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人工甘味料のほろ苦い事実「腸内細菌のバランスを壊す」

nature medicineのBittersweet: artificial sweeteners and the gut microbiomeという論文記事を参考にしたnoteです。nature medicineの記事の元論文はCellに掲載されています。

そもそも砂糖とは?

congerdesignによるPixabayからの画像

普通の砂糖は「ショ糖(スクロース)」を主成分としてます。他にもショ糖が分解して作られる還元糖(ブドウ糖や果糖)が含まれるものがあります。

ショ糖・ブドウ糖・果糖で人間が感じる「甘さの度合い」が異なります。そして砂糖の種類(グラニュー糖・上白糖・赤糖・黒糖)によって、ショ糖などが含まれる率に違いがあるため、感じる甘みが異なります。

例えばコクがあって美味しい黒糖はショ糖が80%、還元糖(ブドウ糖、果糖)が9.7%、他にもミネラル分が含まれています。

人工甘味料とは?

同じ量でも砂糖の200倍も甘い人工甘味料

人工甘味料にはアセスルファムカリウム、アスパルテーム、スクラロース、サッカリンなどがあります。甘味度はショ糖と比較して200~600倍もあります。

これらの人工甘味料には化学的な合成プロセスを経て作られるものと、ステビアのように植物の葉から抽出・精製して作られるものがあります。

人工甘味料は分子構造が砂糖と似ているため、舌に味蕾にある甘味を感じる受容体にフィットします。しかし、体内で分解されカロリーになることなく排出されるか、分解されカロリーになるとしてもごく僅かな量のため、人工甘味料から直接的に太ることはありません(グルコース恒常性を乱すことで間接的に体重増加に影響を及ぼしている可能性はある)。

中には7,000~48,000倍も甘い甘味料まで存在する

そしてネオテーム(neotame)は7,000~13,000倍も甘いとされています。もはや驚異的なレベルです。ネオテームを開発したNutrasweetは、かつてはMonsantoの子会社でした。日本語のWikipediaには今はPfizerが持っているとありましたが、英語での情報が出てこないため真偽は定かではありません。

ちなみにアドバンテームはさらに甘く、約14,000~48,000倍甘いとされています。

耐糖能(=血中ブドウ糖濃度の調整機能)に障害を与える人工甘味料

健康な成人に許容量内で人工甘味料を日々摂取してもらう実験を行った

健康な成人120人に対して、1日の許容量を超えない範囲内で人工甘味料である、スクラロース、サッカリン、ステビア、アスパルテームを14日間摂取してもらいました。

サッカリンとスクラロースで耐糖能障害が発生

スクラロース | Wikipedia

個人差はあるものの、サッカリンスクラロースの摂取は耐糖能の悪化を引き起こしました。アスパルテームとステビアの影響はニュートラルです。

すべての人工甘味料が口腔内や腸内の細菌叢を変化させる

すべての人工甘味料が口腔内や腸内の細菌叢の構成を変化させてしまいました。プリンまたはピリミジン代謝、解糖系、アミノ酸代謝などの主要機能についても影響を及ぼすという結果になっています。

【龍成メモ】

この論文記事で指摘している通りですが、人工甘味料によっても個人によってもその影響は異なります(何でもそうなので当たり前ですね)。

人工甘味料は腸内細菌叢を変化させたり、人によっては耐糖能に短期もしくは長期で障害をもたらす可能性があるかもしれません。

「特に糖尿病や心血管疾患を持つ方に対する影響を評価するために同様の研究を行うことが重要」と記事でも指摘しています。

おなじみThe Conversionに人工甘味料の発がん性リスク(Sweeteners may be linked to increased cancer risk)に関する記事もあったので、こちらもチェックしたいですね。

Hans SchwarzkopfによるPixabayからの画像

#人工甘味料 #腸内細菌叢 #腸内細菌 #耐糖能障害

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龍成(りょうせい)
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