ラティオスについて
日曜日の朝。賞味期限が切れかかった粗挽き肉があったので、ボロネーゼでも作るかと思い立った。
僕のボロネーゼは、1時間くらい煮詰めて、なるべく水分を飛ばすので、作りながら映画でも見ようと思った。せっかくパスタを作るのだから、イタリアっぽい映画でも見ようと思い、プライムビデオを立ち上げた。そしてピッタリな映画を見つけた。
「劇場版ポケットモンスター 水の都の護神ラティアスとラティオス」である。
小学生の頃に映画館で見た記憶がある。内容は覚えていないが、ヴェネツィアっぽい街が舞台だった気がしたので、料理のお供として再生ボタンを押した。
結論から言おう。めちゃくちゃ良い映画だった。途中からは、料理そっちのけで見入ってしまった。
ポケモン映画には、ほぼ毎回伝説のポケモンが登場する。本作では、ラティオスとラティアスという、手羽元に羽が生えたようなフォルムの兄妹ポケモンが登場する。
水の都「アルトマーレ」に、水上レースに出場する為に訪れるサトシ一行。まず、水の都という割にその水が藻が茂ったような緑色をしている。これは後々きっと、ラティオス達のパワーで綺麗になるんだろうなという展開を予想した。
結局レースは、カスミがサニーゴのツノ差という若干セコいような感じで優勝した。そこから、 ザコシショウみたいな風貌のおじさんが街をガイドした後、ヒロインの子に化けたラティアスに翻弄されながら、サトシとピカチュウはラティオスとラティアス兄妹に邂逅する。
ラティオスの特殊能力で「夢写し」というものがある。これは、ラティオスの視界をラティアスを介して周りの人に共有させる能力である。ラティオスが夢写しを使い、アルトマーレの水路の水中を見せてくれるシーンがある。サトシ、ザコシ、ヒロインの子、ラティアスが並んでバーチャル的な感じで水中を移動する。その画は完全にネプリーグにしか見えなかった。
そこから、劇場版のロケット団的な悪党姉妹が、ラティオス・ラティアスに纏わる宝玉を手に入れようと、ラティオスを捕縛する。けっこうあっさりと捕縛されてしまうラティオス。その時の鳴き声が「ウォー!ヤッフォー!」という酔っ払ったパリピ顔負けのアゲアゲボイスだった。
捕縛されたラティオスは、その宝玉がある厳ついマシーンに囚われ、宝玉のパワーを解放する生贄的な感じにされてしまう。救出に向かったザコシとヒロインの子(ザコシは、そのマシーンとラティオス達の守人だった)も子猫みたいなポケモンの念力でダウンさせられてしまう。
サトシ達もラティアスのSOSに反応し、助けに向かうも虚しく、宝玉のパワーは解放されて、封印され、化石化していた古代ポケモンが復活してしまう。その古代ポケモンを悪党の妹がマシーンのコックピットに乗り込み、意のままに操る。
そのマシーンとコックピットは完全にタイムショックの解答席である。宝玉のパワーがリバウンドした時には、悪党妹を乗せたままトルネードスピンばりにグルングルン回転していた。
最終的に悪党が宝玉のパワーを使ったことで、街の伝承通りに、水の都が崩壊しそうになる。それをラティオスがパリピっぽい鳴き声を上げながら、自らを犠牲に食い止める。ラティ語は分からないが、たぶん「水の都が崩壊するなんて、マジサゲ⤵︎⤵︎なんでぇ、オレっち体張っちゃいまぁす!お後がヒュウィゴー」って言ってたと思う。
そして崩壊を免れた水の都。結局、都を覆う水路の水は緑のままだった。
サトシ一行が街を去るクライマックスシーン。 ヒロインの子がサトシの頬にキスをする。ボロネーゼそっちのけで、グッときてしまった。
しかし、これがヒロインの子なのか、はたまた再び化けたラティアスなのかは明らかにされない。調べると色々と論争があるようだが、僕はラティアスだろうなと思っている。
ラティアスは容姿は完璧に化けられるが、言葉を話すことができない。ラストシーンでも、ヒロインの子は一言も発しなかった。 加えて、ヒロインの子は言うほどサトシと絡んでいない。ラティアスの方がよっぽど濃い絡みをしている。ここでヒロインの子が最後の見せ場を持っていくのでは、あまりにもラティアスが浮かばれない。故にラティアス説を支持する。
僕も妹がいる2人兄妹である。途中からは、ラティオスに感情移入しながら見入ってしまった。 (あんなにパリピではないが)
そして、朝イチから余韻に浸りながら、少し焦げ味のするボロネーゼをすすった。