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英語スキルの価値はこれから高くなる? 10年後のために英語を覚える必要性を説明します!

今回は英語スキルの価値が高くなっていくと思われる理由と、英語を覚えることのメリットを説明していきます。

前回の記事を読んでいただいてからのほうが流れがスムーズになるので、もしよければ、上の前回記事を読んでみてください。もちろん今回の記事だけでも内容は理解できるのでご安心ください。

前回の記事では、英語スキルの必要性が、今後さらに高まると思われる理由、背景を説明させていただきました。

今回は、そんな英語スキルを持っていることの価値がさらに高まっていく理由、背景を説明していきたいと思います。

もちろん、必要性が社会的に高まるので、そのままでも価値は上がります。
その上で、英語を使える人が今後、減っていくと思われます。

①英語を使えるの基準、要素が「読める、書ける」から「話せる、聴ける」になるから

前回の記事で、翻訳機の機能が向上していることをお伝えしました。つまり、今の時代なら「英語のメールや文書を読める」だけでも、英語が使えるということになりますが、今後は「翻訳機ではできない、聴ける、話せる」をできることが「英語を使える」ということに変化していく可能性が高いからです。

元々日本の学校教育ではカバーできていない、「話す、聴く」です。
使えるようにするには、自分から勉強する、留学するなど、お金と時間を一定以上かけないといけません。
そうなると、楽器や芸術、スポーツと一緒で、だれでもできるというものにはなりません。

ですが、ここで疑問に思う方もいると思います。数年前から、小学校5年生、6年生も英語教育が義務化され、このたび小学校3年生からにさらに前倒しになりました。当然、学習期間が長くなるので、英語を使える若者が増えるのでは? と思う方もいると思います。その点も考えてみましょう。

②日本の英語学習は実用的ではないから

2020年度から小学校5年生、6年生にも英語学習が義務化され、2022年度から小学校3年生にさらに前倒しになりました。
このことで、今まで課題だった「外国人とコミュニケーションを取れる能力、主に話すことや聴くことに割く時間が増える」としていますが、課題も多くあります。

まず、覚える単語数が増えました。
ゆとり以前:中学校1,000単語、高校:1,900単語
ゆとり教育:中学校900単語、高校1800単語
現在:小学校600~700単語、中学校1200単語、高校2,000~2,200単語

上の通り、ゆとり教育までは、覚える単語数はあまり差異はありませんでした。今回の前倒し化から、覚える単語数が格段に増えました。
文部科学省は、話す、書く、を学習する時間数を増やすと言っていますが、これらの単語を覚えているかがテストに出る以上、結局は単語を覚える時間が増えていくだけです。

覚えることが増えたこともあり、英語につまづく、苦手意識を持つ子供が増えることが懸念されています。
英語を覚えるには、自分から単語を覚える、積極的に英語を聴く、英語で話したり書く、ことが大切ですから、苦手意識を持ってしまうと英語を使えるようにはならないでしょう。

さらに教師の教える能力にも左右されます。

今回の義務化で、小学校で覚える内容は、以前の中学生レベルのものに近いようです。いくつかの報道で、現場からは「こんなに教えられない」という声もあるようです。
実際、いままで英語を教えていなかった小学校教師が教えるわけです。ただでさえ、教員不足、質の低下が指摘される中、果たして、英語教育をしっかり教えられる小学校教師がどれだけいるのでしょうか。

特に、英語を「話す、聴く」ためには、正しい「発音」を学ぶ必要があります。
「Can I ~~」は、「キャナイ」とネイティブは発音しますし、
「have a ~」は、「ハヴァ」と発音します。
我々の世代で、中学校や高校で、こういった正しい発音を教わった学生がどれだけいるでしょうか?
少なくとも私も、私の周りにも、ほとんどいません。そんな環境が、急に変わるとは思えません。

今の子供たちは、小学生から長い期間、間違った発音や内容を教わる可能性もあるわけです。そうすると、どれだけ英語が好きで積極的でも、うまくはいきません。
そして、次の理由が最後の理由になります。

③日本人は、そもそも英語を使うことが苦手だから

さて、身も蓋もない理由を書いてしまいました。
しかし、この理由を理解することで日本人が英語を使えるようになる方法の理解にもなりますから、向き合っていきたいと思います。

日本人が苦手な、はきはき、強弱をつけて喋らないといけないから

日本語は、音の高低で発音します。「橋と箸」は、音が上がるか下がるかで我々は違いを判断しています。
英語はというと、強弱で発音しています。つまり、はっきりと強く、発音する必要があります。
これは英語学習で日本人がつまづく要素の一つだったりします。
そもそも外国人から「日本人は、そもそも声が小さくて何を言っているかわからない」といわれるほどです。

留学したりして英語知識がある方でも、こういった声を大きく話すことがなかなかできず、コミュニケーションがうまくとれないことがトラウマになって、英語を使わない仕事に就く子も多いです。
(採用経験からも英文学科出身でも英語を使わない仕事を望む子は少なくないです)

