Fractal Audio Systems Axe-Fx II XLの発売当時の衝撃!ギタリストの夢の箱。
きょうは、Axe-Fx II XLという機材のお話しを書きます。まぁ、もう発売からかなり経ちましたので、これが出た頃のような衝撃はなくなりましたが、発売当初はなかなかのインパクトでした。
ギタリスト及び、エレキギタリストでない方にとっては、どうでもよい機材かもしれませんが、ギタリストにとっては、人によっては夢のような機材といっても良いかもしれません。
エレキギターは、結局、アンプと接続して使うわけですから、エレキギターはその組み合わせによって音が決定されます。
この機材は、ギター本体のプラグから先の機材を一手にまかなってくれる機材なわけです。
要するに、ギタリストにとっては、夢の箱みたいなもの。
まぁ、ギターのシールドケーブルから先が「ドコでもドア」状態といえばわかりやすいですかね(笑)
輸入代理店のオカダインターナショナルさんの紹介文を借りると、、、。
まぁ、私は、上のような使い方はしませんが、確かにそういうことですね。
似たような機材は、それまでにもありましたが、こいつは格が違いました。
私は、20代半ばから20年程、ギターを辞めていましたが、その最大の理由の一つが、「ちゃんとした音が自宅では出せないから」というのが大きかったんですよね。もちろん、バンド活動の問題もありますが、それ以前に、まず、これがあったわけです。
そういうアンプを買ったからといって、自宅では十分な音量では音は出せませんし(一応イギリス製の100Wのアンプを一つ持ってはいるんですが、こんなのは自宅では使えません…笑)、真空管アンプだとメンテナンスもあるし、それを複数のメーカーでそろえて、とかになると、もはや無理(笑)。
エレキ・ギタリストである私にとって「ちゃんとしたアンプでギターを弾くことができない」というのは、ギターライフを休眠させてしまうに十分すぎる理由だったわけです。
普通、エレキギタリストは、演奏するために、「スタジオやライブハウスで」という苦労をしているわけですが、ギターを弾くためだけにそれらを続けるというのは、私の場合、現実的に無理だと思わせるに十分な理由でした。
いえ、私も、それが正統派だと思いますし、それができれば理想だとは思います。まぁ、バンドだってそうですしね。ただ、仕事もありますからね。
もちろん、プラグインとかでも、色々でていましたし、使ってもいましたが、まぁ、これは演奏面から考えればやや特殊なものですから、ストレスなくってわけには行きません(なにしろ、演奏するだけでPCが必要ですし、レイテンシーのこともありますからね)。
そこで登場したのがFractalの製品だったわけです。うわさを聞いて試奏をしたのか、ふらっと立ち寄った楽器屋で試奏したのかまでは忘れましたが、
とにかく、
試奏したときに思ったのは、「これはすごい。ちゃんと真空管アンプの感じが再現されている」「TwinReverbの音がしている」「マーシャル系はMarshallの音だし、感触もかなり近いぞ」ってことでした。
もちろん、本物とは違います。特に、状態の良い本物には絶対勝てません。それは当然でしょう。ただ、本物といっても状態の悪い物もありますし、プロのギタリストではない自分にその辺りの管理はかなり厳しい。ギターの基礎的なメンテ位ならまだなんとかなったとしても、アンプまでとなると無理!
