「21世紀版コンコルド」実証機「XB-1」初飛行の記事を読んで747 vs コンコルドに思う事。
今日は、ちょっと音楽から離れた話を書きます。
どこまで書くかわかりませんが、資料を当たらず、記憶の限り書いてみます。マニアの方は、知っていることが多いかと思いますが、、。
最後に、私が撮影した写真を集めて写真集的なコーナーも作っておきました。
これを書こうと思ったのは、この記事を読んで、色々思うことがあったので、ひとつ書いてみようかなと。
普段は音楽ブログですが、飛行機のライセンスを取った程の飛行機好きですので、たまに記事として書きたくなるんです。常連の皆様、お許しください(笑)
で本題ですが、これは試験機ですが、完成した暁には、JALも購入予定だとか書かれていました。完成予定機は、航続距離が短く、太平洋を渡れるほどの航続距離はないようですし、どう運用するんでしょうね。
アフターバーナーなしで音速を超えられるとのことなので、それは利点ではありそうですが、音速突破時には、どのみちソニックブーム(音速機は、音速を突破する際に、ソニックブームという衝撃音と衝撃波が発生する)が発生しますから、音速越えは洋上でやるんでしょうし、そうなると、ハワイ便とかグアム便、あるいは沖縄便でつかうんでしょうかね?(笑)
航続距離的に日本からだとアメリカまではいけそうにないですしね。
この記事のなかであった、完成予想図の客席からの窓が大きいですが、「これ、実際にこんなサイズにできるんかな。これは、コンコルドと同じではないというアピールなのかな?」と思ってしまいました。
まぁ、面白そうですが、またもや採算取れずに終わるような気もします。
ということで、今日は、航空ネタとして
コンコルド vs 747ということで書いてみます。
<コンコルドについて>
コンコルドは当時、夢の旅客機と言われていましたし、私が子供の頃、未来予想みたいなのでも、こういう音速旅客機って、必ず描かれていました。
コンコルドは、なんといっても、スピードが速いわけですが、マッハ2超えくらいで飛んでいたようですね(ちなみに、カタカナではマッハと書きますが、航空の世界ではMachはマックと言います)。
巡航高度5万5,000から6万フィート(およそ20,000 m)ということなので、通常の旅客機のがだいたい3万半ばから4万フィート位で飛びますので、高度も高いですね。
客席は、100人位だったかな。
ちなみにコンコルドとは、フランス語の「concorde」、英語の「concord」で、確か、「協調」や「調和」を意味したような記憶があります。
そのコンコルド、唯一の音速超え旅客機として、有名ですが、実は、航空史のなかでは異色の存在でもあり、商業的には失敗しているんですよね。
採算ラインが200機以上とかのところ、実際に製造されたのは20機にも満たない、たしか15-16機程度で、製造が終わり、911の影響や、その後、事故もあったりして、世界の空から姿を消してしまいました。
敗因はいくつかあったようですが
・燃料費が高い
・100人位しか乗れないので収益性が低かった。
・音がうるさすぎて運用がし辛かった
→離着陸時の騒音問題
→音速突破時のソニックブームの問題
・通常より長い滑走路が必要
・航続距離が短い 大西洋はOKでも太平洋を渡り切れない
・客席が狭かった(乗ったことがないのでわかりませんが、何かで読んだ)
・窓が小さい(景色が楽しめないというクレームまであったそうです)
これはビジネスとしては「市場予想の読み間違えから来る戦略ミス」だったんでしょうね。
スピードの時代と思っていたら、「飛行機利用の大衆化による、大量輸送が優位に立った」ということだったわけです。
一応、JALは購入するつもりだったので、日本航空カラーの模型がありますよね。写真で見たことがあります。
ちなみにコンコルドは日本には、羽田、長崎、関空辺りに来たことがあったはずです。私は残念ながら実物を見たことはないんですけどね。
<ライバルとして登場したボーイング747>
そこで登場するのがボーイングの747です。
皆さんご存じのジャンボジェットの名称で知られる機体です。
