年間3万人の高齢者が自宅で転倒! 家に潜む危険!
自宅には転倒する危険がいっぱいあることはきっとご存知でしょう。ところが知っていても転倒するのは、なぜなのでしょう?
私の知人は自宅の庭で転倒して腕を骨折しました。ゴミを出しに行こうとして、水やりのホースに足を引っ掛けたそうです。暗かったために気づかなかったと言われていました。
家の中でも電源コードに足を引っ掛けて転倒したという話はよく聞きます。カーペットの縁に足引っ掛けたり、玄関の上がり口で躓いたり。それって、高齢者とか関係ないですよね。実は私もよく電源コードに足を引っ掛けます。転倒するか、おッと危ないで回避できるかの違いが、年齢差なのかもしれません。
寒くなる冬にはさらに危険なことが起こります。それが「ヒートショック」です。
この話も冬になるとテレビでやってますから、すでに知っている人も多いことと思います。しかし、高齢者は見てるようで見てないし、見ていても覚えてないことから、十分注意する必要がありますよね。
他にも家には危険がいっぱいあります。
【1】玄関
靴が散乱しているとつまずきやすい。上がりかまちが高いとつまづきやすい。玄関マット自体が滑って転ぶ要因になる。スリッパを履く際も転倒に注意。
【2】階段
滑り止めテープを貼って、転倒防止を。夜間には照明をつけて工夫を。階段に物を置かないこと。可能なら手すりをつける。
【3】リビング
床に本や雑誌、新聞が置いてあると踏んで滑って転倒する。カーペットの端でつまずく。コード類は足に絡まりやすい。床から立ち上がる際にふらつく可能性があるので、椅子に座るタイプの家具でリスクを減らすとよい。
【4】キッチン
床に油や水が飛び散るので、転倒しやすい。キッチンマットは転倒するリスクになるので、しっかりと固定。
【5】庭
庭に出る際に段差がかなりある場合は、下り口に踏み台を置く。また、敷石や砂利などは雨の日に滑りやすくなるので要注意。ホースも注意。
【6】洗面所
脱衣時や浴室から出た際、寒暖差でヒートショックを起こしやすい。予防のために暖房器具を置く。また、椅子など腰をかけられるものを置くとよい。
【7】浴室
石けんや床についたシャンプー液などで滑りやすいので、滑り止めマットを敷く。洗面所と段差がある場合、浴室にすのこなどを置いて段差をなくす。
【8】トイレ
ヒートショック予防に暖房器具を置く。転倒する危険があるので、マットやスリッパは使わない方がよい。
【9】廊下
新聞や雑誌の束などを置きっぱなしにすると足を引っかけやすい。夜間に暗いと危険なので、人感センサーの照明をつけたい。
【10】寝室
高さのあるベッドは転落の可能性があるので、低床のベッドにする。寝室にタンスなどがある場合、地震で倒れてくることも。また、床に物を置かないようにする。
【11】ドア
高齢になると握力が弱くなり、ドアノブが回しづらくなるので物を持っていると転倒につながる場合も。ドアノブはレバー式にするか、可能ならスライドドアにしたい。
私が出張整体でご自宅にお伺いすると、地震対策ができていない家がとても多いことに気付きます。大きな家具の転倒防止や、テレビの固定がまったくできていません。私は阪神淡路大震災を経験していますので、怖さを知っています。また偶然によって私は下敷きにならずに済んだので、なおさら固定の必要性を知っています。私の話の説得力がないのか分かりませんが、話したのに固定した人は一人もいないのはどういうことでしょう? 地震対策に関してはまた機会を改めたいと思います。まずは、日常の中の危険をご自身で探してみてくださいね。いっぱい潜んでいますから。