見出し画像

ザ・ローリング・ストーンズ スティッキー・フィンガーズ

今回は『スティッキー・フィンガーズ』(Sticky Fingers)について書いてみます。このアルバムは、ストーンズのアルバムのなかでは、個人的にランキングをするなら、上位にもってきたいなと思うアルバムですね。

ストーンズ黄金期の充実度の高い一枚というところでしょうかね。
ただ、これも「転換期」の作品という側面もありますよね。
なので、「ベガーズ」に続き、これを取り上げてみました。

1970年はストーンズがデヴューして以来初の新曲が1つも発表されなかった年であり(ただし、ライブアルバムは出している)デッカ/ロンドン・レコードとの契約が失効した年でもあったわけですが、そこにおいて彼らは「ローリング・ストーンズ・レコード」を設立してます(北米のディストリビュートはアトランティック・レコードでしたよね)。これには色んな面があったんでしょうけど、ひとつには、著作権と財政をアラン・クレインと決別する目的もあったと思われます。そうしたことの影響からなのか、ある種の余裕を感じるところもありますね。

これだけでも「転換点」ではありますが、そうした時期に作ったこのアルバム、他にも、色々、節目要素がありますが、

転換期という角度から見ると
・ストーンズレーベルとしての初アルバム
・ブライアン・ジョーンズが全く関わっていない最初の作品
・ミック・テイラーの実質的なフル参加の初アルバム
・ベロのロゴを作って、それを使い始めた。
・モービル・ユニットを使いだしたアルバム。
・ジッパー付きジャケット(これは転換期とは関係ないですが)

こんなところでしょうかね。

曲目は以下のような曲が入っています。

RollingStones(ローリング・ストーンズ)
Sticky Fingers(スティッキー・フィンガーズ)
1971年
 
1 Brown Sugar (03:49)
2 Sway (03:52)
3 Wild Horses (05:44)
4 Can't You Hear Me Knocking (07:15)
5 You Gotta Move (02:34)
 
6 Bitch (03:37)
7 I Got The Blues (03:54)
8 Sister Morphine (05:34)
9 Dead Flowers (04:05)
10 Moonlight Mile (05:56)

公式で全ての曲が公開されているので、それを貼っておきます。
※ネットの公式のは、2009年のリマスターしかないので、それを貼りますが、余談ながら、あれ音圧上げすぎでデジタルクリップ起こしてますし、ほんとに酷いw。ある意味、このアルバムの価値を落としている面もあるリマスターなので残念ではあります。
これについては、最後に、欄外として貼っておきます。

では、行きます。

1 Brown Sugar (03:49)

これはまず、イントロからして印象的ですよね。

コード進行が凝ってますが、ミックのアイディアからというのを読んだことがありますね。実際のところはわかりませんが、何かの映像でティナ・ターナーの前でミックがギターを弾いて、歌っている映像を見たことがありますし、そうなんでしょうね。

このイントロはライブではリズムが裏から入るバージョンのもありますが、アルバムでは、普通の入り方ですね。

キースのオープンGが、その後のスタイルとして確立した初めての曲ともいえる面もあって、それを一曲目にもってきているのが、凄く印象的でもあり、また、自信のほどもうかがえます。もちろん、オープンG自体は、この曲までにも使っていますけど。それがキース自身のスタイルとなってきているのが、明確になったのがのアルバム辺りからかなと感じるところはありますね。

そして、これ書いておきたいんですが、アコギが効いてるんですよね。
その感じでいえば、グルーヴが二重化されていると思うんですよね。

言葉にしたら、
エレキは止めのリズム
アコギは流れのリズム
みたいな。

左がキースで右の合いの手のエレキがミック・テイラー。
右のアコギはキースですね。

これで、リズムの流れが二重になって、厚みと空間がバランスよくはめ込まれている面はあるかなと。

で、これ、ミックのボーカルがかなりやばいですね。
これはほんとにミックしか歌えないタイプのボーカルですね。なんというか、破れかぶれな感じなんだけど、破綻しない。ある種計算された歌なんですよね。
キースのコーラスも効いてますね。これも、この後、定番になっていきますよね。特にエグザイルではもっとこれが前に出てきますし。

