「という」と「こと」を減らすだけで、文章はぐっと読みやすくなる
と思っている話です。もはやタイトルでぜんぶ言ってしまった。
せっかくなのでもう少し続けます。
2020/05/03追記:第二弾?書きました
なぜこの記事を書こうと思ったか。
先日、執筆した「はじめてのUIデザイン」の一般販売がスタートしまして。
この本がまだ初稿になる前、共著者のみなさんと執筆真っ最中の頃に何度か打ち合わせがあったのですが、そこで「書籍的な文章を書き慣れてない人って、"という"と"こと/もの"を多用しがちなので、この2つを抑えるだけでも文章がシュッとするんですよ」とお話したら思ったより反応があったので、これは需要があるんじゃないかと感じたのがきっかけです。
ここから先は具体例を交えて解説していきます。
さすがに他人様のテキストを使うのは気が引けるので自分が書いた記事を例に挙げます。……でも自分はこのテクニックを使うようにしているので、該当する記事がなかなかないんですよねぇ……と思ったらあった!
(よりによってこれか……せっかくなので皆さんスタァライトを観ましょう!)
記事中ではそれぞれ
「という」が8回
「こと」が12回
「もの」が3回
出てきています。今回は取り上げませんが、同じように使われがちな「思います / 思っています」も10回以上出てきていますね。
どういった時に「という」「こと」が出るのか
そもそもなぜこれらの表現が頻出してしまうのか。専門的な知識がないので自分の経験ベースになってしまいますが、「思った言葉をそのままテキスト化した時に出現する」のではないかと考えています。よく言えば考えがスムーズに言語化されているけれど、別の見方をすると文章として推敲されていない状態と言えます。はい、まさにこのスタァライトの記事ですね(ほぼ脳内テキストダダ漏れで書いたやつ)。
「という」の場合、前のテキストを後ろに続かせるために使われています。キーボードで文字を打ってテキストを作って、次に続く言葉に繋がせるために使われるようなイメージでしょうか(専門的な視点での解説をご存知の方がいたら教えてほしい……)。参考記事では
いま自分がいちばん気になっているのは「この作品に勝者はいるのか?」という視点です。
ですが99期生の出番がアニメと舞台が終わったら終了、というのも寂しいものです。
同一キャラクターで物語を継続すると「前作でハードルを乗り越えたのに続編で再度落としてもう一度上げる」という面倒なシチュエーションになるので無難に後者な感じはしますが。
のように使っています。
ことについては以下の解説がわかりやすかったです。
形式名詞とは、それ自身では実質的意味がない名詞です。節をまとめて名詞化する仕掛けなどに使われます。
そう!節をまとめて名詞化!そう言えばいいのか!文法の知識や用語がさっぱりなのでどう説明しようか……と悩んでいたのですが、なるほどなるほど。
参考記事だと
通常、2.5次元ではアニメのキャストが舞台版にも出演されるのは稀なことだと思います。
現実世界での認知を先に得たことにより、このような2次元と3次元をキャラクターが行き来する構造が作れたのではないか
勝者と敗者がいることはシンプルな構図ですが、この作品がそれを積極的に目指しているようには自分には見えません
こういった感じで使われています。
「という」「こと」をどうすればいいのか
解決編です。これまた自己流ですが、ざっくりと
「という」は消してみる
「こと」は消すか、具体的な言葉に置き換える
だとうまくいく感触があります。例えば「という」は
いま自分がいちばん気になっているのは「この作品に勝者はいるのか?」という視点です。
↓
いま自分がいちばん気になっているのは「この作品に勝者はいるのか?」です。
ですが99期生の出番がアニメと舞台が終わったら終了、というのも寂しいものです。
↓
ですが99期生の出番がアニメと舞台が終わったら終了、では寂しすぎます。
同一キャラクターで物語を継続すると「前作でハードルを乗り越えたのに続編で再度落としてもう一度上げる」という面倒なシチュエーションになるので無難に後者な感じはしますが。
↓
同一キャラクターで物語を継続すると「前作でハードルを乗り越えたのに続編で再度落としてもう一度上げる」構成になりがちなので、無難に後者な感じはしますが。
のように修正できます。
「こと」であれば
通常、2.5次元ではアニメのキャストが舞台版にも出演されるのは稀なことだと思います。
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通常、2.5次元でアニメのキャストが舞台版にも出演するのは稀です。
現実世界での認知を先に得たことにより、このような2次元と3次元をキャラクターが行き来する構造が作れたのではないか
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現実世界での認知を先に得た結果、このような2次元と3次元をキャラクターが行き来する構造が作れたのではないか
勝者と敗者がいることはシンプルな構図ですが、この作品がそれを積極的に目指しているようには自分には見えません
↓
勝者と敗者がいる構図はシンプルですが、この作品がそれを積極的に目指しているようには自分には見えません
のように修正できます。
「という」「こと」の多用を避けることで、文章から冗長さが消え、ストレートな言い回しへと変化します。この変更が読みやすさにつながるかどうかはぶっちゃけ個人差あると思いますし、全部なくしたほうがいいとも思いませんが、これまでたくさんブログ記事や本を書いてきた自分なりに発見した「割といろんな人に適用できるお手軽上達法」として紹介させて頂きました。
自分特有の言い回しを把握しよう
「という」「こと」以外にも、自分の言葉癖を把握しておくと文章の校正がラクになります。僕の場合は
例えば、
〜ですが
一方、
このあたりを多用しがち(上のnoteにも出てきます)。
自分の書いた記事を⌘+F(WindowsはCtrl+F)すればすぐに癖がわかるので、興味のある方はぜひやってみてください。自分の書いた言葉なのに意外と理解していないのが可視化されて、なかなか面白いですよ。
そして最後にもう1度言いますが『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』まだ観てない人はいますぐ観ましょう!Now!