チームで「デザインとは?」を考えるためにCAMPに行ってきました
以前下記の記事で告知していたajikeデザイナーチームCAMPの詳細の内容を公開します。当日の様子だけでなく、CAMP実施の背景など全てまとめました。
今回のCAMPは、UXデザインカンパニーであるajikeが「社会」や「ユーザー」の課題に対して、多角的な視点から解決策を発見し、幅広い領域に対応したUXDを実現するための一貫として実施しました。
CAMP実施の背景
今回訪れたキャンプ場。(詳細は後ほど...!)
デザイナーチームがCAMPに行くことが決まったのは2019年に入って間もない頃です。
年初という事もあり、1年間のチームの目的を検討する中、より効率的で質の高いアプローチができる方法はないか?と考えたことが始まりでした。
デザイン思考を持って、デザイナー同士が相互的な関係でスキルを磨き、ajikeの価値を向上させる
これが今回策定したデザイナーチームの2019年の目的です。
この目的を達成するには、ますはデザイナーチームが先導して「デザイン力」の向上や「デザイン思考」を社内に広めることが重要と考えました。
CAMPはそれを実行するための最初のアクションとなったのです。
CAMPについて
では、なぜあえてCAMPという選択肢を取ったのか?
それは、社内の形式的な会議スペースよりも、柔軟で自由な自然に囲まれた環境に身を置いた方が、心理的にリラックスして話す事が出来るためです。
外に出ると予想外な発見があるかも...?
実際にCAMPのような野外活動には、コミュニケーションを促進する効果があると言われていますし、今回はいきなり課題に取り組むのではなく、まずは自分たちの環境からデザインすることがUX/UIデザイナーとして重要と考えたため、少し離れにあるキャンプ場に行って会議を実施してみました。
CAMPに行くにあたっての準備
前述したようなCAMPを選択した理由はありつつも、ゴールイメージなく実施しても、ただただ時間がすぎるだけです。
準備段階では、「どんな状態をゴールとしてCAMPに行くのか」と、CAMPのテーマとゴール設定を行いました。
決まったゴールとテーマは以下です。
テーマ
「デザイン」について視座を合わせ、デザイナーチームのチーム力を
強化する
ゴール
・デザイン力やデザイン思考について話し、視座を合わせる
・2019年の具体的なアクションプランとロードマップが決まる
最終的な成果物としては「ゴール」にある通り、アクションプランを反映した2019年のロードマップです。
それらを皆で考えるためには、まずは各々がデザインに対してどういう考えを持って普段デザインに取り組んでいるのか視座をあわせる必要がありました。
またそれに併せて、効率的でより活発な議論となるよう、CAMP当日までに、各自以下を考えてくるよう宿題を出しました。
・あなたにとってデザイン力とは?
・あなたにとってデザイン思考とは?
CAMP当日の様子
🚗キャンプ場到着まで
この日はオフィスを車で出発してキャンプ場へ向かいました。
行く先が千葉県だったので道中通った佐原を散策したりと、午前中はアイスブレイクという意味でもゆったりとコミュニケーションを取りつつ移動しました。
佐原周辺の様子。江戸の情緒あふれる素敵な町並みです。
お昼は「ワーズワース」という喫茶で食事をしました。
キャンプ場は「THE FARM」です。
千葉県香取市という地域の自然に囲まれた場所にあります。
今回泊まったのはコテージで、いわゆるグランピングというやつでしょうか。2月半ばの寒い時期だったのでテント泊ではありませんでした笑
中はこんな感じでとても綺麗。
このキャンプ場は、温泉やカフェがあったりと、非常に施設が充実していました。スタッフの方も非常に親切で、また機会があればプライベートでも是非訪れてみたいです。
💬ラウンド1: 宿題にしていたデザインテーマ2点に関してトーク開始
落ち着いたタイミングで、さっそく宿題として設けていた2つのテーマに関してトークしました。
今回は少しやり方を工夫しました。
取り入れた手法は、『シャッフル1on1』です。
その名の通り、2人グループで別れて1on1の体制でトークし、制限時間(今回は20分)が来たらシャッフルを行うというものです。
デザイナーチームは4人で構成されるチームなので、3度に渡ってトークを行うこととなりました。また基本的なことかもしれませんが、制限時間を設ける事も大切です。定められた時間が無いと延々と話してしまいます。
雰囲気は和やかでも、内容は深い話ばかり...!