ドラムはチャーリーのタムの使い方がかなり特徴的的で印象に残りますよね。

ピアノはスチューとのことです。これが、またいい。ここでニッキーではなく、スチューであるところが、意味深いと感じます(笑)。それは後で、別記事で書きますかね。ま、一言でいえば、ジョーニー・ジョンソンなわけですよ。

ボビー・キーズによるサックスは、ソロが印象的ですが、実際には、バッキング的に、全編に入っています。

中間部のソロは、普通に考えれば、ギターソロでもよかったわけですし、それを試したバージョンを海賊版で聞いたことがありますが、これについては、たとえギターバンドであったとしても、やはり、ボビー・キーズのサックスにして正解だなと思いますね。

これは、ボビーが「試しに自分に吹かせてほしい」とか、言ったとか、何かで読んだ記憶があります。それで、採用になったとか。

それと、細かいことを書くとしたら、ストーンズでは常套手段の一つですが、後半にかけて盛り上がり、興奮度を高めるためにか、後半に向けて、さりげなく、楽器の数が増えてます。

たとえば、後半ソロ明けからマラカスがはいってきますし、サックスソロのバックのところから、16ビートぽい(16ではないが)でリズム楽器が入っています。あの楽器何なのか不明ですが、カスタネットぽいですね(これ、イントロでもちょっとだけ使ってますね)。

余談ながら、この曲は、私が勝手に「バイ・バイ・ジョニーの件」と名付けている「件」がありまして、これについては、パート②で取り上げてみたいなと。※要するに、これ、イントロのリフとサビを以外のところだけ取り出すと、チャックベリーなんですよ。これは別途、考察したいと思います。

この曲のミックスはかなり凝ってますね。
たとえば、エレキのイントロのディレイとかも工夫の跡が見られます。

使っている楽器が多いので、それぞれ前に出したり(音をあげる)、引っ込めたり(音量を下げたり)、細かくやってます。

マスル・ショールズでのエピソードで読んだことがあるんですが、ジミー・ジョンソン(アレサとかのギターをかなり弾いている人で白人の方の)が携わっていたようですね。前に、英文のインタビューで読みました。

ちなみにこの曲は、完成版以外のデモバージョンには、いろんなヴァージョンが存在していますね。

たとえば、中間ソロ サックス違い クラプトンバージョン、
ミックテイラーのギターソロが入っているのとか、基本的な演奏は同じなものも多く、それらから上物だけ入れ替えていることがわかります。
ボーカルもいくつかのバージョンを聞いたことがあります。

その意味では、色々あれこれ試したうえで、このバージョンであったということですし、これらのこだわりをかんじますね。
で、やはり完成版は、ちゃんと仕上げてきています。


これは、ミックのボーカルだけがライブ。
後は弾いたふりですが、ミックのボーカルだけでも見る価値ありですね。

--------------------------------------------------------------------------------------


2.Sway (03:52)
では二曲目行きます。

このルーズさ。この後、しばらくの間代名詞的になったルーズさはここからでしょうかね。

この曲のリズム・ギターはキースではなく、ミック・ジャガーが弾いているらしいですね。右チャンネルのがそれでしょう。
全編でミックがエレキを弾いたのは、これが初出曲らしいです。
ミックテイラーは左だと思われます。

ここにきて、ミック・テイラーの音がミック・テイラーのあの音になってますね。これがその後のミック・テイラーサウンドの初出かもしれませんね。
スライドもミック・テイラー

特に2:40秒以降のこの音は、そうですね。
トーンがほんとにいい。
ミック・テイラーが加入したことを活かしきってると思います。

ベースはクレジットでみるとビルなんで、そうなんでしょうが、珍しく、凄く音を動かしてますね(笑)。

ビルについてのコメントはいつも少なくなってしまうんですが、彼のベースは、全体の音を邪魔しないところにおいて、ある意味、すごいと常に思っています。ただ、言葉としては書きにくいw

