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第一回収録が終了!<対談:梅本 x 櫻井> スターバックスの成功のカラクリ
さて、現在、11月19日の夜です。本日さきほど第一回の対談収録を終了いたしました。1回目の対談の概要や、背景については、記事の最後にリンクを貼っておきます!
終わった後の清涼感そのままに、個人としての振り返りを。
① リーダーに本気のフォロワーが集まるとき
いきなり、スターバックスの伝説的カリスマ経営者、ハワード・シュルツ氏のお話からスタートしました。我々は彼が米国で大成功し、それを日本に持ってきたかように錯覚してしまいますが、スターバックスをサザビーという会社を通して日本に持ってきた梅本さんのお話を聞くと、とっても新鮮でいろいろ目から鱗なことがたくさん出てまいりました。
櫻井のこのテーマでの学びとして、われわれは「成功企業は絶対的な創業者でなければ出来ない」というバイアスを持ちやすい、ということを改めて再確認するとともに調べればあとから入ってきた人間が中興や第2、第3のムーブメントを作って大成していくストーリーは世界中にたくさんあるよなぁ、と思ったことがあります。
つまり、あなたも、わたしも、組織にいる中堅も、今からスターバックスの物語をスタートできる。そう改めて感じた冒頭でした。
H2O(二人のハワード、シュルツとビーハー、そしてオーリン・スミスの3人が生み出す三角形)のお話、そこから広がった三角形の経営は、実はまさに私が初めて北欧企業のフランチャイズ(日本支社の支社長)ではなく自分で起業をしようと思った時に結果的に実践した形であり、この三角形が崩れることで私自身は経営のバランスを欠いていくことになるのですが、米国スターバックス、日本スターバックス(サザビー社の体制)、そしてAGC社の事例も語っていただきながら、世界でも、日本でも三角形の経営が出来る、ということを確信できたお話でした。
(視聴された方の声)
私は親方タイプです。なんとなくですが世代によって多いタイプが違う気がします
たしかに、自分がどのタイプにいるのか、というのはとても大事ですし、リーダーとフォローワーという関係性、頭でわかっていても、心で理解しているかどうか、というのはきっととても大事なんだろうなぁ、と感じたお話でした。
(視聴された方の質問)
ハワード・ビーハーやオーリン・スミスの立場にあたる人が複数人いても成り立つと思われますか?(三角形のひとつの頂点に複数の人がいるようなイメージです)
これには、梅本さん自身の体験として、エネルギーと概念の形は三角形なんだけど、実際には4人の四角形というフォーメーションを組んだことがある、というお話をされていて、なるほどなぁ、と。
私個人、起業した当時、多くの先輩起業家、経営者の大先輩に本当にたくさん言われたアドバイスとして「経営は、ワンマンで。共同代表はいても基本はトップワンで。」というものがあったのですが、社会実験的にも今後のスタイルを形作るためにも3人の代表がフラットに経営することができるのかを試す経営をした5年ほどの経験があります。
私がトライアングル経営を試行した時から10年弱、現在、20代前半の若き起業家を何人かメンタリングしているのですが、彼らは共同経営のスタイルが自然で、実は一般的なスタイルで、非常に経営者同志の仲が良い。馴れ合いというよりフラットな感じです。日本でも三角形の経営、このスタイルは今後一般化するのかもなぁ、と思ってお話を聞いておりました。
② なにごとも "源" からはじまる
みなもと、SOURCE、というもの。これがビジョナリーになるための大事なポイントである、と。ハワードシュルツにあって、ウォルト・ディズニーにも、スティーブ・ジョブスにもあるもの。
いわゆる原体験、というやつで、よく若い起業家予備軍や、何か事業を進めたい人に相談される「私には原体験がないのですが、、、、」という類の内容にみごとに答える示唆を梅本さんからいただきました。そう、原体験はその人以外の人間にはなにげない日常でいいのだと。
対談がごちゃっとしてしまうので、余計な一言をグッと抑えたのですが、スティーブ・ジョブスの名言の中でも "STAY HUNGRY, STAY FOOLISH" と並んでスピーチの中で使った素敵な言葉だと思う、"FOLLOW YOUR HEART" があります。
今日の対談では、この心に従う、ということが「源」という説明でとてもすっきりと理解できた気がしました。
③ リーダーは "源" とつながりビジョナリーになる
我々は、よく、VISIONって言葉を使います。会社も人も非常に簡単にたくさんVISIONを語り、この言葉を使うのですが、今日の対談で梅本さんが語ってくださった言葉がとても印象的で、
「源にリンクしていないVISIONなど、そもそもVISIONではない。それは花を模した造花のごとく、どこまでいってもFAKEなのだ」ということ。
同時に、われわれは誰もが、源にリンクするために自分に「問う」ことができる。この問いを探し、自問し、答えを探すことで、潜在的には誰もが小さなビジョナリーになれる(そこから始められる)。ということなのだと感じられました。
私自身は、新規事業を生み出そうとする人たち、そういうチームを率いようとしているリーダー、または、それを組織的に推進したいと思う引率系の組織メンバーもメンタリングや事業サポートをしています。彼らの見ている目線、考えていることも痛いほど良くわかる。だから、経営者が立派、経営者が原点に帰る、VISIONが源とリンクした経営を行う、という言葉が組織の中間にいる人間からするとどれだけ無理ゲー感を生むのかも理解できます(厳密には組織に属していないので本当の意味で共感できているか謎ですが)。「経営(者)が目を覚まして、学んで、変わってくれれば俺の、私の苦労なんて、無いんだよ、、、」という嘆きにも似た想い。
しかし、そこにも梅本さんは、自分という等身大の心に置き換えて、自分の言葉にしてみる ということはできるはずだ、と。つまり、仮にトップが残念な状態だったとしても、まだ組織の中でやれることはある、という希望にも近いアドバイスをもらったと思っています。これは、休憩後のみなさんからもらった質問につながっていきます。
視聴してくれた方の皆様の質問
休憩をはさんで、限定公開して視聴してくださった皆様の質問にお答えしていく時間をとりました。
自分に問うのは難しいので、良い問いかけをしてくれるメンターの存在がとても大事だと思いました。良い問いかけって脳が動きますよね。
今掲げているビジョンが本物でないと分かってしまったら、どうしたら良いのでしょう…? まずはリーダー1人で源を問い直すのが良いのか、組織のみんなで源を探すというのもできるのでしょうか。
ビジョンが本物だったとして、現場には正しく理解されず、ビジネスが本質とずれていくという事がありました。どうしたらソースをブレ少なく共有できるのか悩み所です。
私の勤務先はビションが明確で、社内でも磨くという言葉が頻繁に出てきます。そして「らしい」「らしくない」という言葉も日常的に使われています。中途6年目でようやく「らしい」の感覚が身について来ましたが入社当初はこの「らしさ」がわからなくてかなり戸惑っていました。ロジックだけではパッションは伝わらないと思いますが、会社として(6年という)経験値に頼らずビションを伝えるコツというのは何かありますか?