はっきりと意思表示をしないといけないから

英語というよりは、海外の人とコミュニケーションを取る際に、意思表示は大切です。しかし、日本人はこれが苦手です。
意思表示ができない、というよりは、日本における意思表示が海外と比べるとかなり特殊だからというのが正しい言い方になるでしょう。

海外の人は、話を聞く際にはっきりと意思表示をします。興味がある、ちゃんと聞くときは、しっかり相手の目を見て、大きくうなずいたり、声に出して相槌を打ちます。
「日本人に話をすると、物に喋ってるように思える」という外国人は多いです。
日本人からすると、わざとらしい、おおげさ、と思えるくらいにしないといけないのですが、これも気恥ずかしい、と苦手に感じる人は多いようです。

またコミュニケーションを取る際にも、はっきりと伝えないといけません。もちろん海外にも「察する文化」はあります。しかしながら、日本とは異なるところも多いですし、英語を仕事で使うとなると様々な国の人と関わります。国ごとに文化や気質は違いますから、多国籍になればなるほど、言葉ではっきりと伝える必要性は高まります。

意見を言わないといけないから

外国人と話していると、「今までにどんなことに興味を持ち、どんなことをしてきたのか?」、「なぜ興味を持ち、なぜ行動したのか?」を聞かれます。
これは西洋人が持つ概念、「生きている時間を何に使い、何に使おうとしているのか」というところに通じます。
日本は中国で生まれた儒教の考えが定着しています。「年功序列」はその一つです。年長者に無条件に敬意を払うのが儒教ですが、西洋にその考えはありません。

これは仕事にも影響します。
日本人は農耕社会で発展してきた社会であり、和を重んじます。同じ東洋でも、その要素がかなり強くなっており、「自分は反対だけど、みんなが賛成なら、あえて反対意見を言わない」というような、自分の意見を表明することより、組織や社会の安定を優先するという状態になっています。
これは海外から、日本は今も社会主義国家であると指摘される理由の一つです。

反面、西洋は狩猟社会です。現に、イギリスやアメリカは、今もハンティングが一般的な趣味であり、獲物を狩るという行為はなじみのあるものです。
こういった狩猟社会では、自分の意見を言うことが大切になります。なぜなら、「なんとなく反対だけど、みんなが言うなら」と反対意見に従った場合、それが仮に失敗した場合は命を失うからです。
獲物を狩る際、当然反撃を喰らう可能性もあり、例えば猪の突進でも簡単に人間は死にます。

自分の命を守る、そして周囲の人間を守るためにも、自分が正しいと思うなら自分の意見をはっきりという必要があります。
なんとなく周囲に流されて失敗したときのリスクが、農耕社会(日本)より、はるかに大きいわけです。

仕事でも意見をはっきり言うことを求められます。海外の人からすると「〇〇さんと賛成です」というだけの人はいらないのです。
賛成なら賛成で、なぜ賛成なのか、一部でも反対意見や懸念材料はないのか、を求められます。
また反対意見も、みんなが納得する理由や根拠、整合性などを求められます。
日本教育ではこういった論理的思考、感情論を排したディベートなどは学習しません。

むしろ日本の教育、社会では、個を埋没し、意見を言わず、大人(年長者)の言いなりになる子供が「いい子供」と言われ、育てられます。
そんな日本人が、いきなり大人になってから、第二外国語である英語を使って、慣れてない、ともすれば普段日本語でもしていない、「意見を言う、論理的に説明する」ということができるはずがありません。

日本社会の文化、気質、そして日本教育と、「英語を使った外国人とのコミュニケーション」はかなり相性が悪いのです。

まとめ

ここまで、日本人が英語を使うのが苦手な理由を述べてきました。

一つ知っていただきたいのは、私は「日本や日本人が海外に比べて劣っているとは思っていない」ということです。

ただ、日本社会はもはや英語を使わざるを得なくなっています。
①日本政府、社会が人口減少していくことがわかっているのに、移民を受け入れず、人口維持できるチャンスを見送ったから
②人口減していく中で、同じアジア国家であり儒教思想などの一部同じ価値観を有する中国ではなく、あくまでアメリカを中心とした西欧国家と手を結ぶことを決めたから

多国籍国家になり、単独で経済を維持することももはやできません。
そして、衰退していく日本が今後も発展するためのパートナーを、中国ではなくアメリカに選んだ以上、アメリカが使う言語(英語)を学び、彼らの文化や価値観を理解し実践しないといけません。

しかし、ここまで述べたように、日本人は英語を使い、彼らの価値観や文化を実践するのは苦手です。
また英語教育も、あまり実用的ではありません。少なくとも学校でちゃんと勉強すれば、英語が使えるということにはならないと思われます。

だからこそ、できるようになれば、自ずと価値は高まります。必要になる英語が、しかしできる人は増えそうにない。

いかがでしょうか。今からでも英語をやってみる価値はあると思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう!


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