キースは、コーラスのみで楽器では参加していないようですね。

チャーリーのドラム、インパクトありますね。音数がどうとかではなく、この曲の基本のリズム自体にインパクトがあると思います。

この曲のピアノはニッキー・ホプキンスだそうです。
その他、ピート・タウンゼントとロニー・レインがコーラスで参加しているとのことでしたよね。

これにストリングスを入れるあたりが、ストーンズの充実度を感じますね。

余談ながら、このイントロの掛け声のところは、残響的に、多分ですが、ミックの当時の自宅であった、スターグローブスのどこかの部屋かと思われます。私の勝手な想像ですけど、スタジオぽい音の響きではないので。多分、石造りの部屋の反響かなと。リバーブとも違っているので、そうかなと思いますが、実際はわかりませんけど。

追記 と思って調べてみたら、やはりスターグローブスだったようです。
歌は流石に追加で別録りしている気がしますが、他は、多分、そうなんだと思いますね。

3 Wild Horses (05:44)

ある意味、ストーンズにとって「カントリーバラードをはじめてものにした曲」という見方もできるかもしれません。

この曲に関しては、キースとグラム・パーソンズの話と深く関係があるわけですが、そこを書くと、ながくなるので、とりあえず、関係があるというところだけで、省略します。ただ、これだけのカントリーバラードですから、キースだけでいきなり、これが書けたかと言えば、それは難しかったろうと思います。やはり、グラム・パーソンズの影響、アイディアがあって完成した曲であることは間違いないと思います。

ミックの歌がほんとにいいですね。キースのボーカルも。
後は歌詞がね。何とも言えない。

これ、イントロがまたいい。
ジャン、ジャーンではなく、ジャ、ジャーンと入るところがキースらしい。
こんなバラードでも「イントロのストーンズ」を見せつけてくれてます。
アコギは12弦を使ってますね。


後は、ハーモニクスが美しいですし、ギターソロの部分でのコードの展開もなかなかドラマチック。あの部分があるだけで、全然違ってますからね。
この辺りは、作曲能力の高さ、あるいは、この時期の充実度を感じます。

ソロもほんと秀逸ですよね。若い頃、あのフレーズをコピーしましたね。
これ、知っている人もいるかもしれませんが、エレキのリードフレーズ、ソロ、キースなんですよね。ミック・テイラーではありません。
ミック・テイラーはアコギで参加。

これも基本の部分は、マスル・ショールズでやったそうです。

これも、デモ段階のブートを持ってますが、ハーモニクスの音程をいろいろ試してました。そのバージョン自体は、デモのデモで、全然仕上がっていなくて、ある意味、グチャグチャなんですが、そこから音を整理して、最終的にあの形にしているわけです。
そっちのパートがミック・テイラーでしょうかね。

サビのギターも、もっと音がいっぱい入っていました。ここも最終バージョンは、残すべきところを残して、間引いてましたね。

もうひとつ書いておくとすれば、個人的な思い出なんですが、ライブでこの曲を聴いたとき、カントリー調の曲なのに、ミックのボーカルがあまりにもソウルで、あれにはまいりました(笑)。

4 Can't You Hear Me Knocking (07:15)

この曲は、なんといってもキースのリフ、そしてドラム。
で、ミックのボーカルが、、、。

キースのリフは、モンキー・マン辺りから始めったZepともパープルなどとも違った隙間ありありのリフ。

キースのリフの特徴は、自由に変化をつけられるリフであることかなと思います。あらゆるタイミングで、「これでもか」って感じで、はいってくるのがたまりません。
これはキースの真骨頂の一つでもあるかなと。

