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見えない敵から目を背けるな!!!

前回のnoteで慢性障害に対する赤山の生涯の目標
をお伝えしました。

今回は、多くのスポーツ外傷・障害と向き合う中で
気づいた見えない敵についてお伝えいたします。

スポーツ整形勤務時代、対象となる患者様の訴えや
問題の多くは痛みや硬さでした。

痛みや硬さの原因には、変形や骨折、断裂や拘縮など。

現在の医学で発達した検査機器により多くの問題を
可視化することができるようになりました。

そして、その問題の原因としてセラピストが対象とする
事象もまた量的、時に質的な評価を通して客観的に
そこが問題であると他者にも表現しやすいものが
多くなっています。

しかし、多くの選手に向き合うなかで、どうしても
アライメントや可動域、筋力や運動連鎖等で解決
できない選手とも出会いました。

・特にぶつけたわけでもない。
・ひねった記憶もない。
・練習メニューも変わっていない。
・シューズや道具を変えた時期とも一致しない。
・筋力や可動域も他の問題ない選手よりも良い。

・・・でも膝が痛い。
・・・腰の痛みが取れない。

など特に女子バスケに関わってきた関係で
教科書レベルの対応では対処できない選手が
多くいました。

その多くの選手達は身体の不調の原因となる

「みえない敵」

と戦っていたのです。

それは俗に言うメンタルかもしれませんし、
内臓の不調かもしれません。

それに付随するホルモンバランスの乱れや生理周期
の影響を受けているのかもしれません。

そのメンタルの問題にはチームメイトとのトラブルや
家庭での環境。

将来への不安や、長引く痛み自体がストレスになって
自律神経のバランスを乱している可能性もあります。

こういった問題は目にみえにくく、整形外科などでは
見過ごされてしまうことも多くあります。

画像上の所見と痛みが一致しないので。
ドクターから。

「大丈夫、たいしたことないよ」

そのように言われて何ヶ月も痛みを抱えている選手を
これまで多くみてきました。

私はこの目に見えない問題を真剣に目を背けずに
見続けてきたからこそ、今がある。

そう確信しています。

そのために少しでもそういった見えない不安から
前に進めるよう今の自身の施設では開設当初より
自律神経測定器を導入しています。

整形外科勤務時代にこれがあれば、もっとはやく
選手を救えたかもしれない。

そう感じるからこそ、このようにお伝えしています。

これでもかというくらい、局所を見て、全身の繋がりを
考え。

それでも解決しない現象の答えはもしかして

みえない敵かもしれません。

だとしても目を背けるな!!

選手の全てに向き合うことでそのヒントは必ず隠されています。


見えない敵への対処法

その見えない敵をより具体化して
どのように評価、対処していくかを
引き続きお伝えしたいと思います。

皆様はこれまでに以下のような選手を
経験したことはないでしょうか?

・ 一見アライメントは大きく崩れていないのに痛みが強い。
・ 痛みがあちらこちらに移動して治りきらない
・ 単純な痛みだけでなく、不定愁訴が続く
・ 試合になると動きが悪くなる

このような選手に対して単純な可動域低下や
筋力低下に問題を帰結していては慢性化しやすい
事がこれまでの経験から明らかになってきました。

俗に言う『メンタル』と片付けられてしまいそうな
現象も心身相関の観点や自律神経的な観点から
身体を評価、問診していくことで解決策が
でてくるのです。

自律神経とは無意識的に身体をコントロールする
司令塔のようなもので、アスリートに関わらず
身体の調子を整える上で非常に重要な機能を持っています。

この自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが
崩れると痛みを感じやすくなったり、睡眠の質が低下、
疲れがとれにくくなるのです。

上記事象はもちろんアスリートにとっては致命的で
逆に言うとこういった事象を意識しながら自身の
セルフコンディショニングを行うことは
高いレベルでのコンディションを維持しやすくもなるのです。

目に見えない、抽象的な事象ではありますが、
特徴的に身体の変化としてもみられます。

一番私が注目して評価、アプローチするポイントは

《上腹部の硬さ》

です。

ここには交感神経の中継点である神経節があり、
内臓の機能や脊柱の柔軟性、もちろん痛みの感度や
呼吸機能とも密接に関わってきます。

具体的には
・ 腹腔神経節
・ 上腸間膜神経節
・ 下腸間膜神経節
という神経節が血管上にあり、
その血管の背部には大事な大腰筋があるのです。

寝転がった状態で同部位を自身で軽く押してみたり、
立位でもみぞおち付近をおさえるだけで硬さを
チェックすることは容易に可能となります。

アプローチとしては同部位の硬さを関係主義的に
解決していきます。

セルフケアとしては単に同部位を不快な感じがない範囲で
マッサージするだけでも効果的です。

試合などの緊張する舞台ではどうしても呼吸が浅くなり
肩に力が入りがちです。

こういった時に同部位の硬さをほぐすと
自然にリラックスでき、いつも通りのパフォーマンス
を発揮することが可能となります。

一見目に見えないと思っていてもこのように
具体化していく過程で選手自身も自覚しやすくなります。

なかなか症状が解決しない選手や自律神経症状が疑わしい
場合に一度試してみてください。

もちろんまずは、トレーナー自身がコントロール
できるようになることが望ましいです!!

また、今後こういった具体策や現場で実践している手法も
お伝えしていきたいと思いますのでお楽しみに!!!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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