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【恋愛小説】不純愛 第1章「リカ」 第4話「消えた朝と置き手紙」

一話はこちらから

https://note.com/ryosugihara/n/n9346ecc6b696

前話はこちらから

https://note.com/ryosugihara/n/n9aa4e697e3e8


朝、目が覚めると、彼女の姿がない。

部屋は静まり返り、ドアは少しだけ開け放たれている。慌てて周りを探してみたけど、どこにもいない。

「逃げたのか…」

そうつぶやいて、少しがっかりしている自分に気づいた。

昨夜、あの子は名前を教えてくれた。

あの小さな一言で、もう少し信じてもらえた気がしてたけど…やっぱり簡単にはいかないらしい。

ふとテーブルの上を見ると、そこには小さなメモが置かれていた。

「ごめん、ありがとうございました」

それだけが書かれたメモを手に取り、少し複雑な気持ちになった。

この街には、まなみのように行く場所を失った子がたくさんいる。

だからこそ、せめて一晩でも安心を感じられたなら、それでいいと思っていたのに、なぜか少し寂しい。

「まなみか…また会うことはあるのかな」

そうつぶやいて、私は仕事へ向かう準備を始めた。

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