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ギタリスト列伝:2 ロバート・ジョンソン

ギタリスト列伝 二人目はロバート・ジョンソンにしました。

<ロバート・ジョンソンとの出会いのきっかけとその衝撃>
私がロバート・ジョンソンを初めて聞いたのは17歳くらいのときでした。その時の衝撃の大きさときたら、「なんじゃこりゃ?」で、ございました。

きっかけはスティーブ・ヴァイが出ているからということで、当時メタル小僧でもあった私のために友人がレンタルビデオを借りてきてくれた「映画・クロスロード」をみたことでした。
映画の冒頭で、ロバジョンの曲で(ライ・クーダーによる演奏で始まり途中で本物に?)で幕を開けるんだったと思いますが、その演奏を聞いた瞬間、「これはなんか違う。聞いたことないぞ、こんなの」ということでした。

そうそうこれでしたね。ほんとに衝撃でしたね(笑)。

映画自体は、音楽的なところでの面白さを除けば、なんとも言い難いストーリー展開ではあるんですが、そんなことはどうでもよくて(笑)。いえ、悪い映画ではないと思います。ただ、それ以上に音楽自体の衝撃がw

翌日、ソッコウでLPを買いにブルースレコード(黒人音楽専門店)であった「吉村レコード」に走りました。

LP、あのジャケットがよかったんですよね。当時は、LPで二枚でていて、2つとも買いました。

前にも書きましたが、これを聞いて、まだメタルとストーンズ辺りをうろうろしていた私は、「メタルに戻ることはないかな」と思ったのを覚えています(前にも書いた通り、今では、たまにメタルは聞いてますし、あくまでも、その時の気持ちです)。

もちろん、ライ・クーダーも買いました(同じ店でかどうかはわかりませんが、とにかく、同じころに買った記憶があります)。

ということで、以下、当時の衝撃を書きます(すさまじい歌や、完成されたスタイル、多様な曲については言うまでもないですが、今回は「ギタリスト列伝」でもありますので、そっちに絞って書きます)。

<デルタブルースのリズムの衝撃>
まず、思ったのが、「これどうやって弾いてるんだ?」ということでした。後は、リズム! 当時、もうブルースは聞き始めていましたが、デルタ・ブルーズ、カントリーブルーズの世界は知らなかったので、ロバジョンのあの「ガッガ・ガッガ」というシャッフルには驚きました。あんなリズムは聞いたことがなかったので、ほんとに衝撃でした(笑)

それで、この曲(Kind Hearted Woman)の部分的なところをだけを抜き出したTAB譜を入手して、弾こうとしてみたところ、「え、こんなの無理だろ」と思いましたね。

まぁ、クラシックギターでもやっていれば、そうは思わなかったのかもしれませんが、ピックを使ってギターを弾くギタリストにとって「親指でリズム、他の指でそれ以外の演奏」みたいなことはやったことがないわけで。

まぁ、フォークとかのスリーフィンガーとかができる人であっても、あれはいきなりはできないと思います。同じ指を使うといっても、普通は「美しくつまびく」のが、多いわけですが、ロバジョンの場合「ガッ」ですからね(笑)。同じ楽器でも、何か違った世界の音なわけで。

私にとってのブルースの本質はある意味、ここに集約されるんですよね。この「ガ」という音。そもそも、ほかのジャンルの音楽では「音楽ではなくノイズとみなされてしまうようなえぐい音」(前に「影響を受けたギタリストリスト」を書いたときにDonryuさんから「3大キングが入ってないんですね」と言われたことがありましたが、そう、私はエレキ弾きのくせに、ここからブルースにどっぷりはまったので、そうなったんです。

スクイーズ系ではなく、デルタ・ブルースからシカゴ、その後、テキサスに行き、ニューオリンズにみたいな(笑)。これが私の黒人音楽の履歴でした。。

この「ガッ」は、キースが、ストーンズの70年代のライブの「ラブ・イン・ベイン」で、やってましたね。エレキですけどw。あれはかっこよかった。

<オープンチューニングの衝撃>
しかも、「いろんなオープンチューニングを使っているらしい」と知って、さらに驚きました。
まぁ、キースの6弦なしオープンGは知ってましたが、それ以外は知らなかった時点での話でしたので。

<私がロバート・ジョンソンから受けた影響>
私はアコースティックギター弾きではないので、奏法自体を深堀したわけではありませんが、当時、あのスタイルにも挑戦して、かなりかかって少しは弾けるようになりました。

あのシャッフルの「ガッ」という音、自分のその頃の相棒のギタリストがそういう弾き方をしており、親指の付け根を弦に当てると近い音が出ることがわかり、手首をひねって弦に当てるという不自然な奏法なんですが、それを練習をした覚えがあります。今でもできますけど、使う場面があまりありません(笑)。

後は、親指以外の指で色々やるわけですがこれがむつかしいんですよねw。その後、ライトニン・ホプキンスにはまったときにも、この奏法は使えましたし、自分の指弾きの基礎は、ロバ・ジョンにはじまったんだなと今では思っています。

今でも、この応用はいっぱい使っていますし、Jeff Beck先生の指弾きを多少なりともできるのは、この頃にロバ・ジョン双方に取り組んだおかげだなと思います。

ロバート・ジョンソンはご存じの通り若くしてなくってしまったので、映像はありません。ただ、彼が影響を受けたブルースマンの一人である「サン・ハウス」の映像があるので、それを貼っておきます(これも若いころコピーしましたね…笑)。しかし、これは何度見ても「失神もの」です。もう、これを聞いてるだけで「うぉー」ってなります。

つまびくんではく、もはや打楽器ですか?状態。しかもスライドバーも斜めですからね。どんだけ激しく、ロックよりロックというか、本質的に爆発してますよね(笑)


ロバジョン、好きな曲はたくさんありますが、これも好きでしたね。

ちなみに、あの時代は、ロバジョンの曲を通してのフルスコアはありませんでしたし、あったのかもしれませんが、少なくとも私は見つけることが出来ませんでしたし、80年代半ばから後半にかけての時点では、国内ではそういうスコアはまだ入手できなかったと思います。たぶん。

慣れてきてからは、ライ・クーダーからも影響を受けつつ、オープンEやオープンAで弾いたり、それでスライドをやったりとかにもトライしましたね。あれは面白かったです。

<まとめ>
ということで、私は若いころ、メタルから入り70年代の有名どころのハードロックも色々聞きつつ、そのままストーンズにはまり、それと同時に、いきなりデルタブルースにはまったんです。ですので、たしかにロックから入って入ってはいるんですが、その彼らがルーツミュージックとして聴いてた音楽に、比較的早く直行し、その後、徐々にロックに戻っていったという遍歴があります。その点、今では良かったなと思っています。

いつか、ロバ・ジョンもやってみたいんですが、ヴォーカルがw
Stu歌えんかなぁ。流石に無理かな(笑)。

<おまけ ピグノーズ>
そういえば、あの映画の影響で随分ピグノーズ(映画に出てくる乾電池で駆動するアンプ)が流行った気がします。ピグノーズ懐かしいですね。トラック運転手時代、すごく重宝しました。ふたを開けて演奏するのと、閉めるのでは音が変わるんですよね。


江藤さんからのリクエストで始まったこの企画?ですが、こうして書いてみると面白いですね。

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