![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/93661145/rectangle_large_type_2_683ed42fbc97b4a810a6b75d874e131c.jpeg?width=1200)
M1グランプリ2022 感想
今年は準決勝進出者が決まったあたりから波乱要素が多く、その結果に一喜一憂し、驚きもたくさんあり、いつも以上にドキドキハラハラするM1であった。準決勝進出者が発表された時点で新時代の幕開けを感じざるを得ないような気さえもした。
決勝進出者の顔ぶれも、THE Wとのダブル決勝進出となったヨネダ2000。昨年から2年連続で決勝進出の真空ジェシカとロングコートダディ。決勝の舞台へ返り咲きとなったさや香とウエストランド。今年のABCお笑いグランプリ王者のカベポスター。KOCでも準優勝の実績を持つ男性ブランコ。おもしろ荘2021年優勝のダイヤモンド。2022年ツギクル芸人グランプリ決勝進出者のキュウ。と様々な方面で一度は名前を聞いたことのあるコンビが集結し、ワクワクとドキドキが同居していた。
<1stラウンド>
①カベポスター
ABCお笑いグランプリでも披露していた大声大会のネタ。トップバッターは不利と言われがちだがトップバッターであることが味方したネタだったように映った。しゃべくり漫才と思いきや後半にかけて技巧派の技に磨きがかかってて伏線も綺麗に回収していて面白かった。もう少し点数はあるのかなとも思った。
②真空ジェシカ
どんぐりのツカミは最高だった。狂気じみたネタで怖さを持ちつつも大喜利要素を随所に散りばめていて大いに笑った。時世を反映した多すぎるくらいのパワーワードの連続で真空ジェシカファンの私にとっては大満足だった。終始頬が緩みっぱなしだった。審査員にはあまり刺さってないようだったが、若い世代にはバンバンに刺さるネタばかりなのでこれからも真空ジェシカらしさを続けてほしい。
③敗者復活組・オズワルド
元々のネタ、敗者復活戦のネタをさらにブラッシュアップしてさらに面白さもアップして凄みが増していた。審査員の方が言っていたような違和感は覚えなかった。敗者復活の勝ち上がりも票数の差が群を抜いていたのもあってか納得の勝ち上がりであった(もちろん笑いの方も)。伏線の張り方や回収の仕方が完璧で話芸では一枚も二枚も上であるのは確か。今回は出順や流れが少し向かなかったのかな。そう感じた。ネタのレベルが高すぎて評価基準が少し高めになってしまっているのがかわいそうなくらいであった。
④ロングコートダディ
兎さんの最初のリアクションでその場の空気をがっちり掴んでいた。大喜利の展開次第で良くも悪くもどうにでも転がるが安定して好転していた。後から出てくるボケが前のボケを絶妙に交わしていく、たたみかけの層が厚かった。これと言ったツッコミワードが無いのにこんなに展開は転ぶのかと感心した。最後のほっこりしたオチは好き。
⑤さや香
最初の新山さんと石井さんの温度差の対比が秀逸。ネタが進むにつれて二人ともボルテージが上がって最高だった。年齢による誰でも感じとれる事柄で共感を生み、違和感の少しのズレが次第に大きなズレになり、最後には大きく裏切る、細かいけど丁寧でネタ全体の話の流れがスムーズで綺麗なしゃべくり漫才だった。5年かけてアップデートした変貌ぶりがすごすぎる。
⑥男性ブランコ
見た目とネタとのギャップに驚かされた。平井さんだけが動くコント風漫才かと思いきや浦井さんまでうごくまさかの展開で衝撃とともに大きな裏切りも生じた。事故を起こした後の平井さんのただアタフタしてるだけなのも非常に面白い。くると分かっているボケで身構えているはずなのに超えてきてちゃんと面白い。コント師なりの演技力も相まって憑依してて面白かった。
⑦ダイヤモンド
なんの変哲も無いワードの数々なのにダイヤモンドのネタになるとパワーワードに聞こえる不思議。序盤の野澤さんの喋るテンションをもう少し抑えめで入れば、もう少し跳ねた可能性は十分にあると感じた。出順や前の出番の組のネタの傾向一つで全然結果が変わっていただけになにかもどかしい感じは否めない。後半のたたみかけで脳がバグを起こしそうであった。
⑧ヨネダ2000
見事にヨネダ2000の世界に誘われた。これが漫才かどうかは置いておいて、とにかく笑った。気づいたら笑っていた。序盤のボケのばらまきの時点でもう面白い。誠さんの言葉の言い方で笑いを引き出され、愛さんのささやきツッコミがめちゃくちゃツボに刺さった。動き一つをとってもコミカルさがいい味を出していた。DA PUMPを歌い始めた時にはお腹抱えて笑った。漫才の枠を通り越して一つのショーや演芸として成り立っていた。
⑨キュウ
低調なスタートからじわじわくる感じがキュウらしさが全面に出てた。ただ、「~でしょう。」待ちになっていて単調になっていたのがもったいないと感じた。でも、間の取り方とテンポ次第で、はじけ方も変わるのでハマった時には相当強いと思う。これからに期待したい。
⑩ウエストランド
井口さんのぼやきツッコミがとことん突き抜けてスカッとした。少しでも躊躇したら気まずくなる雰囲気を通り越してグサグサに刺さりまくっていた。「そんなことはない」と思ってネタを見ていたが、いつしか大笑いして頷いて見ておりとても共感した。日頃、奥底に溜まっていたものをすべて吐き出してくれた気がして爽快な気分でもあった。地味にテンドンもしていて巧妙だなとも感じた。
〈最終決戦〉
①ウエストランド
自分たちの身の回り(M-1やR-1)のことまでとことんぼやきまくるスタイルを貫いていて、言ったらダメやろ、と不安に思いながらも笑ってしまった。1stラウンドの同じかたちでも全く飽きなかった。
②ロングコートダディ
タイムスリップをしても現代とシンクロしていることと対比が綺麗に描かれていて面白かった。大喜利好きな部分は垣間見れてなんか嬉しかった。それにしても兎さんのリアクションをとった時の顔はズルい。
③さや香
石井さんを受けての新山さんのリアクションの間やスピードが抜群。一気に引き込まれた。「モヒカンは坊主」ってなに!?。期待値と裏切りの緩急が大きすぎて見事に笑わされた。進化を経てのしゃべくり漫才は磨かれまくってて圧巻だった。
ウエストランド、優勝おめでとう!!!
1stラウンドの出順が10番目で最終決戦が1番目とその日の勢いそのままに掴んだと思う。どのスタイルでも貫いているってかっこいい。そう強く感じた。皆目見当違いかもしれませんが書かせていただきました。
敗者復活戦を戦っていた全組にもお疲れ様、ありがとうと伝えたい。全組の特色が色濃く出ていて笑いが絶えず、携帯を片手に採点をしながら熱戦を見守っていたが、非常に採点が難しかった。点数の差はあれど、全組ホントに最高だった。
p.s.敗者復活戦はオズワルド、令和ロマン、シンクロニシティに投票した。