オーディオ散歩道 その③ 電源の重要性
ほぼ、放置状態であったこのシリーズ、書いていた本人も忘れてました。
途中で放置しているのもあれなんで、一応、最後まで書いてみようかなと。
過去記事は、こちらです。
ということで、その③、「電源」についてです。
「オーディオの世界における電源」の重要性についてですが、これは思っている以上に重要で効果があると感じています。
もちろん、住んでいる地域や環境とかにもよるかもしれませんが、少なくとも私の場合は効果がありました。
まず、電源の一般論についてですが、普通、ピュアオーディオとかで、はじめにやるのは「極性合わせ」ですね。中級クラス位のオーディオ機器になると、背面に極性確認用のランプがあったりして、極性が正しいかの確認できたり、後は、テスターや検電ドライバーなどで極性を調べて合わせたりすることが多いかと思います。
これは、ネットで調べれば幾らでも記事が出てきますので、省略しますが、家庭用コンセントにも、乾電池とかと同じように、極性(つまり、プラスとマイナス)があります(普通は意識しないので、ご存じではない方もおられると思いますので、一応、書いておきます)。
サウンドハウスの記事がわかりやすいかな。
簡単に言えば、これを合わせることで、ノイズが減ります。
ただ、ここでいうノイズといっても、いわゆる「ジーーー」というような、あからさまにはっきりわかるノイズのことではないです。
オーディオでそんなノイズが出ていたら、まさに論外ですから(笑)。
で、家も初めはこれでやっていたんですが、これだけでは、どうもクリアーさに欠けると気づきました。
<導入前に感じていた問題点>
具体的に問題と感じたことは以下のようなことでした。
1.すべての機器の極性を合わせるのは面倒
あるいは、わからない機材もある。
2.夜間、遅い時間になると、なぜかノイズが減っている印象があった。
※(これは推定でしかないのですが、うちの近所には、工場などもあるので、そういうところのノイズが乗っていたのかもしれません。夜間は、会社が閉まりますから、それで減るみたいな印象でしたね)
というようなことがあり、それで色々調べていて、試してみようと思ったのが、トランスを入れることでした。
こういうのって、電気に詳しい人からすると、「ありえない」とか、いう人も多いんですけど、そんなことはないです。理論的なことはさておき、ノイズが減るんですよ。こういうことは経験と感覚も大事だと思います。
私の経験で言えば、オーディオ機器は繊細な面もあるので、影響はあると言わざるを得ません。もちろん、聞く側の人にとって、それが気にならないなら、やっても意味はないと思いますし、オーディオでは、効果がわかりにくいとも言えますし、費用対効果の問題もあるので、絶対にお勧めしたいとかではないです。なので、これはあくまでも私の個人的な経験の話です。ましてや、自分の耳が良いとか、そういうくだらないことを主張したいわけでもありません(笑)。
ただ、オーディオをやっている人の内、一定数の人が、これを効果ありとしてますし、ニーズはすくないにせよ製品化して販売もされますから、そういうものだと思っていただければと思います。
<導入したトランスのタイプ>
で、うちの場合、単相200V100Vにダウントランスするタイプのを、購入して、その時期、一緒に仕事をしていたうちの会社の人間に工事してもらいました。トランスは、今ほど豊富に販売されていなかったので、特注した感じでしたね(とはいえ、オーディオで導入して効果があるという実績のある会社の製品を購入しました。製品自体は、数万くらいのだったので、凄く高かったわけではありません)。
VVFケーブルは、7だったか8スケだったかの、凄く太いのを部屋の中に這わしています(VVFとは、電気の線のことで、スケは正確にはスケアという規格の単位で、表記ではSQと書きます)。まぁ、この太さにする意味や効果は明確ではないんですけど、うちではそうしました。
<トランス導入後の効果>
で、どうなったかというと、
1.極性合わせをしなくても、ノイズが気にならなくなった。
2.時間帯差によるノイズの増減を感じなくなった。
3.それ以上に機器から出る音がよみがえったように、クリアーになった。
と、まぁ、こういう効果がありました。
<トランスの欠点>