ミック・テイラーよるものと思われる二本目のギターも素晴らしいですね。
キースが右で、ミック・テイラーが左ですね。

後は、後半のミック・テイラーとボビー・キーズのソロが絶品。
これは、もう、いうことはないですね。

ラテン風と言えば、そうなんですが、あくまで「風」であり、やはりストーン流というべきなのかなと感じます。

これも元は予定してなかったようですが、ここもボビー・キーズとの絡みて誕生したとか読んだ記憶がありますね。そうだとしたら、貢献度高いですね。

チャーリーのリズムは、ニュアンスが凝ってますね。
タン・タンの二発目だけニュアンスを変えています。
ベースも凄いですね。

オルガンはBilly Prestonです。
パーカッションでプロデューサーのジミー・ミラーも参加してますね。

この曲は完成した時に、自分達でも「やったならおれら、やばいぞこの曲」みたいな感じだったんではないかなと、勝手に想像しています。

5 You Gotta Move (02:34)

なんなんでしょうね、この彼ら流のルーズさ。
危険な香りのするブルース。 
これのアコギのスライドはキースです。
まぁ、たしかに、ミックテイラーとはちがってますよね。
エレキの方のやばい感じのはミックテイラーのスライド。
この両立はストーンズらしいですね。
これもマスル・ショールズ。

これはいわゆるブルース・ロックではないですね。
考え方は、まさにブルース。もちろん、原曲と比べたら楽器も多いですし、その点では、黒人ブルースとは違ってますが、本質的にブルースしてますね。

キースの高い声での歌とシャウトが、またいいですね。

こちらが、ストーンズが参考にしたであろうかと思われるバージョンです。


--------------------------------------------------------------------------------------

6 Bitch (03:37)

リフが特徴的。リフはミック・テイラーが弾き、リードをKeithが弾いているかんじですね。なのでこの曲では、左がキースで、ミック・テイラーが右ですかね。

キースの左は、右のほぼ決め打ちのミック・テイラーのリフに対して、かなり自由度の高い、リフとリードフレーズで組み合わせているのがいいですね。

ギターでリフを弾いているので、すごくロックな曲に聞こえますが、
ミックの歌い方は、オーティス・レディングからの影響を強く感じますね。
その上で、自分のボーカルスタイルと確立し始めているのがよくわかりますよね。

Bobby KeysとJim Priceによる、ホーンセクションも入ってますし、聞き方によってはR&Bとロックの濃いめのハイブリッド曲にも聞こえる。そういう意味で、ストーンズな曲とも言えますかね。

ホーンセクションは、曲のエンディングに向けて、色々工夫がされていますね。右チャンネルでかすかにミック・テイラーのソロフレーズが入ったところでフェードアウト(笑)。

この曲をネタに、ちょっと演奏面から書いてみようかなと。

この曲のリフは基本同じことを繰り返してますが「隙間」のあるリフなので、それをうまく処理できないと、ださい演奏になってしまいますね。

普通の8ビートのように聞こえますが、チャーリーは、いたるところでゴーストノートを入れて、リズムに変化をつけてますね。いわゆる単純な意味での8ビートではないですね。

この辺の演奏の自由度の高さが、ストーンズにはまると抜けられなくなる理由の一つだと、個人的には思っています。

バンドサウンドとして聴いた場合に、演奏の面で聞きどころがいっぱいあるので、飽きないと言うか。同じところがあまりないんですよね。
まぁ、楽器をやってないと、なかなか実感はわかないかもしれませんし、バンドやっていないとわかりづらいところではあるかもしれませんが。

こういうのって、演奏している時に、たとえば、自分がキースだったとしましょう。それでチャーリーのこれの気づいた瞬間、「おっ、チャーリーよいねぇ」となり、「おれもいっちょやるか」みたいな感じで、化学反応が起きるわけです。これはストーンズにかぎったことではないですけど。

ただ、ストーンズは、その要素がほかのいわゆるロックバンドより、多いんですよね。相手の音に反応し合って、最終的なバンドサウンドになっているという感じです。そこに、隙間やアドリブ性があるので、やっている本人たちも飽きないんだろうなと。

この辺りが、普通のバンドは、ギターソロはともかく、歌のバックのところとかだと、10回やったら、10回同じみたいなのが多いわけですが、ストーンズは毎回変わるし、決めてない。特にこの時代はそうです。
そこが面白いんですよね。

