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テレギブ(Tele-Gib)創ってみました(改造Telecaster)。

<テレギブについて>

テレギブというギターがあります。このギターについて、今の時代、どれくらいの知名度があるのかわかりませんが、ギタリストでJeff Beckやクラシックロックが好きな人なら知っているかもしれません。

Jeff Beckの名盤「Blow by Blow(ブロー・バイ・ブロー)」のなかの「哀しみの恋人たち(Cause We've Ended as Lovers)」などで使われたギターです(作曲者はスティービー・ワンダー)。

音は、Telecasterにハムバッカーを搭載するので、TelecasterともLes Paulとも言えない、なんとも不思議な音のギターでして(笑)。

余談ながら、これは日本だけの和製英語ではなく、海外でも通じます。

詳しくは、ネット上で色々出てくると思いますので、そちらに譲りますが、このギター、まれにレギュラーラインとは別で制作して販売していることもありましたが、いわゆるカスタマイズギターですので、普通には売っていません。

これを一度やってみたかったんですよ。ただ、それだけのことなんですがw。ちょっとマニアックな話ですが、そのお話しです。

これを読まれるような方は、ご存じでしょうが、Telecasterに搭載されているPUは、下の画像のように、通常は、2つで共にシングルPUですが、それを両方とも、ハムバッカータイプに交換されているのが特徴です。

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(私が17歳の頃に新品で購入したFender USAのAmerican VintageシリーズのTelecasterの写真。88か89年製のワンオーナー個体です。うちのユーチューブでの動画でも使っているギターですが、見た目がこんな状態なので、ほんもののVintageかレリックと勘違いされますが、使っていてこうなっただけで、レリック無しです。)

<元ギターの入手>ここは興味のない人は読み飛ばしてください。

元になるギターはFender USAのAmerican Vintageを元にしようと決めていました。FenderJapanのモデルも検討したのですが、Japanもそこそこ高いですし、せっかくやるのであれば、やっぱUSAかなと(笑)。後、Japanはネックの塗装しあげがどうも好みではないので。

上の画像の通り、私は、17歳のときに買ったこのモデルのTelecasterを持っていますが、それを改造するのはちょっと決断できず、新しく調達することにしました(笑)。

このモデル、残念なことに既に製造完了になってしまっていて(なんでだFender?)、新品では手に入りませんので、中古を探すことに。
それで、色々さがしましたが、関西では一本も出回っていません(大阪のギター屋どころか関西圏にすらありませんでした)。

数ヵ月、待ってみましたが入荷されず、仕方がないので、ネット購入を検討していました。

その時、最近、ギターのメンテナンスをお願いしている奈良のギター屋さんに別件で電話した時に、この話題になりました。

<改造を依頼したお店と入手経緯(偶然の出会い)>

今回、購入と改造を依頼したお店がこちらキングピンズ・ギターサービスさんです。

https://www.kingpinsguitarservice.com/​

お店のブログの記事はこちら

私は大阪在住ですが、いきつけのお店が店じまいしてしまい、それからはキングピンズ・ギターサービスさんにお願いしています。奈良市内は大阪市内からでも高速だと40分もあれば行けるので、以外に近いんです。

「店には出してませんが、うちにヴィン・テレあるので、それ見ますか?」という話に(我々は、略してこう呼ぶ…笑)。

このギター、私が、ネットで、この数ヵ月見てきた中では、一番、状態もよく、私の基準では新古品くらいの感じでした。

まさに偶然の出会い、それとも必然? 運命のいたずらか!(それほど売っていなかったんですよ)

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こちらが改造前の画像(当然ですが、まだ、シングルコイルのオリジナルのPU状態です)後でばらして確認したところ、ネックデイトは2003年か2006年のようでした。ですので、塗装は少し薄くなり始めているがシンラッカーではないくらいのかなと思います(80年代のはかなり厚塗りですが、これはそれよりは薄い)

改造自体も自分でやるつもりでしたが、この流れですし、この際、改造もお願いすることにしました。
※この改造をするには、本体にハム搭載用のザグリが必要になりますが、それには木材加工のルーターがあると便利。ルーターは持っているんですが、別の目的のために買ったもので、ギターの加工はあまり経験がありませんし、今回のギターは綺麗でしたのでギターの傷をふやしたくありませんでし、お願いすることにしました。
※ちなみに、むかし、ノミでやって苦労したこともあります(笑)。

私からのお願いとしては、
・気が変わったら元に戻すかもしれないので、RearPUの取り付け方法に工夫をしたいと思っている。
・Rearの本体のざぐり(PUマウントの加工)は、後で戻すことも考えてなるだけ狭い範囲での加工にしたい。


ということでした。

面倒な依頼にもかかわらず、快く請けて下さりありがとうございました!

