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陸路での国境越え

日本で生まれ育つと、陸路で国境を越える機会なんてまずない。

千載一遇の機会だと、ネパールからインドへ陸路での国境越えに挑戦した。

カトマンズから国境の街スノウリまでバスで13時間、国境を徒歩で越え、インド側の鉄道最寄り駅ゴーラクプルまでバスでさらに3時間、ゴーラクプルからデリーまで鉄道で15時間の長旅である。

乗り継ぎ含めて30時間以上の移動だが、バスに乗っているだけ、鉄道に乗っているだけなので、別にどうってことないと思っていた。

が、しかし。

出発時刻の1時間以上前にバスターミナルに到着。待てど待てど、予約したバスは一向にやってこない。係員に事情を話すも、やはり見当たらない。これはこれでバックパック旅らしくなってきたな、などと呑気なことを考えてみたりしたが、定刻も近づき、さすがに焦りが生まれてきた。

カトマンズ・Gongabu Bus Park

再び、係員を呼び止めてバス会社に電話をしてもらった。電話を終えた係員が「こっちだ」と案内してくれる。そして、暗闇の駐車場に連れてこられた。

どうやら、エンジントラブルで出発できないらしい。
いつ直るかもわからないし、代車もないとのことなので、その場で待つことにした。

エンジントラブルは日常茶飯事のよう

1時間ちょっと経過したあたりだっただろうか、急にエンジンが始動した。意外と早いじゃないか。そんな喜びも束の間、走り始めると、これがまた揺れる。想像以上に揺れる。

つい最近、富士急ハイランドで絶叫マシーンに乗ったが、比べものにならないくらい揺れる。

完全に胃が浮いている。

乗車直前の食事はおすすめしない

10時間以上揺られ続け、ようやくスノウリに到着。ネパールの出国手続きに向かうと、出国審査で揉めている旅行者がいた。話を聞いていると、どうやらインド入国に必要なVISAを持っていないようだ。ネパールからインドへ渡るにはカトマンズの在外公館でVISAを取得するほかない。あの悪路を戻ると思うと、それだけで不憫だった。

目の前の旅行者の一部始終を目の当たりにしたことで少なからず不安を覚えたが、パスポートとインドVISAを提示し、簡単な質問に回答すると、出国審査が完了した。

晴れて、徒歩での国境越えが叶った。
徒歩での国境越えは、旅していることを実感できる、そんな経験だった。

ネパール側国境ゲート

国境線を越えた先には、正真正銘、インドが待っていた。リキシャの客引きはどこまで行くんだと群がり、インドルピーは持っているのかと両替商が寄ってくる。インドとはいえ、ネパールとの国境はどこか中和的な雰囲気があるのかと想像していたが、どうやらそんなことはないらしい。

インド側国境ゲート

旅も終盤。こうして、無事にインドへの再入国を果たした。


スノウリボーダーに関する情報(2024年11月15日)

ネパール・インド間の陸路での国境通過に関する最新情報が少ないので記載しておきます。

バスでネパール側の国境に到着するとすぐに国境ゲートが見えます。

ゲート手前左手の案内表示に沿って小道を進むと、ネパール側のイミグレーションがあります。

ネパール出国審査では通常の手続きに加え、インド入国VISAの確認があります。通常VISAもしくは、入国済e-VISAを提出して審査完了です。(陸路入国の場合、e-VISAでの初回入国は不可、再入国は可能でした)

ネパール側の国境ゲートを通過すると、インド側の国境ゲートが見えてきます。インド側の国境ゲートに設置された検問所でパスポート、VISA、手荷物検査があります。これは入国予備審査なので別途入国審査があります。

インド側の国境ゲートを通過後は、入国手続きの為にイミグレーションに向かいます。国境ゲートから道なりに10分程度進むと、右手に案内表示が見えてきます。(途中バスターミナルがありますが、その少し先です)

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