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世界最大級!800人が集まったデジタルノマドの祭典「Bansko Nomad Fest」のステージに立って感じた3つのこと

割引あり

今年4月、日本政府がいよいよ「デジタルノマドビザ」を解禁し、デジタルノマドへの注目が集まりつつある2024年。政府も「デジタルノマド」を新たなインバウンド拡大の3つの柱の1つとして取り扱い、旅行会社をはじめ、シンクタンクや、新聞記者などから問い合わせが増えてきています。一方で、まだまだ「デジタルノマドってどういう人たち?」と出会ったこともない類のインバウンド市場に、戸惑いがあるようにも感じています。

一方その頃、ブルガリアという小国の首都・ソフィアからさらに3時間バスに乗ってたどり着くバンスコーという街には、人口8500人の街に800人ものデジタルノマドたちが一堂に集まり、10日間〜3ヶ月ものあいだ、そこに暮らし、そこで働いている世界線があります。人口8,500人の村とは思えないような整備されたコワーキングスペースが数件あり、そのうち1件はさらにビジネスを拡張し、ちょうど2店舗目をオープンする準備に追われていました。

nestworkは、アプリで全て決済ができる24時間利用可能なコワーキングスペース

単純計算をして1人宿泊費を含めて12,000円くらい使ったとしたら、彼らの滞在中、この村に与える経済効果が小さくないことくらい誰にだって想像がつくのではないでしょうか。

初日の集合写真なんですがこれだけみても800人集まった感はないかもね?
Official Photo by : Bansko Nomad Fest 2024

バンスコーの村のイメージが皆目見当もつかない方に向けて、僕は、この街のことを「ヨーロッパに住まう人たちにとっての白馬村のような場所」といつも例えさせてもらっていますが…冬はスキーリゾート利用客で埋まる地域が、夏は閑散としていてホテルの価格もそんなに高くない。だとすれば、その時期に、国境を超えてワーケーションできる人たちが訪れてくれて、1ヶ月以上滞在してくれるってわけで… デジタルノマド*日本の地方の未来の可能性、僕は、ここに地域の未来に向けた光を見ているのです。これこそ観光、地域の光を観るって話だと。

メインの会場は村の文化会館のような場所200-300人収容
Official Photo by : Bansko Nomad Fest 2024

昨年、初めてBansko Nomad Fest 2023に参加し、圧倒され、今までになかった経験を得たわけではありますが、なかなか物理的に遠いのも事実で、今年も行くかどうか、最後まで迷ってしまっていました。それでも今年は、僕も日本最大級のデジタルノマドプログラム Colive Fukuoka (CLF)を成功に導くべく訪問することを決め、そしてそのステージに日本人最初のデジタルノマドとして福岡での企画を紹介し、そして日本のデジタルノマド事情について話す機会をいただきました。白に赤の日本国旗カラリングを背負いながら、下駄を履いて、浴衣姿で。拙い英語でも、こうして聞きたいと言ってくれる人がいること、心から嬉しく、この場を用意してくれた運営の皆さんには心から感謝の気持ちを何度伝えても伝えきれないと思っています。

参加した結果を一言で言えば「参加して本当に良かった」だし「来年はむしろ迷わず今すぐ来年のチケットを買おう」ということです。来年はさらにより本腰を入れて参加しようと心に決めて帰ってきました。その理由について、このnoteでは記載をしていこうと思います。

Bansko Nomad Fest 2024 ってどんなお祭り?

Official Photo by Bansko Nomad Fest 2024

Bansko Nomad Fest(以下BNF)とは、毎年6月の最終週に当たる日曜日から次の日曜日までの7泊8日で行われる、デジタルノマドのデジタルノマドによる、デジタルノマドのためのカンファレンスプログラムです。2020年のコロナ禍においてBanskoにあるコワーキングスペースのスタッフUweの発案で生まれ、口づてに広まり、100人、200人、500人、と毎年規模を拡大して今年は5年目、800人のチケット購入があったということだそうです。詳しくは、昨年のレポートにもまとめているのでそちらもぜひご覧いただければ嬉しいです。

JDNA(日本デジタルノマド協会)での発表資料より

期間中、7つのカテゴリに分類されるようなコンテンツが同時多発的に開催されています。午前中はスピーカーセッションが開催され、ノマドたちに関心があるトピックが30分ごとに次々に展開されます。午後になると公園に会場を移し、アンカンファレンスと呼ばれる「(特にゴールはなく)みんなで話そう」的な企画が展開されます。カンファレンス/アンカンファレンスともに人気のイベントコンテンツです。

参加するとどれも面白そうすぎて基本的に結構忙しいです

同時に、公園ではヨガをはじめとした体を動かすアクティビティプログラムが開催され、夜は食事会やパーティが開かれます。全てに参加するわけではなく、ノマドたちが好き好きに自分達のペースで参加を選びますが、チケットは1種類で、価格は320ユーロ。早めに予約するほどお安くなり、来年のチケットが今なら195ユーロで販売されています。

日本でカンファレンスと聞いて、プログラムの中に「Pool DJ Party」が含まれるなど想像もつかないですよね。
これが日本人に想像もつかないデジタルノマドの世界線。 Official Photo by Bansko Nomad Fest 2024

ちょうどBansko Nomad Fest公式チャネルからHightLightの動画がアップロードされたので、そちらを見ていただけると雰囲気が少し伝わるかもしれません。

