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おれのツールドフランス🇫🇷day2 ラルプデュエズへ


22時の日の入りと共に寝て、6時の日の出と共に自然と起きた。フランスでの2日目の朝だ。1日目は飛行機内だったことを考えるとこれが最初の朝とも言えるかもしれない。

昨晩買った食材はとりあえずのパスタのみ。朝食にパスタはあまりピンとこなかったので、早朝からやっているパン屋を探して朝散歩。


街の中心に近いところのパン屋さんへ。見た目が小綺麗なので高いだろうなと思っていたけど、意外や意外、馴染みのある価格帯だった。レザンとクロワッサンを購入。

1.5〜2.5€くらい。なんなら店によっては日本の方が高いかも。

ベランダで山を見ながら。それっぽくて最高の気分だった。


日照時間が長いことに早速味を占め、朝はすごくのんびり過ごした。ライドにもそんなに急いで出る必要がないし、ライド中も日の入りに追われて走る必要もない。欧州の人がおおらかなのはこういう要素もあるのかも?

(ちなみにこののんびり癖によりあとで痛い目を見る。)

とはいえいい天気なので気持ちが高まり、そそくさと準備をしてライドへ。早速だけどラルプデュエズに向かうことにした。

日曜日でやっている店が少ないというのは前日に現地で選手活動をしている蠣崎君から聞いていたこと。だけど、ラルプデュエズのような観光地なら大丈夫だろうと踏んだ。日曜ならサイクリストも多いだろうし。

8時40分くらいに出発。まずは街中を抜ける。


右側車線には意外とすぐ慣れられそうな感触。また、ヨーロッパとえば!の環状交差点はむしろ日本の交差点よりストレスフリーに感じた。日本でももっと増えてほしいと思った。

とはいえ街中は車が多いので、郊外に出た時はホッとした。

きつめの10分ほどの坂を超えたら一気に開けて、いい景色。

ここが台地のようなところだったらしく、すぐに下るとヴィジーユという田舎町に出る。ここはパスして、山間を抜ける大きめの県道をひた走る。目指すはブールドワザンという村。ラルプデュエズの麓の街である。

挟まれる山がやはりダイナミックで、”ヨーロッパすげぇ〜”とボケーっと見ながら走っていた。

一方でとても単調な、斜度3%くらいの登り基調の道でもある。景色も大きく変わらないので、流石に飽きてくる。黙々と走るいつものスタイルになってきた。

すれ違いで降ってくるサイクリストは頻繁に見るけど、同じ方向に向かうサイクリストは少ない。やはりみんな朝早くに出るんだな…実際すでに暑いし。

代わりに抜かれる車は自転車を積んでいる率が高かった。特にMTBが多いの印象的だった。ラルプデュエズ周りにもコースがあるのだろうか?

なんて想いに耽りながら走っていると、FAVTORのTTバイクに乗ったイカした現地サイクリストが、抜きざまに”Bonjour"と。フランスでは頻繁に挨拶をする習慣があるようで、とても気持ち良いコミュニケーションだなと感じた。これ以降、自分も積極的にボンジュールするようになる。


グルノーブルから50kmの登り基調の県道を終えて、ようやくブールドワザンに。


ここにくるとかなりサイクリストが増えてきた。インスタで繋がっているあつしさんやいさなさんに教えたもらっていたが、ここはサイクリストのメッカみたいな場所らしい。レンタルバイクの店も充実しているし、ラックのあるパン屋やカフェも多数。


水を補給してもらいつつ、クロワッサンとエスプレッソでそれっぽい休憩を取った。




うん、それっぽい。


一息ついていざ、ラルプデュエズ。

Zwiftで走った感じなんとなく覚悟していたけど、とてもキツい。のっけから10%の直線で始まる。

TTする気は毛頭なかったので、L2程度の負荷で景色を見ながら淡々と。それでも暑いので、心拍は高止まりする。

サイクリングと割り切っているので、気にしない。写真を撮って動画を撮って、存分にラルプデュエズを味わった。

以降は写真だけでいいかな。


いわゆる”森林限界を超えた壮大な景色”を見れる山ではないけど、九十九折とすぐ近くに見える大きな山のコラボがとにかく綺麗で印象的だった。路面にはツールの名残の落書きも。

