「など」「のような(に)」を減らすだけで、文章はぐっと読みやすくなる
と思っている話です。もはやタイトルでぜんぶ言ってしまった。
せっかくなのでもう少し続けます。
みなさんこんにちは、THE GUILDの @ryo_pan です。昨年、こんなnoteを書きました。
今回は「という」「こと」に続き「たぶんアレを減らしたら読みやすくなるんじゃないか?」と気付いたのでご紹介します。
『はじめてのUIデザイン』、改訂版が出ました
上記noteを書くきっかけになった書籍『はじめてのUIデザイン』は発売当初よりKindleでの販売リクエストが多く、その声を受けて2020年5月に著者陣の自費出版というかたちで改訂版を発売するはこびとなりました(まわりの人におすすめしたり、買って頂けたら跳んで喜びます)。
改訂版では私が編集を担当したのですが、原稿を通しで読んだときに「あれ?」と気付いたのが、今回のnoteの主題となる「など」「のような(のように)」の多用でした。
どういったときに「など」「のような(に)」が出るのか
まずはどのようなシーンでこの2語が使われているのかを『はじめてのUIデザイン』からいくつか抜き出してみます。
スマートフォンアプリケーションなどのデジタルプロダクトをデザインするために必要な基礎知識や考え方がまとまっている本が必要だと感じました
紙がめくれるような動きのページ送りなど、リアリスティックな UI 表現はやがて「スキューモーフィック(現実の材質に似せた)デザイン」と呼ばれるようになりました。
ですが 2014 年に登場した Material Design など、他プラットフォームに与えた影響は大きいと言えるでしょう。
前述したサーチバーで使われているような 1 行のパターンと、記事や文章を書くような複数行のパターンとが存在します。
PC のような大きな画面を利用できる場合は、複数のビューを組み合わせて配置できますが
フリックとスワイプはどちらも似たような操作で、画面にタッチしてから指を上下左右に振るような操作をいいます。
「など」は複数例からいくつかを抜粋したときに、「のような(に)」は例えとして書かれているのがわかります。
両者には共通して「その言葉の裏側にパターンが潜んで」います。
では、何故そういった使われ方になっているかというと、これは私の推測ですが
文章は書いている人の想像によって作られているから
なのかなと思いました。つまり、できるだけ正確に情報を伝えたいと考えながら書くことによって
「全部を書くと冗長になるし、でも言及した例だけだと捉えられないように「など」で補おう」
「必ずしもそうだとは言い切れない(=他のパターンも知っている)から「のような」を付けよう」
といった思考になるのでは……と。つまりは書き手なりの優しさによって出てくる言葉づかいだと思うんですよね。ただ「という」「こと」も同様ですが、つい出てしまった言葉をそのままにしてしまうと「この言葉、たくさん出てくるな……」と読み手の違和感にもつながってしまいます。何より、書き手が「など」「のような」の裏側に想像している事柄を読み手が解読するのは困難です。
どうすれば改善できるのか
あくまで目的は「減らす」であって「なくす」ではありません。個人的な感覚ですが、原稿内の30〜40%程度減らせると文章がすっきりすると思います。『はじめてのUIデザイン 改訂版』では
・連続で使用されている箇所は削る
・言い切っても問題ない箇所は削る
という方針(というほど厳しいものでもないですが)で手を入れさせて頂きました。もちろん、削ることで発生するデメリットもあります。「など」「のよう」によってパターンの存在をほのめかすことは、読者に「ほかに何があるのだろう」と興味を持ってもらえるきっかけにもなります。
大事なのは「どのような言葉が無意識的に出やすいのか」を把握し、読みやすく、うまく機能する文章に編集することだと思います。
ぜひ皆さんも、自分の書いた文章に「など」「のような(に)」がどれくらい使われているか調べてみてください。無意識に使ってる言葉が実際の数として見えてくるのは、けっこう面白いものですよ。
そんなわけで、少しは読みやすくなったかもしれない『はじめてのUIデザイン 改訂版』、絶賛発売中でございます。PEAKS版をお持ちの方もそうでない方も、ぜひぜひ読んで頂けたら嬉しいです。