いやー、いずれもいい質問!これらの質問をそのまま梅本さんにぶつけ、答えはないものの、一緒に模索していきます。
すでに、この時点で100分を超えた対談時間となっています。梅本さんとは座って対談しているのですが、言ってみれば知の格闘技をしているようで、とても楽しく、充実した時間で、知的興奮はものすごいし、アドレナリン全開なのですが、同時に、疲労がすごい。エクササイズにも似た爽快感を伴う疲労。最後の気力を振り絞って最後のテーマに流れていきます。
⑤ 対等なパートナーシップとハイブリッド経営
本日の対談の最後を締め括るとてもよいテーマでした。シュルツの前に出現した、ビーハーという関係と同様に、スターバックスという企業の前に手を差し出したサザビーという企業。相似形とも言えるパートナーシップ。対等という激しさ。ハイブリッドを行うのに日本人という気質はピカイチなのではないか、というエール。
詳細は、のちほど公開する予定の対談動画を見ていただくとして、4回の対談の初回として濃密な対談を行わせていただきました。
対談後の視聴の感想
対談をご視聴いただいた皆様にもありがたい声をいただいております。
貴重な時間を過ごすことができました。
三角形の重心に重い想いの源を置けば安定させることができる。
2人だと棒、どちらかが持つしかないので、シーソーのように安定しない。
また、自分だけでなく、一緒にやる人を探す、というのもズシンと響きました。
三本の矢、3人寄れば文殊の知恵、漫才コンビは長続きするか別れるか、トリオ漫才は長続きする、などなど、たしかに。
考えるきっかけを今日だけでも沢山頂きました。
めちゃくちゃ面白かったです。ありがとう!!
転職のときになんとなく感覚的に『らしいな』って思えたのが(今日の対談で)腹落ちした感じ。
そして、「らしいか?」っていう問いかけ、私すごく好きだなぁって改めて思った。
ほとんどのことって正解がなくて、らしいかどうか?ってことなのかなぁって。その会社らしいか?自分らしいか?次回も楽しみです
内容とても重く深く興味深いものでした。ビジネススクールの講義とは違う実務の課題に沿った議論は共感や学びの塊でした。
最近の自分は自分にフタをしながら仕事に追われていたので、やりたいことや直感へのアンテナをはる余裕がなくて、将来に迷走している最中で、そんな中での今日の配信だったので聴けてすごく良かったです。
お疲れ様でした!とてもためになり、面白かったです!
やりたいことはあるけど、果たして自分に向いているのか、また協力者を得たい時にどんな人を選べば良いのか、やりたいことで稼ぐためにはどのような思考が必要なのか等、配信終わってから色々出てきました(笑)次回も楽しみにしています!
素晴らしいリーダー。誠実な感じに久々に出会えて楽しかったです。素晴らしいリーダーに会うと、人としてのレベルが違う感じがします。誠実さ、徳の高さを感じます。ビジョンがしっかりした組織で働きたいなと思いました。
非常に貴重な時間でした。
今まさに、ソースに基づいたビジョンを掲げ前に進もうとしている小さな会社にいます。
私の役割は今後人が増えていく時に、同じビジョンにコミットできる仲間を探すこととそのビジョンをぶれなく共有していく仕組みを作ることです。
今回の対談の中で何度も心打たれるワードが出てきましたが、H2Oの三角形を小さい組織の中でも作っていくということは実践的にできることだなと思っています。
本日の対談もわくわくしながらお待ちしてます!
あっという間の2時間でした。
全員の方の満足を引き出せたのかは分かりませんが、概ね、何かしらの気づきを得ていただけたのかもしれない、と。
私のエネルギーも流石にそろそろ限界です(笑)
そしてすぐに対談の2回目がやってまいります!
すぐにやってくるぜ!対談の2回目
以下の内容で再び対談です!
内容:① ビジョンの解像度を上げる
② ロジック vs パッション、科学 vs 物語
③ マインドセット:危機意識だけでは人は動かない
④ 組織が学習し進化するために:多様性、独立性、集約性
⑤ レジリエンス:賞味期限が長いブランドとは
内容が気になる方は、そっと櫻井にご連絡くださいませ。
対談について前半その1の概要はこちら。
そして対談の背景はこちら。
対談第二回の後記はこちら。