不安を減らすために、行政ができること
長崎には「長崎県内全21の自治体職員有志と県庁職員有志がゆるく横で繋がり情報共有していく勉強会」があり、昨年末から緩やかに開催されています。参加者全員少しずつみんな顔見知りになっていきながら、この週末開催された「オンライン飲み会」の中で、各自治体の取り組みをシェアしあう時間になりました。(トップ画像は、日南市観光協会ページから。こういう異世界感作っちゃうユーモアセンスが胸をくすぐりますよね〜)
宮崎県日南市におそわったこと
今回、日南市の田鹿さんをゲストに迎えて、日南での活動状況をシェアしていただきました。宮崎県内 陽性は17人(4月25日現在)ということで長崎県と同数で、全員感染経路がわかっている状況ですが、ここ2週間は陽性が出ておらず、状況は落ち着いているとのこと。
行政は公平性を考慮することが多いなかで、日南市はスピードを重視。「民間で動いて欲しい」と行政から声かけしながら、民間の取り組み、行政が情報拡散。その情報が記者発表やTVインタビューなどを通じて地元メディアに取り上げられて結果、まちに情報が広がるスピードに繋がっているそう。
日々刻々と情報が変わっていく事態に置いて、改めて自治体の情報発信への意識の高さは「行政の中に民間から採用した広報のプロフェッショナルがいるか」にかかっています。田鹿さんもまさに、マーケティング専門官として民間から採用された方。このスピードの中での発信手腕は、民間出身ならではです。↓ここにもそれについて触れました
各市町村が同じ悩みを抱えているかと思いますが、県外に住む日南市出身者がゴールデンウィークに家族を帰省するようお願いする方もいる中で、いかに「県外移動を自粛していただくか」。
日南市は、帰省キャンセルするとマンゴーをプレゼントする企画を実施し、50名の募集ですでにほぼ満枠の応募があったとのこと。これはYahoo!ニュースにも取り上げられ、実際に応募総数よりも「広報視点」で、いかに注目を集めていくかという部分に大きな広報効果が認められた事例です。
現時点で批判的な声は聞いていないとのこと。地元の「売れ残ってしまった」物産品と、「帰省自粛願い」との行政と生産者のマッチング視点は、どの自治体でも真似できそうなのに、全自治体がやっている訳ではない。つまり「簡単そうで簡単じゃない」ことを、どうやって簡単にやって見せるかが、行政PRマンの腕の見せ所です。
さらに市長が付けているマスク、記者会見ごとに変わっているそうなんですが、これ全て「地元支持者からの贈り物」。こんなところで市民の心を掴むきっかけを作っているのも、さすが崎田市長。こればっかりは、真似したくても、そもそもどれだけの市長が地元からマスクが届いているんでしょうね、って話ですからね...
最近、長崎市内では、長崎の伝統芸能「長崎くんち」で使う「手ぬぐい」をマスクにしている人をよく見かけます。マスクにも地元愛を漂わせるのは粋です。あちこちで売っているみたいなので、新しいお土産として、みんなに送れたらいいなぁ。
長崎県の事例①市民と一緒につくっていく平戸市
平戸市では、広報担当の行政マンがお手製でメッセージを発信しています。何個かだしては、市民からご指摘をいただき、改善していくトライアンドエラー方式で伝えたいことを「市民と一緒に作っていく」プロセスは、なかなか勇気がいるやり方です。心無い言葉に、職員も心折れかねません。「はいできました」と完成形をドヤ顔で出しては叩かれる行政の施策、めっちゃあります。一緒に施策を作っていきましょうのスタンスを作れるのがこれからの行政と市民のあり方のように思います。
長崎県の事例②壱岐市の地元SNSコミュニティ
県内で最初に感染者を出し、かつ最大の感染者数を抱えた壱岐市では、福岡からの近さゆえに、不安を抱えながらも自分たちの島を守っていく動きがアクティブになっています。「いきめし」では、グーグルマップ上に壱岐のテイクアウト実施店舗が掲載。マップで一目でわかるのはありがたい。さらに「いきのみ」では、壱岐の焼酎の「新しい飲み方」を市民が投稿。「壱岐」って名前がそもそもずるい。俺たちは「粋」って感じがしてずるい。
長崎県の事例③五島市の「青いハンカチ」プロジェクト
記事にある通りの内容なのですが、このプロジェクトには高校生たちが「僕たちにもできることは」と、SNSを通じて「青いもの」を次々をアップしてキャンペーンを告知しているあたりも五島らしさ。大人も、子供も一緒に島を作っていく文化は、五島市の財産です。
正しい情報が届かないことが、不安を生むきっかけになる
日南市の田鹿さんから「安心と安全の違い」について、話がありました。「安全」は、”命の安全”を守るために正しい情報を医師会らが発していること。暮らしの「安心」を届けることが、特に行政が大切にしなければならないことだ、と。今何が起きているのか速やかに、そして正確に情報を届けることがまずもって、市民の「安心」に繋がる一歩になるはず。ここに、僕たちHafHができることに引き続き取り組んでいきたいと思っています。
日南にもHafH提携拠点があるので、ぜひマンゴー食べに日南にも足を運んでみてください。
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