見出し画像

オーディオ散歩道 その② 部屋編①反射(拡散)の制御

ピュアオーディオ記事 その② 部屋編です。三要素のうちの部屋編の①となります。

部屋の調音で重要なことは、残響音の吸音と反射の制御です。今回は、そのうちの反射(拡散)の制御について書いてみます。


ホールなどと違って、一般の住宅の場合、引っ越し前とかの状態とかでもなければ、反射音を意識することはないと思いますし、人が住むとなると、普通は色々ものを置きますから、結果的に、反射音を「意識」するようなことはないと思います。

ただ、ピュアオーディオをやるとなると、これは結構大きな要素だったりします。

私が部屋の調音を考えたきっかけ
・石膏ボートとビーニルクロスの反射音が嫌だった。
・色々調べていて調音の効果に興味を持ち、試して見たくなった。
・仕事柄、部屋の影響が音に与えている影響について実感していたので、自宅でも試して見たかった。

というような理由だったかと思います。

調音することを目的とした場合、制御で考えるべきは
1.吸音を目的としたもの
2.反射(拡散)を目的としたもの

の2つに分けることができると思います。

結果、現在の状態は以下の通りです。

正面

オーディオ全体

背面

画像7

<反射(拡散)の制御>
私の場合、反射板 (ディフューザー)は、ほぼ、自作しました。
製品としても発売されていますが、買うと高いので、勉強も兼ねて創ってしまおうと(笑)。

ディフェーザー2

1.ディフェーザー① 自作のQRDディフェーザー

これはQRD(Quadratic Residue Diffusor)の理論?に基づいたものをフリーのカルキュレーターソフトを使って、自分の部屋用に合うものを算出し、それをCAD図面化して、部材から全て自作しました(これはいつの日か、別途、記事にしようかと思います)。

QRDは、ごく簡単に言えば「直接の反射音を散らす機能がある」ということになるかと思います。コンサートホールの天井用考えられた計算方法のようですね。

使ったのはQRDudeです。

ディフェーザー3

これを元に、CAD図面におこし創りました。

以下は、当時作成したCAD図面です(横に書かれた数値は、単純に、一枚の板からどれだけとれるかのメモで音楽的な意味はありません…笑)

ディフェーザー

画像6

これは作るのも大変でしたが、なにより設置するときに死にそうになりました(笑)。これは建築関係の心得がない方は、自分では絶対に設置しないほうがいいです。ほんとに大けがにつながりかねませんので。

多分、20-30kg(下手したらもっと重いかもしれません)のを、持ち上げて、スピーカーを設置している面の壁面の上部と背面の上部に設置しましたので、ほんとに危なかったです(設置後、大阪で数年前に震度6弱だったかの地震があったときも落ちてきませんでしたのでよかったですが、大きな地震でこれが落ちてきたらかなりやばいとは思っています…)。

また、機材類をどけるのが面倒だったので、そのまま設置したので、高度なスリルを堪能しました(爆)。

2.ディフェーザー② スカイライン

QRD SKYLINEだったと思いますが、これはオークションサイトで買いました。これも拡散系です。

こいつは設置する場所を間違うとだめです。リスニングポイントの真上に設置すると、音がかなり変になります(笑)。これは発泡スチロールのような素材で軽いので、手軽に設置できます。

3.ディフェーザー③ 側面天井拡散板(自作)

これは自作しました。とりあえず、直角部をなくす意図でやったものです。構造的には空洞なんですが、中には軽い素材の吸音材をつめてあります。

4.ディフェーザー④ ピラミッド型拡散(自作)

これも自作です。これも確かCADで図面引いて作成したような記憶があります。デザイン的には気に入ってます(笑)。

5.ディフェーザー⑤ 補助拡散

これはこの背面の白いのが吸音材でして、それの調整用に取り付けたもので、ただの薄い板です(ただし、振動に配慮して打ち付けて固定はしています)。

6.ディフェーザー⑥ 天井取り付け(自作)

これは、〇型のものを天井に設置した場合の拡散の効果を試して見ようかと作ったんですが、途中で面倒になって、中途半端な完成度でそのまま天井に取り付けたものです。棒状のものの先に、◇の板を釣り糸で吊り下げてます(笑)。

7.ディフェーザー⑦ スピーカー側面ディフェーザー(自作)

これは上の写真では写っていませんが、スピーカー横に設置して「石膏ボード」の影響を軽減する目的で創りました。これはQRDで計算せずに作ったものです。

7.⑧ すだれ

これはホームセンターで売っているただのすだれです(笑)。これだけでも、設置方法によっては効果があります。物理的なものですから、「気のせい」ではなく、ちゃんと変化がでます。

ということで、まずは、紹介だけで終わってしまいました(笑)

当時、これらを取り付け調整した際のメモも少し残っていました。

言葉だけでこれらの設置後の効果や相関関係までは説明できませんが、これらを実施したことによる「音の変化」は確実にありました。

それらは「反射」だけで起きた変化ではありませんので、最終的に、「部屋編のまとめ」で書く予定です。

それは簡単に言うと

1.部屋の残響音などから来る音の濁りを軽減させる効果があった。

2.部屋の建材の反射音の影響をほぼ気にならないところまで軽減した。

3.音の立体度を高める効果があった。

ぱっと思いつく限りで書いて、こんな感じだったかと思います。

※最近はヘッドホーン利用を前提にしたピュアオーディオもありますが、それを除いた一般的なピュアオーディオパターンを前提に書きました。

また、今回は、あくまで調音ですので、これらを実施しても、遮音、防音の効果はありません。


いいなと思ったら応援しよう!