でも、そこまですごーく楽器マニアとか、でない、一般的なリスナーが聞いても無理なく聞ける範囲の遊びですし、もっと幹の部分で、大衆性ももたせて、これらを両立させてますからね。
そういう大衆性もないと、長く人気を保てませんからね。ストーンズは、その辺りのバランスも絶妙かなと思いますね。

下のは拡張バージョン。

結構雰囲気が違っています。ミック・テイラーのギターの歪みがちょっと多めです。これをもう少し歪ませるとHRぽくなってしまいますよね。
フレーズも結構、違っていて、これはこれでギターだけで見れば、かっこいいとも思いますが、最終的な仕上がりの方が、曲としてのまとまりが上がっているのがわかりますね。

それもあってか、採用された方のは、ひずみが落とされ、フレーズも限定されています。
ホーンセクションのアレンジもところどころ違ってますし。
キースのリードは、まだ、実験的で演奏も不安定です。
ミックのボーカルもそう。
最後はどうせフェードアウトするからということと、ネタもなくなってブツ切れでおわってますが(笑)。

こうしてアイディアを詰め込んでおいて、最終的に引き算している感じがよくわかります。


--------------------------------------------------------------------------------------

7 I Got The Blues (03:54)

オリジナル曲ですが、60年代のR&Bをホーンセクション入りで、やったような曲。その点では、60年代、ストーンズがやりたかったことを実現した曲ともいえるかもしれませんが、それをオリジナルでやっているところが、素晴らしい。

カバーではなく、これをやっているところに、「おれら、オリジナルでも、こんなんできるようになったぜ」みたいな感じが好きです(笑)

ミックのボーカルがいいですよね。
ギターはベタなアルペジオが中心ではありますが、アクセントの置き所がフォークではなくR&Bしているところがミソかなと思いますし、ところどころいれるフレーズが渋い。
右の軽くトレモロがかかっているのがキースで、左Chのギターがミック・テイラーだと思います。
ビリー・プレストンによるハモンド・オルガンもいいですよね。
ホーンセクションはビッチに続き
Bobby Keys – saxophone
Jim Price – trumpet
ですね。

こんなR&Bなオリジナル曲をこれほど黒っぽくやれるバンドは少ないと思いますね。そこは、やっぱミックのボーカルは、白人だけど、黒っぽいなと。

8 Sister Morphine (05:34)

これはスライド・ギターが特に秀逸ですが、このスライドはミック・テイラーではなく、ライ・クーダー(ミック・テイラーは参加してません)。

これはもう、ライ・クーダーのスライドとリズムがやばすぎですね。

そして、この「沈殿した何か」みたいな空気感は、かなり危険ですね(笑)。

アコギもかなり効いてますね。このアコギがまた、語ってますし、空間や流れを作ってますね。これがないと、だいぶ違った印象になることかと思います。

しかし、ライ・クーダーのギター、Drumが入ってきてからのリフの嵐と、その自由度と「あおり(バンドをあおってますね)」がかなり、いかついですね。

これの鍵盤は、ジャック・ニッチェとのことです。

歌詞はマリアンヌもかんでいるとのことで、途中から、マリアンヌの名前もクレジットに入っていたかと。

そういう関係もあって、彼女も録音してます。というか、マリアンヌのは69年にリリースされていたので、そっちが先ですが。
このバージョン、アコギはミックとライ。ドラムはチャーリーだと読んだ記憶があります。確かに、ドラムはチャーリーですよね。

こちらがマリアンヌのバージョンです。

--------------------------------------------------------------------------------------

9 Dead Flowers (04:05)

カントリータッチの曲。
エレキは左がキースで、右のエレキがミック・テイラーでしょうかね。
つまりソロのリードの方がミック・テイラーですね。
この曲は、若干識別が難しいですが、ギターの音色とフレーズ的に、多分、合っているかと思います。

