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キングオブコント2021 感想

 率直に一言。とても面白かった。それに尽きる。

 「お笑いの日」の集大成。締めくくりに相応しくとても盛り上がった大会であった。審査員も4人が入れ替わり(しかも4人とも歴代のキングオブコント王者)、ファイナリストの顔ぶれもコントに定評のあるメンバーばかりで決勝進出者が発表された時点でとてもワクワクしていた。

1組目。「蛙亭」

 めちゃくちゃ面白かった。効果音や小物でコントというものを最大限に披露し、コントを超えて一つの作品を見ているかのよう。怖い、恐怖に似たような面白い以外の感情が出てくる場面も多々あった。中野さんの一言一言が普通の言葉なのに面白い。設定上の状況や中盤、終盤に行くにつれて蛙亭らしさがどんどん増していき、時間があっという間に終わってしまったという感覚。ただ一つ、トップバッターじゃなかったら...。

2組目。「ジェラードン」

 見たことのないタイプの学園もののネタ。3人それぞれのキャラが全開に出ておりジェラードンらしいコントが見れた。この3人だからこそ成し得る技。途中からエリナがかわいく見えだして感情がとても揺さぶられた。出だしから終わりまで勢いが落ちることなく最後まで突き進んでいた。

3組目。「男性ブランコ」

 このメンバーの中では知名度が低いダークホース的存在であった。が、引けを取らない面白さが抜群にあった。セットを全く使わない男2人だけの世界観。喋るごとに出る2人の装いとのギャップがたまらなかった。「大好きだー。」で終わるオチはあまり見たことがない。

4組目。「うるとらブギーズ」

 2人の独特の呼吸、世界観が存分に出ていた。これぞうるブギのコント。「わかる、わかる」と、思わずアナウンスをする人に感情移入してしまう。途中から人物にあたるスポットが変わるなど、起承転結の動き方が面白った。

5組目。「ニッポンの社長」

 ありそうであり得ない、到底思いつかないような設定。よくいるおっちゃんかなと思っていたところからの裏切り。ケツさんのボールが当たるところの演技力がうますぎて好き。ボールが当たるだけなのにあそこまで展開できるのもすごい。全体的にフリの言葉がないのに、笑いをかっさらう姿は天才的に感じた。

6組目。「そいつどいつ」

 よくあるカップルの設定から切り返しが秀逸で面白かった。細かな緩急や音を使った展開の強弱、後半の舞台を上下に広く使うなどの表現の仕方がそいつどいつらしさを存分に出していて面白かった。

7組目。「ニューヨーク」

 細かいボケに細かく強く突っ込むニューヨークらしさ全開のコント。ただ、展開が急すぎると感じたり、小さい笑いが続き、大きな笑いが起きなかったという印象があった。少し期待しすぎた部分があったのかもしれない...

8組目。「ザ・マミィ」

 絶対交わらない設定のコントで全く飽きなかった。もっともっと見ていたいコントだった。酒井さん側の設定の人の本音がもろに出ていてとても笑った。人の温かみにも触れるようなコントでもあった。最後のミュージカル調になるところは空気感がガラッと変わって、小さな確変が起きていたようにも感じた。

9組目。「空気階段」

 舞台が明転した瞬間、一言目からの強強のインパクト。コントの設定、展開はもはやコントを超えて1本の劇を見ているようであった。あの場面からの一切下ネタに走らないのは感嘆や感心の域で、時間内ずーっと面白い。比じゃないくらいに大笑いした。面白いを通り越して「ズルい」。

10組目。「マジカルラブリー」

 誰でも知っている「こっくりさん」。展開が読みやすく、進むにつれて面白さも増し、笑いの量も増えていく。マジラブワールド全開の野田さんが演じて、村上さんが突っ込むスタイル。後半は、M-1の「吊り革」を彷彿とさせる展開で面白かった。

ー 最終決戦 

1組目。「男性ブランコ」

 人の優しさが全面に滲み出るコント。レジ袋、3円、5円、など身近な細かいものでよくできているなぁという関心さえ覚えるほどであった。男性ブランコの知名度とファンが一気に増えたことであろう。

2組目。「ザ・マミィ」

 ドラマ仕立てに見えての裏切りが全部絶妙で面白い。単調な流れに見えて細かな差異が大きな笑いに変わっていく。ありきたりな展開に見えるが2人ならではの空間がそこにはあったように見えた。

3組目。「空気階段」

 これも空気階段らしさ全開のぶっ飛んだ設定。小出しに出てくるボケも面白い。出てくる言葉もすべて面白い。全員が笑顔になる笑いっぱなしの空間であったと言える。これぞキングに相応しいコント。

空気階段、14代目チャンピオンおめでとう!!!

そして、ファイナリスト全組全員のこれからの活躍を応援しています!!

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