭で彼女を襲おうとしたし、それはけっして許されることではない。だけど彼だけが彼女をまっすぐみていて、彼女もそれに気づき、彼を受け入れていく。
電車のなかで、青年の兄の事務所のなかで、カラオケ後の地下鉄のホーム内(名シーン)で、彼女の内面の世界が交差するシーンがある。
その描写をみると、青年よりも何倍も相手を必要としているのは彼女のほうだということに気づく。そう、この話は彼女の純愛ストーリーなのだ。
エンディングのシーンでもふたりがそれぞれ相手も想っていることがわかるが、その想いは彼女のほうが何倍も強いとおもう。
ただその後のふたりを想像すると、たぶんうまくいかないだろう。
そこまで考えて、この作品はジャストなタイミングでのエンディングなんだとおもう。
いろいろ勝手に深読みしたが、実際のパンフ等にかかれた解説では全然見方が違うと想うし、それもみてみたい。
映画オアシスは誰かにみてもらいたいし、みた後それぞれの感想を話したいし、またみてみたいと思わせる魅力がある。