聖地らしく、やはり常にどこかにサイクリストがいる。TTをする人、カップルで登る人、クロスバイクの集団と、バラエティにも富んでいた。日本よりも本当に多様な自転車乗りがいるなぁという印象。

というのも、日本だとどこか”かくあるべし”みたいなスタイルの型にみんななんだかんで近づいていくイメージがあって、そうでないと”なんかダサい”みたいな価値観、正直あると思う。

でもここはバイクも服装も乗り方も本当に多種多様で、皆がそのスタイルを貫いている。そんな印象だった。フランスという場にいることによるバイアスはだいぶかかっているかもだけど…そんな気がした。


”あと何キロ”の看板は1キロごとにあるので、終わりが見えてくる。これほど終わるのが名残惜しい峠はいつぶりだろう。初めての渋峠か、乗鞍か。

頂上付近はスキーリゾートでもあるため、かなり観光地として栄えていた。サイクリストが集うカフェも多数。登っているサイクリストへのガヤもよく聞こえた。

そんなこんなで、景色と雰囲気を存分に味わった、とても充実した13km1000mUPだった。


かなり暑かったので、コーラで一息。水も購入。


いわゆる”ツールの頂上ゴール”には歴史を感じるゲートと、歴代優勝者のプレートが並ぶモニュメントが。ちょうど居合わせたカップルサイクリストに撮ってもらった。


さらに上ではMTBのダウンヒルの大きな大会がやっていたようだ。さっきやたらMTBを積んだ車を見たのはこの大会の影響か。でもそうでなくても、MTBレンタルの店はこの後もかなり見た。


時間にして13時過ぎだったけど、なおも登ってくるサイクリストは多い。降りながらAllezをしたり、写真撮ったり。これだけ登りも下りも舐めるように楽しんだのは初めてかも。


降ってからブールドワザンで水だけ補給して、来た道を戻る。峠を追加して遠回りしようかと思ったけど、曲がり角を通り過ぎてしまった。流石に単純往復はつまらないので、途中のラウンドバウトで来た道を逸れて、良さげな裏道を選択。


日陰のない直線を、うだるような暑さの中走るのは正直しんどかった。水も飲みきり、水分がどんどん抜けていった。

日曜なので商店は全くやっておらず、補給もできない。このままグルノーブルまで耐えるしかないかぁと腹を括ると、なんと地図には載ってなかったお店が!


躊躇いなくピットインして、アイスとコーラと水を頂いた。

35度以上に適応していない、というかこの気温で運動するように人の体はできてないと思うんだが…まさにこの時、この気温でツールを走る彼らの体はどうなっているんだろう。

いずれにせよ、朝は早く出るべかだと反省。

小休止を入れてから、あとは下り基調でグルノーブルへ。宿に着いた時にはヘロヘロだった。これくらいの距離と獲得標高でこうなるのは、移動疲れと暑さのせいだろう。

一息つこうと思って背中の荷物を全てジャージから出そうとすると…なんと財布がない…

さっきの商店に忘れたのか、はたまたバックポケットに入れていたから街中の信号待ちでスられたか…

翌日も同じ方向に走る予定だったのでその時に店に取りに行くかとも思ったけど、やってる確証がない。

何よりこのハラハラした状態で夜を過ごすのも嫌だったので、再び走り出す。どうせ往復30kmくらいだ。

幸い気温も低下傾向だったのもあり、快調に踏めて店まで戻ることができた。店員さんは顔を見るなり指で四角を描いて財布を表現してジェスチャーをしてくれた。めでたし。良い人のやっている店でよかった。

コーラをもういっぱい頂き、安堵のまま再び帰路へ。

結局この日は170km/2600mUPほどになった。

夜はがっつり、肉とサラダとパスタ。見た目のために載せたチーズが重くて、ちょっと食べ切るのが大変だった。それだけ暑さで胃も疲れていたんだろう。

フランスの暑さは…完全に侮っていた。湿度が低いから大丈夫と思っていたけど、日照時間が長い分絶対的な気温が高い状態が長時間続く。その点では日本よりキツイと思った。長時間外で運動するようなことはせずに、普通の生活していたらこうは感じないのかもだけど。

それでもまだまだ行きたいところはある。今回の旅はアルプス巡りとツール観戦巡りがメインの、体力ありきの旅。しっかり体調整えねば。






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