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ブレインストーミングはアイデアが出ない!?本当の効果とは?

「ブレインストーミングでアイデアを出しましょう!」

新規事業や商品開発に携わる人をはじめ、ブレインストーミング(以後ブレスト)でアイデア出しをした経験がある人が多いのではないでしょうか?

ブレストは、出した意見に対し批判はしない、質よりも量を出すことによって斬新なアイデアを出すことが目的です。

今では、社内外だけでなく、学生でもアイデアを出すために一般化されました。

私自身も学生時代、会議で何度かブレストをやった経験があります。

参加者がそれぞれ思いついた意見を出し合い、充実感がありました。

ですが、実はブレストではアイデアが出づらいことがわかっています。

…え?
本当に??
そんなまさか…???

そう思う方がいるはずです。

今回はなぜブレストがアイデア出しに効果がないのか、本当の効果とは何か、アイデア出しの他の方法の紹介をしていきます。

それでは見ていきましょう!!!


◆ 一部の人ばかり発言する

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一部の人が発言を握ることで、アイデアの総量が減ってしまいます。

ノースウェスタン大学の調査によると、会議における発言の総量の60~75%は一部の人に偏ることがわかってます。

会議で一部の人ばかり発言するのに、ブレストで急に

「みんなでアイデア出しましょう」

…できるわけありません。

発言の偏りは、司会や管理職など会議における重要な役職の人に発言が増えることがわかってます。

いかに自由にアイデアを出すといっても、上司が聴いてる前では言いたいことも言いづらい、というのが現実の問題として挙げられます。


◆ 話す間にアイデアを忘れる

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人のアイデアを聴いてる間に、自分のアイデアが思いつきそうになっても忘れてしまいます。

発言するときは1人しかできない、これは会話の数少ない欠点。

発言のブロッキングと呼ばれ、話すことで脳が活発に働くのを、他人の発言によって話せずにアイデアが消えてしまいます。

会議の目的の1つは参加者全員の意見が隠れないこと。

集団で話し合うため、1つの意見を深掘りするには向いてますが、自分の思考が止まってしまうのが難点。

アイデア出しは1つを深掘りする「質」の追及なく、多くのアイデアから斬新で創造的なものを見つける「量」の追及が基本です。


◆ 場の空気を優先する

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どんな意見も受け入れてくれる環境が整ってないと、周りの雰囲気に合わせてしまい、自分のアイデアが言えません。

場の空気をよむのは、日本人の良いところであり悪いところ。

ことアイデア出しに関しては、悪いところになります。

会議に関する調査で、会議で相乗効果が起こるのは全体時間の10~15%といわれています。

会議による相乗効果は「当事者意識」と「積極性」に左右されることがわかっています。

場の空気に合わせるということは、相乗効果に必要な2つの要素が両方とも失われることに…

先程述べた一部の発言ばかりする人に他の人が合わせてしまっては、アイデアが偏ってしまい、集まって会議をする意味がありません。


◆ 本当の効果

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ブレストはアイデア出しの効果がないならやる意味がないじゃん…

ここまで読まれた方はそうお考えではないでしょうか?

実は、他の効果が期待されていることがわかっています。それがこの2つ!


* ブレストの本当の効果 *
☑ 組織内の記憶力を高める
☑ メンタルモデルをそろえる
 (引用:SUPER  MTG)

1つずつ説明していきます。



☑ 組織内の記憶力を高める

「誰がどんな考えを持っているか」をお互いに知るためには有効
とされています。

ブレストは名目として自由であるため、アイデアの中身ではなく本人の考え方や行動を知るには絶好の機会なんです。

今は残業規制や人材不足で効率性が重視される社会になりました。

得意分野があれば仕事を引き受けて早期解決し、苦手分野があれば聴いたり頼んだりすればいい。

しかし、誰が何をできるかわからなければ、自分が全部やらなければならず、効率性が上がりません。



☑ メンタルモデルをそろえる

ブレストによって、会社や部署内での考えや行動の価値基準を知ることができます。

みんなが同じ目的地に行くのに、それぞれが別の道を使っては無駄が多くなってしまいます。

価値基準を知ることは、目的地までに会社や部署が何を使ってどの道を進むのかを知ることと同じ。

統一感が生まれ、他の業務で意思疎通しやすくなります。


◆ 他のアイデア出しの方法

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ブレストの本当の効果を知ることができました。

ではアイデア出しをしたいときはどうすればいいのか…

アイデアに関するビジネス書を何冊か読んできましたか、1番アイデア出しに良いといわれてるのが、

「ブレインライティング」

といわれる方法です。

ブレインライティングは、会議の参加者が紙に自分のアイデアを書き、出たアイデアについて話し合うことです。

実は、先程述べたブレストの3つの弱点も解決できます。

全員が書かなければならないので、一部の人に意見が偏ることがありません。

「話す」は1人しかできませんが、「書く」は全員が同時進行でできるため、アイデアが浮かびそうになったらすぐ書く、これなら忘れることがありません。

初めは話し合わず紙に書くだけなので、場の空気に流されることはありません。

ブレストとブレインライティングの比較調査によると、ブレインライティングの方がブレストよりアイデア量が20%多く、独創的なアイデアが42%多かったことがわかっています。

アイデア出しは参加者の考えを隠れないよう出すことで最大限生かす、それがブレインライティングなら可能になります。

他にも、アイデア出しの方法に、「クレイジー8」や「マンダラート」などありますので、自分でいろいろ調べてみてください!


◆ 終わり

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最後まで読んでいただきありがとうございました!!!

ブレストはアイデア出しには向きませんが、きちんと効果はあります。

そこだけはご理解いただければと思います。

ただ、学生時代にブレストとブレインライティング両方やった経験から言うと、やはりブレインライティングの方がアイデアが出たなぁ、というのが正直な感想。

日本人は集団行動の環境で育ってきたのでどうしても周りを気にしてしまうんですよね…

書くだけなら周りを気にせず紙にだけ集中できるので、誰もが平等にアイデアを出せるところが好印象でした。

しかし、ブレインライティングはやったことがない人の方がまだ多いのが現状です。

私自身も相談を受けるときはすすめていますが、まだまだ浸透していません。

みなさんも1度やってみてはいかがでしょうか?

それではまた次回に!!!


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