4発エンジン。頭部は2階建て。形も特徴的ですし、皆さん知っていますよね。ぱっと浮かばない方であっても、後半、私が撮影した写真を貼っておきましたので、それみればすぐわかると思います。
今は、日本の航空会社は運用していないので、若い方は知らないかもしれません。一応、まだ海外の航空会社が運用しているので、成田とか関空とか国際線が就航していて、国際線が主軸運用の空港では見れるはずです。
実は、この飛行機、元々は旅客機でとしてはなく、輸送機狙いとして計画されていたんです(正確には、輸送機を作る予定で進めていたが、途中で旅客機、輸送機の両運用が図れると踏んで、その開発スタッフを充てたというべきかもしれませんが)。
この機材は、機首の方が二階建てですが、あれは、コクピットのところをあげて、胴体部分に荷物を入れやすくするためにああいう形をしていたんです(貨物機仕様の747の場合、カパッと開くんです)。そうでないと、空気抵抗的に不利なのに、あの二階部分のわずかな客席のためだけにあの形状をしているのは不自然ですからね。
操縦席もアッパーデッキ(二階側)にあるわけです。
要するに、一度に350から400人位を客を乗せることが出来て、同時に、輸送機としても利用できる航空機を創ろうと考えたわけです。
これの成功でボーイングは息を吹き返したんですよね。
<コンコルドと比較した場合の利点>
・大量輸送が可能
・航続距離が長い
・当時、主流の旅客機と同じ滑走路で運用できた。
・輸送機に転用も可能
・速度はコンコルドには勝てないが、旅客機の中では標準的
・機体が大きいので、シートアレンジに多様性を持たせられる。
→快適性を追求する余地が大きくあった。
・4発エンジンによる高い安全性
・慣性航法装置(INS)を民間機で初搭載
→これは時機の位置を把握するための装置です。起動して使えるようになるまでに10分くらいかかりますし、手動入力のため、入力をミスすると大変なことになるんですが、これで航法の安全性が上がったと思います。
というような強みがあったわけです。
飛行機の駐機場のゲート番号のところにゲート番号と一緒に、緯度経度がパイロットに向けて表示されていますが、あれは、これのための数値だったりします。今だと、小型機なんかでもGPSが普及していますが、旅客機の世界は結構、旧式なんですよね。
余談ながら、韓国の旅客機がソ連かロシアに撃墜された事件はこの入力ミスで領空侵犯したからだったはずです。
後、どうでもよいんですが、今では航空会社の名前であるエアバスですが、当初、ボーイングはこの747に「スーパーエアバス」という愛称を使っていたんですが、結局、「ジャンボ」の愛称の方が大衆に普及してしまって、その名称を使わなくなったという逸話も読んだ記憶があります。
<余談ついでに>
ちなみに、この747はエンジンが4つですが、3つ故障しても飛べるようです。それと、今の機材はエンジンが2つですが、太平洋を超えて飛ぶような機材は、万が一、片方が故障して1つになっても、ちゃんと戻れるように設計されています。もし、万が一、海外旅行で太平洋上でそういう事態になっても、安心してください(笑)。
それと、この747とかですが、国際線で燃料満載時に、離陸直後に何かあって出発空港に戻る場合、海上で燃料を投棄してからでないと、着陸できません(燃料は、投棄後に気化しますので、海洋汚染はされません)。そのまま無理にすると、パンクするので、こういう場合は、燃料を投棄してから着陸するようになっています。
<実は、一時期、世界で一番747を保持していた日本>
何かで読んだ記憶があるんですが、実は、747は日本が一番多く所有していたらしいです。
後、国内線用の特注の747SR-100とか300SR(SRの意味はショートレンジの略)とかもあったはずです。このシリーズには客席500くらいのもあったと思います。
旅客機って、こういう番号で呼ばれていますが、実は、派生形がいろいろあったり、マイナーチェンジをたくさんしているんです。
製造中止になっている727などはともかく、737など、昔からあって、ずっと運用されているシリーズは737-○○〇とかいろいろあるんです。
マイナーチェンジを続けて、ずっと運用されているわけです。
