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5/7②「磯田道史『日本史を暴く』を読んで」
一年半、高校日本史・世界史の勉強をやり続けている。それで興味が湧いた部分もあるだろう。
タイトル通り、日本史の知られざる裏側を暴くような、そんな例えるなら週刊誌のゴシップ記事のような本でもあった。
食や、性、排便など、教科書には乗らないが、生活の本質的なところに焦点をあて、そこから昔の日本人の生き様を暴いていく。
この著者は直感の鋭い人なんだろうなーというところがいくつか見当たる。ひろゆきが言っていた「嘘を嘘であると見抜ける人」というのは、こういう人のことを言うのかもしれない。
そして、そんな著者のもとには、貴重であったり、重要であったりする古文書が引き寄せられてくる。その世界のことはよく知らないが、普通はそんなことは中々起こらないんじゃないだろうか。
結局、占い師のように、謙虚で、感受性の強い人のもとに、あらゆるものが引き寄せられていくのかもしれない、なんてことを考えた。
そんな著者が、「ただのオタク」を自称している記述があった。確かにそうなのかもしれない。
休みの日も、古文書を冷やかすに限る、といい、仕事に絡むようなことをしていた。そんな中で発見があり、すぐに仕事仲間に連絡。もはや、仕事とプライベートの境界が解けている。
こういうのを、本物というのだろうか。彼は、「本物の歴史家」なのかもしれない。
なんだか内容をすっ飛ばして、著者のことばかり書いている。それだけ強烈な印象を残す人なのだ。真似したくなってしまう。
しかし、「歴史家」というのはなんだか憧れる。俺も結構向いてるんじゃないかと思う。実際こうして興味を持ってこんな本を身銭切って買って読んでいるわけだし。
ひたすらに人類の過去と向き合い、新たなことを知ろうとする。温故知新。そんな古びた生き方はなんだか色気のあるようにも思える。大きなのっぽの古時計的な。
内容について書くなら、昔の人の風俗の日記なんかを掘り起こして紹介している部分が面白かった。
昔の人も風俗、行ってたんだなー。それも、旅の途中に庶民が行っていたらしい。江戸後期あたりから、多くの庶民が豊かな生活を享受できるようになり、旅行が大衆化した。
みたいなことは確か日本史の教科書にも書いてあったような気がするが、風俗まで足を運んでいたとは知らなかった。それだけで、一気に江戸の民が身近に感じられ、浮き彫りにして見えるような気がしてくる。
かなり売れている本らしい。そして、他にも多くの著書を出してるみたいだ。また読むかもしれない。
さすが売れている歴史作家だけあって、中々面白かった。歴史の本なんて何冊かしか読んだことがないので知らないが、歴史の裏側からホントの昔の人の生活を暴こうと試みて、それを面白く書ける人、というのは重要だし、あの人が一流なんじゃないだろうか、と思う。
余談だが、メルカリに出品したら、380円ぐらいで売れた。他にも7冊ぐらい出品したのだが、そのうち全部で4冊が1日で売れて、2,3000円ぐらい儲かりそうだ。
捨てようと思ってたので、嬉しい。本は新品を買い、中古で売り捌く、というのは、なんだか高貴な気がして気持ちがいい。