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子どもが長い時間を過ごす環境をおろそかにしない

世界中の幼稚園を繋げこどもの未来を創る建築家の藤井亮輔です。

mission
「世界中から保育園・幼稚園を選べる世界に」
vision
「世界中の子供たちが友達になれる世界」

こんにちは。
今日は、私が2020年5月に出版した「天才を創る環境」から。

引き続き「体験と体感が大事」の章を進めます。前回の続きです。


子どもが長い時間を過ごす環境をおろそかにしない

こどもを預かる側としてなるべく家庭環境の延長線という回答で、かつ温かみのある雰囲気にしたい。なので、床はなるべくフローリング。しかし、ここでいつも疑問が生じます。なぜ、フローリングなのか。

家庭環境で考えるのであれば、フローリングもそうですが、石と畳、などもありますよね。私からすると、壁は木材や石張りにしないのはなぜ?という疑問です。

だいたいの方は、資金力。いわゆるお金の問題。というのですが環境が大事と言いつつ、こどもが触れる、見るという空間のことまでは考える事が出来ていない。ということ。

親として、こどもの施設に預ける事を考えた際に、こどもがどのように過ごせるのか。どのような体験ができるのかを重視します。なので、家庭内でできる環境には魅力を感じない。

設計としてではなく、たくさんの環境を見てきた事で伝える事が出来るのですが、こどもの能力を五感で感じられる施設。というのはまだまだ少ないのが現状です。みなさんでしたら、どちらに預けたいでしょうか。

こどもの安心、安全をしっかりやってくれる環境。しかし、家と同じ環境。もしくは、少し小洒落た空間。こどもの五感を大切に扱う環境。コンクリートの建築物で、コンクリートむき出し。

触ると、石と同じなので、環境によっては、熱い、冷たい。という感じかたが出来る。天井も高く、大空間がある。2階から、1階を羨望できるなど。

木造でしたら、日本家屋に近い床も壁も、天井も構造体と同じようにできている。同じ、樹木でも床の樹木はさらさらしている。壁はささくれなどの樹木があり、ゴツゴツしている。など、材料自体から感じられる事ができますよね。

しかも、こどもたちの感じ方は大人と違う発想力があるので、その体験が別の興味関心を引くことにもつながる。と考えた場合、どちらに預けたくなりますか。

私でしたら、後者の環境です。なぜなら、こども(0歳から5歳)は、いかに体験する事が大事かを理解できているからです。

施設に預けるという事は、こどもの将来に関わる環境を見つける事が一番の親の責務だと感じています。家庭内で育てるのであれば、自分たちの環境さえ変えてしまえばいいのですが、私たちが預ける施設は、最近は家よりも長い時間を過ごすのが普通。当たり前となっています。長い時間を過ごす環境をおろそかにすると、こどもの可能性。体験して、遊ぶ。遊ぶことの繰り返しができる環境がないと二章でもお伝えした予測と理解の力を養う事ができない。

また、新しい興味関心よりも、常に同じ行動(遊び)をすることで、こどもの秀でた能力が開花するきっかに繋がる可能性が極めて低い。ということにつながります。

いかがでしたでしょうか。建物、環境がこどもの体験・体感ができる一つの道具として感じることができましたでしょうか。感じられた方、そうでない方に分かれると思います。しかし、こどもの体験・体感を大人が妨げてはいけない。という事だけでも、覚えて頂けると嬉しいです。

建築家・教育者・著者・講演者
藤井亮輔


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