1.それ自体が「うなり」を発するので、オーディオ機器を設置している同じ部屋には置けない。→うちでは、隣の部屋に設置しています。
2.コンセントから電源を取って、その後段に設置するトランスもあるが、普通は工事が必要(設置には、電気工事の資格が必要になる。うちは、会社に、有資格者がいたので、やってもらいましたが)。
※コンセントタイプより、工事するタイプの方が効果が高いという意見が多いですね。うちは初めから工事したので、比較したことがないのでわかりませんが、そういう意見をよく聞きます。
<トランスの効果のその他の例>
これは、自宅のオーディオではありませんが、私の本業である設備音響の方でも、導入したことがあるのですが、この経験からもいくつかの現場(お客様)で、効果はあったので、それを書いておきます。
二例ほど書いておきますが、二件とも、私がやった仕事ではなく、他社さんがやった現場で相談を受け、解決した例です。
例①
音響に混入していたエレベーターノイズを消すことに成功(軽減に成功)
例②
音響に混入していた照明ノイズを消すことに成功
これは照明のサイリスタからでている雑音とまったく同じ波形(に聞こえる)ノイズが、スピーカーからでていたのが消えましたね。
副次的に、映像にも水平同期のノイズが乗っていたも軽減されていました。
※念のために書いておきますが、ケーブル類はバランスケーブルでバランス接続しています。また、アンバランスの系統にこそ、効果がある面もあるように思います。測定器で計測してまでは、検証はしてませんけど、お客様からは、「明らかに効果があった」と言われました。私のような専門家ではなく、そういうことに全く興味のない人の意見としても同じでしたので、効果はあったと言わざるを得ません。
上のようなことがあってから、新築で、規模がそこそこある現場の場合、お客様に説明して、初めからノイズカットトランスを入れてもらうようにしてます。
私が、仕事でよく使っているのは電研精機さんの製品ですね(写真がそれです)。1kVAとかのがおおいかな(もちろん必要量を計算して選びますが)。
もっと、これは自宅で使うような容量ではありませんがw
ですので、これは効果があるとみて良いと思います。
これは、趣味が仕事に繋がった好例ですね。
このノイズの問題を深堀すると、日本の電気の種類とか、供給方式にも関係してくるんですが、その辺のことは、私も詳しいことは忘れたのと、マニアック過ぎるので、省略しますが、とにかく効果はあると思います。
もちろん、環境や使っている機器では、効果がないことや、わかりにくいとか、これはありえますが、経験上、電源は大事だとは思いますね。
話をうちのオーディオに戻しますが、ということなので、電源はやはり大事だと言わざるを得ません。別に力説するようなことでもないんですが、オーディオマニアの言うことは「オカルト」とか「プラシーボ効果」とか言われることもあるので、、。
まぁ、これは理解できる面もありますし、そういう面がないとは言いません。なので、こういう記事は書いても、喜ばれるとは限らないので、なんとなく面倒な気がして書きませんでしたが、まぁ、これは、実際に経験したことなので、トランスは効果はあると言っておきます。
もう一つ例を書いておくと、これはオーディオの例としては、あまり意味をなさないし、極端な例ですが、電子機器から発せられるノイズについての、実例の簡単な例を書くと、エレキギターをもって、少し歪ませて、なんらかの電子機器のそばに行くと、「ジーーーー」が変化しますので、電子機器からノイズが出ていることはすぐにわかります。
例えば、携帯電話。これはもう、致命的なレベルでノイズが出ます(笑)。
後は、ディスプレイとかHubとからも出てますね。
なので、撮影、録音時には、ギターの向きや、こうした機器からの距離にも注意してますね。
なので、こういうものからの影響を軽減する効果があるのだとは思いますね。
オーディオの世界は、こうした一つ一つこの積み上げです。
ただ、そこまでする価値があるかどうかはその人次第かなとは思いますし、なので「やってみたいな」と思える人がやればいい事であって、これ自体が音楽の価値と関係があるとは、私は思っていません。ただ、せっかくの経験ではあるので、「こういう意見もあるんで」という感じで書いてみました。