見出し画像

脳性麻痺と側弯症

こんにちは。今日も思うままに書き連ねていこうと思います。
今回のテーマは 脳性麻痺と側弯症 について。
特に重度の障がいを持つお子さんの親御さんにとって、大きな悩みのひとつとなる側弯症について考えてみます。

この記事では、側弯症の基礎知識を振り返りつつ、対策について整理していきたいと思います。

側弯症とは?

まず、側弯症の病態についてですが、その名の通り 背骨が左右に曲がってしまう 状態を指します。側弯の程度を測るために コブ角 という指標があり、
レントゲン画像をもとに角度を測定します。一般的に コブ角が10度以上 あると、側弯症と診断されます。

曲がり方にはいくつか種類があります。
1. Cカーブ:背骨がひとつの方向にカーブしている状態。初期の側弯はこの形が多いです。
2. Sカーブ:下側は左にカーブしているけれど、上側は右にカーブしている、といったように2か所で曲がるタイプ。進行するとこの形になりやすいです。

進行すると、曲がりがどんどん強くなり、姿勢の維持が難しくなっていきます。

側弯症の原因

脳性麻痺児における側弯症の原因はいくつか考えられますが、主に以下の2つが影響していると思います。
1. 筋緊張の異常
• 痙縮(筋肉が常に緊張して硬くなる)による 左右非対称なねじれ
• 低緊張(筋肉が弱くなりすぎる)で 重力に負けて姿勢が崩れる
2. 24時間続く姿勢の影響
• お子さんたちは 常に姿勢をコントロールしようと頑張っている ため、昼間は筋緊張が上がりすぎ、夜間は重力に負けて崩れてしまう。
• こうした負荷が 365日続くことで、背骨がねじれたまま固まってしまう

つまり、筋緊張のアンバランスと長時間の姿勢維持が、側弯の進行を加速させてしまうのです。

側弯症が進行するとどうなる?

側弯が悪化すると、以下のような問題が出てきます。
内臓の圧迫 → 呼吸や消化機能が低下する可能性
姿勢の維持が難しくなる → 車椅子座位の安定が崩れる
痛みの発生 → ただし、痛みを訴えるお子さんは比較的少ない印象

個人的な経験では、側弯症の痛みを強く訴えるケースはあまり多くなく、それよりも 姿勢が崩れることによる生活のしづらさ のほうが問題になることが多いように思います。

側弯症の対策

側弯症の進行を抑えるためには、主に 装具療法・リハビリ・手術 の3つの方法があります。

1. 装具療法

最近よく使われるのが プレーリー装具 です。これは、側弯の進行を抑えながら座位の安定を助ける役割があります。ただ、装具だけで側弯を完全に防ぐのは難しいため、他の対策と組み合わせることが重要です。

2. リハビリ

側弯症のリハビリは めちゃくちゃ難しい ですが、基本的には以下のポイントを意識するとよいと思います。
筋緊張をコントロール(痙縮を抑え、低緊張を補う)
左右の非対称を是正(バランスを整える)
ねじれを解消する(姿勢を適切に調整する)
抗重力姿勢を促す(重力に負けない姿勢づくり)
姿勢設定の徹底(座位・寝位の調整を細かく行う)

特に 寝るときの姿勢 を適切に設定することが、側弯の進行を防ぐ鍵になります。

3. 手術

もし側弯が進行し、生活に支障が出る場合には 手術 という選択肢があります。

ただ、この手術はかなり大がかりなもので、親御さんが決断を迷う気持ちもよくわかります。でも、実際に手術を受けたお子さんの親御さんに話を聞くと、「やってよかった」とほぼ100%の方が言っている 印象です。

確かに手術後は介護の方法が少し変わるけれど、むしろ楽になることが多いし、お子さん自身も 姿勢が安定して楽そう に見えることが多いです。

まとめ

脳性麻痺児の側弯症は、筋緊張のアンバランスや長時間の姿勢維持によって進行します。
Cカーブ → Sカーブへ進行することが多い
内臓や姿勢の問題につながる可能性がある
装具・リハビリ・手術での対応が重要

特に 日常の姿勢設定 が側弯症の進行を防ぐカギになります。お子さんの負担を減らすために、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。

インスタもやってますのでよろしければ見てみてください。

Youtubeもやってます

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた。

いいなと思ったら応援しよう!