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耳コピを楽にするための基本術

今回は耳コピをするうえで、私が実際に行っているやり方をご紹介します。
耳コピは絶対音感が無い人でも訓練さえすれば、だれにでもできるようになります。やり方さえ押さえてしまえばできます。要所要所のポイントを挟みながらご紹介していきますので、さっそく見ていきましょう。

①まずは全体像を把握する。


まずは曲全体の構造を把握することから始めます。ここでは1曲をまず全部聞いてどのような構成をしているのかチェックします。

例としてKinKi Kids硝子の少年』を挙げましょう。

構造は以下の通りです。

『硝子の少年』構造

さて、構造は把握できたのでいよいよ実際に耳コピをする段階へ入っていきます

②キーを判別する


続いてはキー(調)を判別します。キーがわからない方はこちらの記事を一緒に見ていただければ。

キーさえ分かってしまえば、使われている音が自然に決まります。
この曲のキーは何なのでしょうか?

キーは簡単に言えば「ベースがドから始まる曲は最後もドで終わる」みたいな捉え方でいいと思います。

この曲の最初はベースが何の音で始まっているでしょうか?
答えは「」すなわち「E」の音ですね。
終わりもちなみに「E」の音で終わっています。

キーの判別は曲の頭と最後を聞けばわかります。
最初と最後の音が一致しない場合は転調している可能性が高いです。
個人的にアニソンは転調が多い感じがしますので、最初と最後の音が一致していないというのは多々あります。

ちなみに今回の曲は一切転調していません。

あとはメジャーかマイナーかを判別するだけです。どちらかというとこの曲は暗いですよね?

メジャーは明るい
マイナーは暗い

というイメージでいいと思います。

したがってこの曲のキーは「Eマイナー」となります。
キーがEマイナーということは、基本的にはEナチュラルマイナースケールの音が使われます。
コードも基本的にはEナチュラルマイナースケールの音を使って構成されているので以下の通りです。5番目のコードのみハーモニックマイナースケールまたはメロディックマイナースケールの7番目の音が使われます。

Eマイナーダイアトニックコード

キーを判別することは耳コピをやる上で必要不可欠なものです。キーを判別しないまま行ってしまうと、選択肢が多いまま耳コピを始めることになってしまいますので、時間がかかります。キーを判別することにより使われる音、コードが限定されてきますので、時間短縮になります。

まずはキーを判別できるようになることが、耳コピを極める第1ステージです。
様々な曲を聞いてキーを判別できるようになってください。
先程述べた通りアニソンは頻繁に転調するものが多いので、転調後のキーの判別もできればなお良いでしょう。転調した後は曲の雰囲気がガラリと変わることが多いです。「ここで転調した」ということがわかるようになれば、音に対する反応が上がってきている証拠です。

この練習を続けていけば次第に曲の雰囲気でキーを判別できるようになります。
私自身も様々な曲を耳コピしてきましたが、ある程度聞けばすぐキーを判別できるようになりました。

とにかく曲を聞いてキーを判別する練習をする。絶対音感がなくでもいずれ判別できるようになります。

③ノンダイアトニックコードに気をつける


曲というのはダイアトニックコードのみで構成されているわけではありません。Eマイナースケール以外の音が使われることがあります。むしろダイアトニックコードのみで作られている曲の方が少ないです。ダイアトニックコード以外のコードをノンダイアトニックコードといいます。

先程の『硝子の少年』だと
2番終わりの間奏でノンダイアトニックコードが出てきます。
3:04~3:20の間奏におけるコード進行は
|C    |C    |Am7    |Am7    |
|F♯/A♯  |Bsus4  |B     |Em    |
となります。(は小節線です。)

ノンダイアトニックコードはどれでしょうか?
答えはF♯/A♯です。
3:12~3:16が該当する部分ですが、この部分だけなんとなく違う感じがわかるでしょうか?
なんかひっかかる感じがする方は音に対する感受性が鋭いです。なんとなくでも構いません。なにか違う感じがするというのを感じてほしいのです。
これが感じられるようになると、ノンダイアトニックコードがどこに含まれているかが感覚でわかるようになります。
ノンダイアトニックコードが分かれば、あとはダイアトニックコードを当てはめていくだけです。

④コード譜を完成させよう。


②、③の作業が終わり次にやることは、コード譜を作成することです。
弾き語りの人はコード譜さえできてしまえばOKでしょう。それに則りギターやキーボードを弾けばいいのですから。
楽譜に書くのは面倒ですが、書くことによって楽譜を書く練習にもなります。そして譜面に強くなれます。頭で覚えられればそれに越したことはないですが、そんなのは天才にしかできないのでひたすら書きましょう。

ネットにもコードが載っているサイトがたくさんありますが、正直間違っているものが多いです。あくまで参考程度に観覧するのがいいでしょう。最終的に信じられるのは自身の耳です。

⑤メロディを耳コピしよう。


メロディに関しても基本的にはキーが判別できていれば、そのキーに従ってメジャースケールまたはマイナースケールの音を使って構成されています。『硝子の少年』はEナチュラルマイナースケールの音を使って構成されているので、それを念頭に曲を聞いて耳コピします。何もわかっていない状態でやるよりかははるかに効率的です。

終わりに


私流になりますが、耳コピをする際に押さえておきたいポイントをご紹介しました。
次回はこれらのポイントを基に実際に私が耳コピをどのようにやっているのかを披露してみたいと思います。

次回↓


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Ryo Sasaki
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