アコギは誰が弾いてるのかなと、気になったので調べてみましたが、資料によると、ミックとキースの両方のようですね。確かにアコギも二本入ってますね。

これのチャーリーのシンバルの使い方が好きですね。

これのピアノはイアン・スチュワート。

これも名曲の一つですかね。

10 Moonlight Mile (05:56)

ミックの自宅(別荘?)のスターグローブスで録音した曲でキースは不在だったのでキースの参加はなし。ベーシックトラックは、ミック、ミック・テイラー、チャーリーで録音したらしいですね。

このアルバム、ミック・ジャガーのギターも結構、増えてますよね。

実は、アルバムの中での裏ストーンズ系の曲では、この手の曲(オリエンタル系とでも呼べばよいのでしょうかね)は、意外に多いんですよね。

ストリングスも重厚ですよね。

こういうので終わるところにストーンズのこの時代の自信と充実度を感じますね。どうしてもロックンロールバンドとしての側面だけで見られることが多いストーンズですが、アルバムで聞くと、意外に、こういうのもやってますからね。この辺りは、なんだかんだといって、ストーンズは幅広いと思います。

シスターの緊張感から、デッド・フラワーズを経由して、ここにきて、ふわっとしたかんじで、緩和されておわるんですよね。結構、ソフトランディングだなと思います(笑)。

なんというか、70年代のストーンズにしては、ちょっと幸せな感じというか


ということで、駆け足でまとめてみました。

このアルバムは、CD、レコードといろいろ買って、マスタリング違いとか、マト違いで聞いてきました。

その話をすると長くなるので端折って、ほんとに簡単に書きますが、CDだけで、以下のようなのがあります(とりあえず、アナログも、USAの西海岸、東海岸、UK,国内盤など、だいたい集めましたが、それは長くなるので、CDのみでいきます)。

1 CBS/Sony  : 23DP-5569/1989 
 CD 初出 音しょぼいw 

2 Virgin   :  VJCP-25111/1994 
 ボブ・ラドウィッグなので悪くない。これは全然、普通に聞けます。
 流石マスタリングマスターですね。

3 Universal① UICY-60159 2009年リマスター盤/2009 
 ⇒ ラウドウォーの権化的な音で、聞くに堪えない。
初めて聞いたときの感想は「なんとデリカシーのないリマスターか」と思ってしまった(笑)しかし、今のアップル・アマゾン・YouTube上のはこれ。

今回、記事を書きながら、再度聞いてみましたが、毎回思うことなんですが、なんというかピークになった時のデジタルクリップが酷いんですよね。デジタルクリップは、アナログのクリップとは本質的に違っているので、私的には、このリマスターは超NGですね。後、コンプの設定があってないのか、チャーリーのリズムのニュアンスが、他のリマスターと違って聞こえるところがあるのがなぁ。

まぁ、ヘッドホンで聞き比べたときのファーストインプレッションのインパクトはこっちが上でしょうが、聞く人が聞いたら分かってしまいますからね。何とかしてほしい(笑)。これ書くのどうしようかと思ったんですが、まぁ、毎回思うので書きました。

というか、「リマスター私にやらせて」と言いたくなる。
「いくらなんでも、これよりはましに仕上げますよ」と。


4 Universal② UIGY-9066 2011年DSDリマスター盤 
 これは最高! ただし、SACDプレイヤーでしか聞くことができない。

5 UICY-79241 2011年DSDリマスター盤をCD化したもの。
 SACDプレイヤーがなくても聞けるので、これがお勧めですかね。

この記事、ちょっと前に、書き始めて4分の1くらいを書いたところで、仕事が忙しくなって、放置されていましたが、昨日の夜、ちょっと時間が取れたので、書いてみました。

とりあえず、このアルバムは、ここでいったん終了します。

もし続きを書くとしたら、先に少し書いた、ブラウン・シュガーとチャック・ベリーのバイ・バイ・ジョニーのことや、使ったスタジオ(このアルバムは、マスル・ショールズ、スターグローブス、オリンピックスタジオの三つで録音したり、オーバーダビングしたりして完成させている)の話なんかを書いてみようかなと。

その次は、どのアルバムを書こうかな(笑)。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?