中小企業診断士1次試験を受験してみて
8月6日、7日は令和4年度中小企業診断士試験の1次試験でした。
試験対策だけでなく大雨による影響が心配でしたが無事仙台に前日入りし、久しぶりのホテル宿泊に高揚しすぎて最終調整が思ったほど手に付かないまま試験に挑みました。
詳細は後述しますが、二日間の試験もトラブルなく終えることができ、人生の中で忘れられない3日間となりました。
試験会場や雰囲気
東北エリアは仙台の1会場だったため、1000人近く受験者がいたのでは?と思うほど凄い人でした。また、試験日が仙台七夕と被って6日はホテルがほとんど空いておらず、金額もビジネスホテルですよね?と疑うような金額でした。
金額も金額なので最初はカプセルホテルやネカフェにしようか悩みましたが、環境は大事だと考え直して県民割を使って宿泊。(この辺りからホテルに泊まれるという邪念が生まれてくる)
試験会場は大学でしたが一教室に150人以上いる光景は自分の大学時代では経験しておらず、あまりにも新鮮だったので思わず人間観察してました。
試験が終えると受験者が一斉に会場を後にするため、上の階から降りてくるエレベーターが満員で乗れずに数百名がゾロゾロと6、7階から階段で降りていった光景は印象に残っています。(初日は自分も階段で降りて帰りました)
なぜ資格取得に目覚めたのか?
これまでの人生を振り返ると「資格よりも実力が全て」というスタンスでした。
しかし、2021年に資格取得に目覚め、7月にウェブ解析士、8月にITパスポートを受験し合格しました。そして8月、令和4年度の中小企業診断士試験を受験しようと決意しました。
資格取得に目覚めたきっかけは、会社のターゲットとする顧客像を改めて考えた時に「ITに詳しくない地元の中小企業」であると再認識しました。
非IT企業がターゲットになるので「聞いても分からないスキルや実績より資格を持っていることが強みになるのでは?」と1期目の半ばにして気づきました。
さらに昨年、「デジタル化応援隊」や「スマートSMEサポーター(情報処理支援機関)」に認定された経緯もあり、WebだけでなくITを通じて中小企業の役に立てる存在になりたいという理由から中小企業診断士の資格取得を目指すようになりました。
大学も仕事も自分に合わせて選んだ(楽をした)ので、中小企業診断士試験はセンター試験を思い出すような感覚で社会人になった自分がどれくらい通用するのかチャレンジしてみたい気持ちが生まれました。
1次試験の内容
1次試験は毎年8月に実施され、以下の7科目を受験することになります。
1科目100点満点で7科目合計420点以上、かつ40点未満の科目が無いことが1次試験の合格条件になります。60点以上の科目は科目合格となり、2年間免除となります。
一発で全科目合計420点以上を目指す人もいれば、複数年に分けて1次突破を目指す人もいます。
自分に合った勉強法を見つけることから始まる
多くの受験者は仕事をしながら生活の一部を削って勉強して試験に臨みます。
個人のキャリアや頭の良さなどスタートラインはバラバラで、得意科目や苦手科目が異なるところが中小企業診断士の面白さかな?とTwitterをやっていて思いました。
ただし、本当にスタートラインが異なるので注意しましょう。
もともとの出来が違う人がたくさんいます。
勉強法に関しても、同じテキストや問題集を使うにしても勉強法が異なります。
自分の場合、音で覚えるよりも書いたり、映像で覚えるタイプかなと思ってます。
「SL理論はまとめシートのあのページの右下あたりで見たな、あのページはこんなこと書いてあったな」のようなページ全体を映像として覚える感じです。全体をボヤッと覚える感じなので精度が低い上に暗記は苦手です。
優秀な方や他に資格取得で勉強している方は勉強法を確立されていますが、自分に合った勉強法を習得していない人にとっては勉強してるけど覚えていないという結果になってしまいます。
短期間で合格する人や1次突破する人とはこういったところで差が開くのだろうなと思いました。
自分も勉強法は去年資格の勉強をするようになって意識をするようになったのでまだ確立できていないのでもう一度見直します。
上記のようなスタイルで勉強していました。
今思うと勉強しているようでそんなに勉強していなかったかも知れません。
勉強時間だけでなく計画性とモチベーションが大事
受験までの勉強時間は人それぞれですが、中小企業診断士試験の合格には”1000時間”必要といわれています。(2次試験も含め)
2022年度版の問題集を去年の9月下旬から勉強し始めたのでスタートは早い方でした。勉強し始めた当初はモチベーションも高かった為、息巻いてストレート合格を目指していました。
しかし、早く始めたのはいいものの、悪い意味で余裕を持たせる結果となりました。また、長期的な勉強計画を立てておおらず、毎日2時間くらい?の勉強を毎日継続することが目標となっていて、周りがギアを上げていく5月くらいには燃え尽き気味で資格取得の意義を感じれず、モチベーションがドン底でした。
2022年に入って「仮に1次試験を通過しても2次試験で落ちたらまた1次試験を受ける可能性がある」「不合格でも生きていけなくなるわけじゃない」などとこじつけした結果、楽な方へと気持ちが流れ、ストレート合格という当初の目標から複数年に分けて今年は科目合格を目指すという現実路線に変更していったこともモチベーション低下の原因です。
ラストスパートはかけられませんでしたが、仕事をしながらだったので勉強時間に関しての悔いはありません。
生活時間を削って勉強し続けられる環境、試験を受ける意義などをしっかり持ち続けて死ぬ気で勉強したかどうかが合格には必要だと身を持って経験しました。
1次試験の結果
1次試験はマークシート方式なので問題用紙に自分の解答を記入することで試験後に自己採点ができます。
企業経営理論、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策に絞って科目合格を狙っていましたが全敗。
経営情報システムは自己採点の結果、56点。
1問4点なので”あと1問で科目合格”という結果でした。
経営情報システムは帰りの高速バスの待ち時間で自己採点をしました。
バス乗り場の前で立ちながら自己採点をしていたので三度間違いがないか確認しましたが56点。あと一問・・・。
でも悟りました。
この結果は今の実力そのものであり運命であると。
スピリチュアルな話ですが、「(診断士の神様?が)60点で満足するのではなく、来年はこの科目(経営情報システム)を得点源にしてもう一度受けに来なさい」という試練を与えられた感じがしました。
なので「奇跡が起きて4点増えてくれ!」とは思わず、すぐに現実を受け入れることができました。
ただ、「来年リベンジするかはまだ分からない」というのが自己採点後の率直な気持ちでした。
令和4年の夏が終わって
試験後は勉強から解放されましたが、他の分野の勉強や会社の経営などやるべきことがたくさんあったのですぐに気持ちを切り替えられず、とりあえず無心でゲームをやりたいという状態でした。
試験の1日目に知り合いの税理士の先生から連絡があり、「中小企業診断士の試験中だったので週明けにご連絡します」という旨の返事をしたら、診断士の試験を受けていることに驚かれて応援の声をいただきました。
さらに数日後、ある集まりでのスピーチで私のことを取り上げ、「チャレンジする姿に感動した」という内容を話されました。
私もその場にいてその話を聞いたので「多くの方に応援されたので来年も受験して1次試験通過しなければいけないな」という気持ちになりました。
約10ヶ月の勉強を通じてたくさんのことを学びました。
勉強だけでなく仕事も独学でやってきた自分にとって何かを体系的に勉強することはとても勉強になり、自信にも繋がりました。
一回受験して全科目一通り勉強したことをアドバンテージにして本気で勉強に取り組めるように気持ちを切り替えていきたいと思います。