(参考)バンスコー約10日間の暮らしぶりについて

ちなみに、バンスコーは「白馬村」のような場所と表現しましたが、正直白馬の方がよっぽど美味しいご飯屋さんがあり、美味しい中華料理やから蕎麦屋まで楽しめますが、バンスコーではあまりバリエーションがありません。1つ大きなスーパーがあるので、今年はそこで野菜やお肉を補強しながら福岡で拵えてきた保存食(梅干しや、のり、鰹節、レトルトのパスタやカレー等)を存分に活かします。

10日間で250ユーロのバンスコーのレンタルアパートメント

ホテルではなくこうしたアパートに泊まる環境があるというのは、デジタルノマドにとってはとてもありがたいものです。しかも値段もそんなに高くない。ヨーロッパ主要都市のホテルに泊まろうものなら250ユーロなんて1泊でぶっ飛ぶこともあります。メイン会場から徒歩15分かかる道のりは、決して便利ではなかったですが、おかげで少しダイエットに成功することができました。笑

部屋の窓からの眺めは気持ち良いものではあります。

プールやサウナもあったけど使える感じではなかったし、やっぱりホテルがいいよね!と思うことも。ホテルか、コリビングか、アパート暮らしか。いろんな選択肢の中で、自分に合った宿泊先を選ぶというのは運と直感です。この自分の運試しを楽しむのも、実はデジタルノマドにとって小さな楽しみのような気もします。

イオン的なスーパーマーケットもあるので食材には困りません😀

今回この部屋を選ぶことになったのは、自分で調べたわけではなくColive Fukuoka昨年の参加者同士がバンスコーでみんなで集まって同じところに泊まろうよ!と声をかけてくれたことがきっかけでした。写真には12人、さらに集まって全部で20名くらいの元参加者がバンスコーに再集結したのです。昨年のColive Fukuokaの参加者は総勢50名程度でしたから、約半分近くがバンスコーに集まって昨年10月以来8ヶ月ぶりの再会を果たしたことになります。一緒にご飯を食べて散り散りに帰るのではなく、同じ滞在先だからこそ一緒に徒歩15分を歩くことができる、その余白時間に人間関係が深まっていきます。

福岡に偶然1ヶ月一緒に暮らした仲間が、世界の裏側にて再開する感動はひとしお。今年は彼らが我々Colive Fukuokaのアンバサダーとして支えてくれています。

Bansko Nomad Fest 2024に参加して感じたこと①「AIとデジタルノマド」の関係性

Official Photo by Bansko Nomad Fest 2024

スピーカーカンファレンスでは、「なぜ自分はデジタルノマドになったのか」「どうやって生業をつくるか」「コミュニティをどうつくって行くか」など定番のテーマのようなものがあって、何度聞いてもそれぞれの体験があって、毎回興味深いです。またビジネス面では、2020年ごろからは「仮想通貨」について、これをどうデジタルノマドライフに活用するか議論される機会も増えてきていると感じていたんですが、今年は明らかにAI(人工知能)について語られるスピーカーセッションが圧倒的に増えていました。

特に面白かったのが昨年のColiveFukuokaの参加者でもあるDrDan pondersによる このセッションです。まさにAIによって作られた画像がトップ画像に置かれているのでイメージも湧きやすいかと思います。「The Burning Ladder:The end of all jobs(燃える梯子:全ての職業がなくなる日)」と題されたこのセッションは、非常に機知に富んだ内容で、考えさせられる内容がふんだんに含まれていました。一気に広がるAIが、デジタルノマドの生業を奪っていくのではないか?デジタルノマドはどうやってAIに「奪われる側」ではなく「利益を産む側」に回れるのか?という話です。Dan以外にも複数のスピーカーがAIについて触れていて、ここから5年、10年先の「働き方」を考えさせられる機会が多かったのが今年の特徴です。

Official Photo by Bansko Nomad Fest 2024

デジタルノマドという生き方自体がそもそも「新しい働き方」と考えられる中で、デジタルノマドのコミュニティに身を置くことで、これからの生き方、働き方の最前線に触れられることも僕がこの世界に身を置く大きな理由の一つです。エンジニアやプログラマらが非常に多い環境でもあるので、デジタルノマドにとって当たり前のアプリやサービスにも触れられます。「なんで日本にはこのサービスがないんだ」と思うこともたくさんあります。ワードで資料を作るデジタルノマドは今や1人もいないはずです。海外送金を地銀から数千円の手数料をかけて支払う人もほぼいないでしょう。世界トップレベルで、便利に生きるための知恵が、デジタルノマドのコミュニティには集積しているのです。

Bansko Nomad Fest 2024に参加して感じたこと②「アジアの台頭」

美しい公園の一角を貸し切ってエンタテインメント・パフォーマンスも繰り広げられます

ヨーロッパの人たちにとってはバンスコーは白馬村のような場所で、もしかしたらそんなに遠いという感覚がないのかもしれませんが、我々アジア人からするとなかなかの移動距離で…と散々お伝えしてきましたが、こうしたオフィシャルの写真を見てもらっても分かる通り、参加者の多くが欧米の方々です。そもそもデジタルノマドの7割以上が欧米出身の方と言われていて、アジア人デジタルノマドに会う機会はあまりありません。この風穴を開けてきたのが、Akina Shuです。彼女は、昨年、日本人女性として初めてBNFに登壇し、日本人20名以上を集めてBNFに日本人デジタルノマドの存在感を強く残してくれました。とはいえ、彼女もよく「どのノマドイベントやコミュニティに行っても、アジア人は自分だけということがあるし、さらに女性となればもっと難しい」ということをずっと言っていたのですが。

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