シャッフル1on1のメリット
・1対1なのでじっくり話せるし、話しやすい
・お互いの意見を聞いて、良いと感じた意見はすぐに取り入れつつ、別のメンバーに対して言語化して説明ができる
・一方通行な偏った意見にならない
・反復して話せるので、考えが浸透しやすい
こうすることで、実際に各々の普段の制作風景や考え方などが垣間見えましたし、複数回にわたって意見を話し・聴くことで、抽象的だったイメージが徐々に具体化していきました。
集まった意見としては、
「モノゴトの本質を見極める事が大切」
「興味関心に限らず、色々な知識を兼ね備えている事ってコミュニケーションをする上で重要」
「失敗を恐れずに、繰り返しのチャレンジをすることがデザイン思考ではないか」
などなど。
このように、制作や技術などの領域を超えた様々な視点による意見が集まりとても活発なディスカッションができました。終始熱量を持った1on1となり、気持ちが高まりましたし、同じajikeという組織のデザイナーとして共に仕事をしているためか、特別ギャップのある意見が出ることもなく同じ方向性を向いていることが認識できました。
またこれらは最終的に文書化するためにiPhoneのボイスメモや、MacbookのQuickTime Playerを利用して録音して記録に残しました。
🤔ラウンド2:意見の整理とアクションプランのブレスト
ラウンド1でたくさんの良いアイディアや意見が出ましたが、情報としてはまだ散らばった状態です。チームとして意見をまとめるために全員集合して、もう一度2つのテーマに対して意見交換をしました。
前述したように、各自の意見としては大きな差があったわけではないので、整理にはさほど時間がかからなかったように思います。
日が沈み、夜になっても熱いディスカッションは続きました。
意見がまとまった頃合いをみてアクションプランのブレストを行いました。
ここでは、出揃った意見の元、「では実際に2019年は何をやっていきたいか?」というやりたいベース(これ大切)でアクションのアイデア出しを行いました。
やりたいベースなのでそれぞれのモチベーションが高く、かつ1on1をやった直後で熱量を持っていたためか皆活発に発言する事ができ、ここでも良い意見が沢山出ました。
例えば
・デザイン思考を学ぶなら、まずはどんな事例があるのか知りたい
・デッサンはデザイン力強化という意味では良い訓練になるからやってみたい
・デザイン思考が浸透し経験も積んだら、いずれはアクションの幅を広げて、子供向けにデザイン教育をしたい
など様々です。
また、それぞれのアイデアは最終的にロードマップに落とし込む必要があるんため、付箋に記録を残しつつ話し合いました。
色々とアクションアイデアが集まりましたが、粒度はバラバラです。
そこで、今回は上図のようなマトリクスを扱ってマッピングをして優先度をつけていきました。
インパクト
それを行うことによって社内、社外にどれだけ影響力があるか
実現性
スキルは足りているか、1年というスパンで行うのに適しているかなど、
実施するにあたって障壁がどれだけ存在するか
ホワイトボードを有効活用!
アクションの優先度も決まりました。
さぁ、いよいよロードマップの作成だ!
と、思いましたが残念。
夕食の時間です。
この続きはまた2日目午前に持ち越しとなりました。
🍽夕食
ここでも「チーム力向上」というテーマは忘れません。
料理中にはしっかり役割分担をして共同作業を行うことを大事にしました。
女性が料理をし...
男はひたすら「切る・洗う」のサポートの役回りに!!
そうして出来上がったのが...
どーーん!!
素敵なローストビーフが!この他にも写真には写っていないですが、ミネストローネとサラダも作りました!
食事の時間は、ビールとワインを飲みつつ楽しく過ごしました。
🍺晩酌
夕食後は温泉に浸かって一息ついたら、お楽しみの晩酌タイム。
ただここでもちょっとした一工夫が...。
それは「くじ引き」です。
予め用意しておいたテーマの書かれたくじを活用し、それに対する個人個人の意見を発散しました。
テーマのジャンルとしては [デザイン・キャリア・ajike]の3つです。
↓こんな感じです。
テーマを決めて話したと聞くと、何だか固いイメージを持ってしまうかもしれませんが全然そんなことはなく、和気あいあいとした飲み会という感じで楽しかったです。
なんと、ワインはフロントで購入できました...!
🌅朝食
朝食はカフェ「THE FARM CAFE」でいただきました。
ずん!
出てきたのはボリューム満点のドリアです。
とっても美味しかったのですが、あまりの量に女性陣は食事の手が止まっていました。笑
ただそんな中、山根だけ「余裕余裕」と息巻いてバクバクと掻き込んでいたのが非常に印象的でした。
✏️ラウンド3:ロードマップ作成
朝食を取った後は、ロードマップ作成に着手しました。
ゴールまであと少し...!
まずは前述したマッピングを元にそれぞれのアクションに対して「短期、中期、長期」という期間によるレベルを当てはめて情報整理を行いました。
短期
・他社のワークショップへの参加
・デザイン思考の事例を知る
中期
・社会的でバリューを生み出せるような課題を発見する
・新規事業のアイデア出し
長期
デザイン教育(子供向け)
ただ、実際にロードマップとしてこれらを運用していくには、更に詳細化が必要です。
例えば、短期アクションに挙げられた「デザイン思考の事例を知る」では、「知る」という行動が含まれています。
「知る」、つまりは「知識を得る」ためには必ず段階が発生します。
ただ情報を調査して終わってしまっては意味がなく、インプットをしたあとは、メモとして記録に残したり、他者に対してそれについて議論するなどのアウトプットを経て、ようやく知識は定着します。
そのように、情報分解によって要素の段階を洗い出した上で、ロードマップへ落とし込みました。
勿論1年間という期間での実現可否も含めて考えました。
完成〜〜!
CAMPに行った感想
一言で言うと、行ってよかったです!
今まではこういったアクションプランに関連した議論をしても、サービスやプロジェクトに寄った案件ベースでのアイデアしか出なかったですが、「デザイン教育をやってみたい」のような広く自由なアイデアが沢山集まりました。
また、社内でのミーティングに比べて発言量が明らかに活発でしたし、何より楽しく議論出来たのはとても良かったです。
お互いを深く知り合ういい機会ともなりましたし、テーマとして掲げていた「デザイン」について視座を合わせ、デザイナーチームのチーム力を
強化する」は十分に達成できたと思います。
CAMPは是非オススメしたい取り組みです!
最後に一枚パシャリ
ちょこっとお知らせ
ajikeでは「CO-YASHI」というデザインCAMPのプロジェクトがスタートしました。
「CO-YASHI」とは
CO-YASHIは、デザイン思考と言われるものを色々な人が「行動に起こしてやってみる」ためのプロジェクトです。
何か味気ある取り組みをしたいという社員のアイデアから、今年から実験的にスタートしています。
コンセプトは『正解のない時間の創出』。
柔軟で自由な取り組みをする『場』として様々な立場の方につかっていただきたいと考えています。
詳細資料はこちら
特にまだ有料のサービスということではありませんので、
ご興味のある方がいればお気軽にご一報ください!
画材をかいます🖍