まぁ、こういう方法を採用したのは、今後、USAのAmericanVintageシリーズの個体数は、さらに減ってくるだろうかと思うので、改造も、なるだけ元に戻せるようにと思ったのもあります。


以下、写真付きでもう少し詳しく説明します。

<ハムを搭載するための本体のザグリ(元に戻せるための工夫)>
ここが問題なんですよ。

というのも、RearにハムバッカーのPUを搭載しようとしたら、まず、PUをマウントする幅の分だけ本体のスペースを拡張する必要があります。

しかし、それをTelecasterに搭載しようとすると元に戻す際に、PUマウントの耳の分だけはみ出るわけです。

テレギブに改造するだけなら、このマウント部分は、エスカッションで隠れるのでこの方法で問題ありません。

ただ、Telecasterのオリジナルのブリッジの横幅は、これを隠せるほどは広くありませんので、元に戻す場合には、このザグリがそのまま見えるわけです。

元に戻した場合、さすがにこれはかっこ悪い!(画像赤丸部分。尚、この画像ではすでに、Frontもハム仕様にザグられていますね)。

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それで、数日あれこれ考えて思い付いたのが、PUのマウントの耳を切断する方法でした。
これを実行するデメリットはPUの再利用ができないことですが、ギター本体のザグリよりはましかなと。

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こうして耳をカットすることで、ザグリをしないで済むようにと考えたわけです。

これで搭載時の横幅の問題は解決です。

<PUのマウント方法>
ただ、これだとマウントができません。PUを眺めてながら、あれこれ考えて思いついた方法があり、それでお願いしました。
それがこちら

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PUの底面の四端に穴をあけて、直接本体にマウントする方法です。これはPUの底面プレートの際(きわ)なので、加工が大変ですが、考えられる方法では一番ベストかなと思いましたので、こちらでお願いしました(自分で開けてからお渡ししようかと思いましたが、快く、請けて下さいましたので、こちらもお願いしました。これ、際々なので結構大変だったかと思います)。

<エスカッションの固定>

ここまでやっておいて、エスカッション(PUの枠のこと)の固定をねじでやったら元も子もありませんので、固定は、両面テープでとめてもらい、
そして、エスカッションのねじはダミーでという方向で行きました。

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<まとめ>

依頼した改造内容をまとめると
・本体のザグリはPUの幅は作業がしずらくない範囲でぎりぎりで行く。
・ただ、後で通常のブリッジに戻したときにはPUのザグリがはみ出ない(見えない)範囲までにする。
・PUはマウント部分を切断して、幅を最小限にする
・PUの固定方法はPU底面の四隅に穴をあけて、そこから本体に直接固定する。
・エスカッションは両面テープでとめる。
・エスカッションのねじ穴はダミーをつけておく。

・Frontはピックガードで見えなくなるので、普通にザグリを入れてもらう方法で行く。

・ブリッジの切断は大変なので、依頼するこちらも気を使うので、市販の加工されたものをこちらで用意する。

<ピックアップ>
PAFのコピーのなかで一番の(と、私は思っている)VintageManiacsさんHystericPAFを使いました。

ダンカンからテレギブに搭載したPUのモデルをもとに製品化したハムが発売されていますが、そのRear用は14kですが、VintageManiacsさんのは9kくらいまでしかないので、それを搭載しました。その点では、うちのは出力は高くないことになります。

後日談
結局、リアはダンカンのJBモデルに換装しました。理由は、9kではFrontとのバランスが良くないためです。ほんとはPrototype JBにしたいんですが、あれは高いので、現行モデルで行きました。
これでバランスはとれましたね。やっぱ、よく考えられてます。
トーンをタップタイプにしたので、リアは一応、シングルにもできます(笑)。

後日談その②
もうひとつ、オリジナルに近づけるために、フレットをジャンボに交換しました。これは弾きやすいですね。Fenderのギターのフレットをジャンボにするのは、結構、やっている人はやっていますし、うちもJazzMasterがそうなっているので、このメリットは知っていましたが、これもやってよかったです。

<再現していない部分>

テレギブの指板はメイプルですが、あれは元々59年モデルのネックでローズ指板だったのをわざわざはがしてメイプルにしているそうです。さすがにそこまでは再現していません(笑)。

後はヘッドのストリングスリテイナーもテレギブは2つですが、うちのは元のままの一つでやめておきました。


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完成品がこちら。

これを使ったギターの録音と動画撮影は、まだ少し先になりそうですが、いずれやってみるつもりです!

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