そういう心配がこれなら不要!となると、これは「もう買いだな」と思わせるに十分な製品でしたね。
値段も35万とかそれくらいで、かなり高い買い物でしたが、「まぁ、これでギターを弾き倒せるようになるなら、これは買おう」と思いました。
そこから私のGuitarライフは復活し始めました(笑)
まぁ、当初は20年のブランクもあり、再開した時の自分の演奏の没落度にはショックでしたし、それをある程度まで復活させるには大変でしたが、まずは復活させる意志が固まりました。
「やるなら、それなりにやりたい、あまり中途半端にはやりたくはない」というのが、あって、休眠したのもあったので、これを買った以上はやるしかないなと。
そこからは眠っていたギターのメンテを皮切りに、演奏能力を基礎から取り戻す訓練をしつつ、って感じで、多分、2年くらいはかかりました。
後は、バンド活動とか録音とかどうしようかなと、、そこから先の話は別の機会に(笑)。
<はじめにやったこと>
購入後、始めにやったことは、元になったアンプモデルの整理でしたね。
商標の問題があるので、元になったアンプの名前は表面的には明かされれていませんが、そこは、wiki.fractalaudio.comのアンプの項目を見れば元になったのが何のモデルであったのかはすぐにわかります。
1959SLP JUMPED (100W Marshall Super Lead Plexi 1959 reissue)
5F1 TWEED (Fender Tweed Champ, 5F1)
これだとつかいずらいので、私は、これらを数日掛けて、元のモデル名、メーカー別で分類しました(その時だけは時間がかかりますが、一回やれば楽なので)。
その後、そこから、自分のギターとの組み合わせである程度の好み別で分類し、Recordingの時に使い分けるみたいな感じで使っています。
StratocasterプラスFender系アンプ
Gibson 335とVoxとか
そういうのをたくさん作って、後は録音する時にメモを加え、ストックしていきました。
私の場合、録音後にも、DAW側で自由度高く触れる余地を残したいので、「アンプ部とキャビネット部だけ選んで、後は、エフェクトなし」という、ある意味、もったいない使い方をしています。なるだけ生音ぽく録音しておいて、そこから先は、DAW側で狙ったと音にするみたいな感じにしてます。
まぁ、録音時はプレイヤー視点でやっておいて、録音後はエンジニア視点に切り替えるって感じです。
実際、ルームシミュレーターやReverb(ただし、スプリングReverbは除く)は、AXEのを使うよりは、DAWの方でやったほうが音が良いものが多いので(笑)。
なんにせよ、こんなこと、一昔前であれば絶対にできませんでした。
特に宅録派の方にとっては、使ってみたいと思える要素が詰まっているかもしれません。
もちろん、ライブがだめってわけではありません(自分は今はライブはほぼしてませんので)。むしろ、プロでライブで使っている人も多くなってるようですね。まぁ、真空管アンプを持ち運ぶのはリスクもあるってこともありますし、複雑なシステムを切り替えて使いたい人にも向いてるのかもしれません。私は、宅録で使うことが多いので、曲の中で切り替えることは、ほぼありませんが。
<KemperとAxe-Fx II の比較>
Kemperも評判がいいので、一時期、Kemperも中古を買って、試しに使ってみましたが、今は売り払いました。理由は以下の通りです。
音は好みでしょうけど、私はFractalの方が好きですね。
個人的な意見としては、音もFractalの方がしっかりしていると思います。ただ、そこは好みもあると思います。
直観的操作や普段使い慣れているアンプに近い感じの「操作性」が良い方にはKemperの方が向いているかもしれません。実際、操作系はKemperの方がシンプルだと思います。
AXEは細かいところまで調整できるのも好きですね。パワーアンプ部、プリアンプ部、パワーサプライ部とかも細かく調整できますしね。
後は、意外に気にって使っているのが「Pick Attack」これは、微調整して使うことが多いですね。
ただ、調整できる項目が多すぎるので、そこは好みかもしれません。
後、AXEはPCやMacと繋いでEditorで操作しないと、ちょっとストレスがおおいですね。まぁ、本体で操作はしずらいというのが正直なところですかね。
Kemperの方は、操作系統と直結した操作ノブが多いので、ギタリストにもわかりやすいかもしれません。
私がKemperを手放した理由は、Kemperは実際のアンプからモデリングするわけですが、そのデータの数が多すぎるので、それを選んだり管理したりするのに時間がかかりすぎるのと、その元データ自体が、キャプチャーする人の腕や個性で質の差があるので、それがちょっと面倒でしたね。
AXEはアンプ部は決められたモデルのなかからに限られますがKemperは無限に増えていきますから、そこは一長一短かなと。