8月のこと①
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8月のことを色々と書き留めておこうと思う。
8/25,26に泊まりでPCP(peace cell project)探求フェスというものに参加してきた。
友達に誘われるがまま一緒に応募して
長瀞まで行ってきた。
自然があって、空が広い。
それだけでもうこころがいっぱいに満たされた。
~対話を通して出逢いなおす 世界とそして自分自身と~
今回の探求フェスのテーマ。
北は北海道から南は鹿児島、福岡や石川など
全国各地から40名もの参加者が集まった。
大学生や20代半ばの方達もとても多く
普段関わることのない人たちと話して
とても新鮮な出逢いだった。
演劇を使ったワークショップや
ドキュメンタリー映画の鑑賞
哲学対話などのプログラムが用意されていて
それぞれがそれぞれに自分と対話しながら
興味あるものを選択する。
僕は「プリズンサークル」の鑑賞と
永井玲衣さんによる哲学対話
高遠菜穂子さんの講義に参加した。
哲学対話と高遠菜穂子さんのイラクでの話は
とてもこころに残ってる。
永井玲衣さんはパレスチナについての発信や講演も
している方だったので会うのがとても楽しみだった。
そしてやっぱり素敵な方だった。
彼女はカッコつけた問いだけじゃなくて
私たちの日常の小さな問いを大切にしようと言った。
そしてそれを"手のひらサイズの問い"と表現した。
世界への問いは私たちの日常の問いに繋がり
私たちの些細な問いは世界への問いに繋がる。
私たちの"問い"に大きいも小さいもないということ。
対話は聴き合うこと
永井さんはそう教えてくれた。
人が本当に話す時は
下手くそになるのだということも話してくれた。
だからその「下手くそ」を愛そうと
ただ耳を傾けた。
忙しく慌ただしい日々の中で
「答え」や「結果」だけを求めて
自分と相手を深く見つめることもなく
毎日息を切らしながら走ってる。
互いにただ耳を傾け合い対話すること
それは何かを発することよりも
とても大切なことなんじゃないかと思った。
そしてそうして立ち止まることは
自分との繋がりを取り戻すことだったようにも思う。
これからも自分自身に立ち止まる時間を
できる限り許してあげたいなと思う。
・・・
高遠菜穂子さんはPCP代表理事を務め
イラク人道支援に20年以上携わる方。
2004年イラク人質事件の当事者でもあった。
高遠さん自身にまつわる話や
イラクでの紛争の経験談は
wikipediaでは到底知ることができない
壮絶なものだった。
PCPは現在イラク・ドホーク県ドホーク大学でも
活動をしている。
演劇(応用演劇)WSを学生たちと行いながら
紛争予防のための活動をしている。
イラクでこの活動を始めるより前
高遠さんは福島県の高校生たちが
原発事故を題材にした演劇で
地域課題に向き合う姿を目の当たりにしたという。
そこで演劇には可能性があるのかもしれない。
そう思ったそう。
幾度もの人道支援、緊急支援をしてきた中で
対話が不可能なほどの被害者感情を目の前にして
【対話は平和に繋がらない。】
そういう現実を突きつけられ
無力感を感じて
そしてやっと行き着いた1つの答えだった。
"empathy"と"sympathy"
高遠さんが話したこの話が
とても心に残ってる。
"sympathy"は自然発生的な共感力。
あくまで自分の立ち位置から相手に共感する力。
"empathy"はability(能力)の共感力。
相手の立場を知り
相手の考えや感情を想像して共感していく力。
そして高遠さんは"empathy"を大切にしたいと話した。
その話を聞いた時
演劇で人を演じることを仕事にする自分が
ここにいることに何か意味を感じた。
友達は演劇をすることを
"他人の靴を履くこと"かもねと言った。
なにか直接的に演劇でするという意味ではなく
ただ演劇が人間の"empathy"を培うものだということを感じたというだけ。
でも演劇をやることが世界の人と繋がっているのだとこれまで以上に実感として
深く理解し始めたように思う。
演劇を使い"empathy"を育む
深く人と人とが受け入れ合う土壌を耕すため
非暴力により次なる紛争をなくしていくため
peace cell(平和細胞)を分裂させる
そんな取り組みのために
高遠さんはじめPCP関係者の何人かは
またすぐにイラクへ向かうそう。
開会式の時にPCP運営の方が
「何のために私たちは勉強するのか」
という話をなさった。
そしてその方は
「人に優しくあるために
優しさで人を傷つけてしまわないように
私たちは勉強をするのかもしれない。」
そう仰った。
これからも"empathy"を培い
本当の意味で優しく在れるため勉強を続けたい。
2日目の朝
一緒に参加した友達と
外の芝生の上で話した時
自分も相手も
何だかもうもう違う人に感じた。
2日間デジタルデトックスしたので
写真は行き帰りの自然だけ。
高木正勝さんのmarginalia#116が
長瀞の夏を感じさせてくれるので
よかったら聞いてみてね。
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