ラムネ盛大にぶちまける
近くの銭湯とサウナに行きました。そして久々に「ととのい」ました。
銭湯から上がると、わたしは受付の冷蔵庫にあるラムネを見て、「お、なつかしい」と買いました。
銭湯の広めの通路は休憩室のように机と椅子が置かれています。ここで「ふふふ、ラムネをかっこよく飲む壮年男性のかっこよさを見せつけよう」と思ったのです。
イメージできたところで改めてラムネを見つめます。
ラムネはキラキラ光っています。
私は意を決すると、荒々しくフタを外します。ビー玉が露わになりました。ラムネはええと、たしかビー玉を押し込んで開けるはずだ。
が、あれ、押し込むものがない。。このフタの形状違うよな。。やり方がわかりません。
しかたがないので受付の人に聞きます。すると「そのフタを分解すると押しピンになるんですよー」と教えてもらいました。
わたしが不器用な手でフタをいじっていると、受付の方が「あ、やりましょうか」と分解していくれました。とにかく私の特技は子供のころから今に至るまで、自然に人にやらせるのが得意なのです。
「ああ、この人はやってあげないとダメな人だ。。」と思わせる才能があるのでしょう。大人になったら解消すると思っていたのですが、どうやら命果てるまでこの性質は持ち合わせているようです。
分解してもらうと、なるほど押し込む形状になりました。ビー玉を押し込むだけです。
わたしは「はい、はい」とわかったふりをして大きくうなずいたのちに、勢いに任せてビー玉を押し込みます。
するとプシャーーーーーーーー!!!!!!!!という爆音とともに中からラムネの泡が弾けて飛び出してきました。
四方八方に飛び散ります。
わたしの衣服はびしょびしょ。そして休憩所の机も床もびしょびしょです。
もはやあふれ出すぎて、なにがなんだかわかりません。取り返しのつかないことになっています。
それでも私はバカなので、こんなときこそ、その流れゆく、そして消えゆく泡を見ていて、
美しい。
と感じてしまいます。感性が豊かなのでしょうか。迷惑千万です。でも液体が噴出して泡となり消えゆく過程がとんでもなく美しいのです。
そしてようやく「はっ、」と気がつくと、タオルで机や床にこぼれた液体を急いでふきとります。
すると店員さんが「大丈夫ですか。よくあることなので気になさらないでください!」
とやさしく声をかけて手伝ってくれました。
わたしは「あーすみません。。」と言って頭を下げます。風呂上がりのたくさんの観衆がわたしを見守ります。
たくさんあやまって全部ふきとると、とぼとぼと吹きこぼれたラムネを持ち歩いて席に着きます。
「きょうもやってしまった。。。」そう思うとともに、これからもマヌケをやるだろう。その確信を得たのです
わたしの人生はマヌケととともに過ぎゆくのです。それはわるいとこでもよいことでもない。
ただひっそりと受け入れていくべきことなのです。
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