昼間のみの食事は、夜勤シフト者の気分をととのえる
Daytime Eating May Benefit Mental Health という論文ニュースから。元論文はPNASに掲載されています。
シフトワーカーはうつ病や不安症のリスクが高い
シフトワーカーはうつ病や不安症のリスクが25~40%高いと言われています。24時間周期の体内時計(サーカディアンリズム)と環境(日照時間など)や行動のサイクルがズレることが、気分や幸福感に悪影響を及ぼす一因であると考えられています。
ルーマニアの調査ではシフトワーカーの人は、26%が抑うつ症状、17%が不安症状を抱えているという結果が出ています。看護師の57.3%がうつ病のリスクを抱えているというタイの調査結果もあります。
※うつ症状・不安症状は自己申告のため、臨床診断とは異なります
参加者を「昼食&夜食」群と「昼食のみ」群の2つのグループに分ける
参加者を「昼食&夜食」群と「昼食のみ」群の2つのグループに分けます。両群とも参加者は全員4日間、1日ごとに4時間ずつ生活のリズムをずらしていきます。つまり、シフトワーカーのように生活のサイクルがずれていくこと(=疑似夜勤)を両群ともに経験します。
「昼食&夜食」群は4時間ずつずれていくサイクルに合わせて、食事の時間も1日毎に4時間ずつずらしていきます。「昼食のみ」群は、生活のリズムが4時間ずつずれていくこととは全く無関係に、生活がずれる前の時間軸に沿った食事を続けます。
「昼食&夜食」群のみ抑うつ様レベルと不安様レベルが増加
4時間ずつ生活リズムがずれる疑似夜勤中、「昼食&夜食」群はベースライン(1日目)と比較して、抑うつ様気分レベルと不安様気分レベルが増加しましたた。
一方、「昼食のみ」群は疑似夜勤中、気分の変化は見られませんでした。サーカディアンリズム(概日リズム)のずれの程度(グルコースレベルと体温のリズムから計算)が大きい参加者は、より大きな抑うつ様気分と不安様気分を経験しました。
これらの結果から、食事のタイミングが被験者の気分レベルに大きく影響することが分かりました。
【龍成メモ】
この論文ですが、4時間ずつ生活リズムがずれると最後は16時間ずれることになります。「昼食のみ」群は、かたくなに元の生活のリズムのままご飯を食べ続けてますが、いつ寝てるのか…(はたまた寝てる時に叩き起こされてご飯を食べているのか?)すみません、そこはちゃんと理解できませんでした。
#うつ症状 #シフトワーカー #夜勤 #サーカディアンリズム
Photo by Quân Lê Quốc