何が違うかと言うと、主に、内部の電装部分が最新化していたり、素材やエンジンが換装されていたりするんですが、大枠は同じで部分的に改善されていたりするわけです。
747の場合、当初は3名で運用(交代は含まず)でしたが、最終形態は2名運用でした。
747で一番有名なのは747-400(これが2名で飛ばすタイプ)ですね。これが一番多く製造されていたはずです。600機位だったかな。
シリーズ合わせての総生産機数は1500か1600機くらいだったかなと思います。ベストセラーですね。
<747-400のシミュレーター>
ご存じの通り、私は飛行機のライセンス(小型機のですが)を持っているんですが、ライセンス取得前はフライトシミュレーターをかなりやっていまして、この747-400はかなり実機に近い製品がPMDGというメーカーから出ていまして、それをさんざんやっていましたので、747-400の一般的な手順は覚えました。
本物を訓練したわけではないので「747の本物を飛ばせる」とは言いませんが、一応、この型式であれば、基本的な操作方法や飛ばし方は知ってます。
我々が飛ばすような小型機と違って、装備が良いし、安定感も抜群なので、これの実機を飛ばせたら面白いだろうなと思ってしまいます(笑)。
※ちなみに737は実機仕様の訓練用でも使えるシミュレーターをやったことがありますが、そちらは着陸させることは出来ました。
映画のエアポート何とかシリーズみたいなことになっても、なんとか降ろせるかなと思っています。まぁ、そんなことは起きませんけどね。
<747の今>
747の最終形態には747-8というのがあります。
このタイプは日本では運用されていません。
これが最終形態で、これで747も歴史を閉じました。
まだ、しばらくは飛んでるでしょうけど。
もう製造はしてません。
エアバスA380も似たコンセプトで製造されていましたが、こちらも生産は終わっています(A380 はエアバス社製ですが、総二階建て、4発エンジン)。
やはり4発エンジン機は燃料費のことや運用コストがかかるからですかね。
777とか787にとって代わられつつある感じなのかなと。
<コンコルドの今>
私が知っている限りではNYCのハドソン川に一機。
ちょうどこの記事がありましたね。
後は、ボーイングの工場のあるワシントン州、シアトルのエベレット空港のMuseum of Flight(航空博物館)に展示されていたはずです。
ボーイングの工場のある飛行場なのにコンコルドを展示しているのは面白いですよね。
余談ながら、アメリカはなんといっても航空博物館がほんとにすごい。
自家用小型機だけの中クラスの空港(といっても、自家用機が2-300機はあるので規模が違いますが)のなかにも、自主的に運営しているような博物館があったりしますからね。飛行機好きにはたまりません。
入場したらとにかく「ドネート(要するにカンパ)」と、言われますがw
それで冒頭のことに戻るわけですが、
「21世紀の超音速旅客機」無事就航したとして生き残れるんでしょうかね。
出来る前から要らぬ老婆心かもしれませんが、まぁ、そのように思ったわけです。
ボーイングも最近は、色々ありますが、それはそれはここでふれるようなことではないので、、、。
以下、747の写真集です。
コンコルドの写真は持ってませんが、747は、過去に色々撮影したので、色々あるんですが、型番別で保存しているわけではないので、過去のストックのなかから、サッと見つけられたのだけですが、写真集として貼っておきます!
飛行機好きな方はどうぞ
順番は適当です。いろんな空港で撮影した写真たちです。
<ボーイング747 写真集>
主に747-400か、それにF仕様(フレイター=貨物機)のが多いと思います。
一応、747-8と747-200も入ってます。
まぁ、こんなところでしょうかね。ほんの一部ですが、集めてみました。
これ以外にも、福岡空港や新千歳空港で撮影したのがあったような気がしますが、見つけられませんでした。
コンコルドは自分で撮影した写真はありませんので、ここには写真を載せられませんでしたが、747は、まだ飛んでいた頃に、比較的撮影したので、それなりには用意できたかな。
まぁ、今でも、国内でも国際線の空港では見れるはずですが。