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コーヒーメーカーにカップをセットしてから出来上がるまでの時間について
ファミレスでランチ
昨日、近くのファミレスでランチをとりました。けっこうにぎわっていて、店員さんも少なく、オペレーションがまるで回ってない感じでした。
そんななか、なんとか空いている席を案内してもらい、ここを逃したらもうオーダーに来てもらえないと思い、急いでチキンとサラダバーを注文しました。
一人なので、席もほんとうは窓側がいいなー、なんて思っていたのですが、案内された席はだいぶ窓から離れたサラダバーの斜め向かい。
まあ、混雑しているし、しかたないかと思って、サラダバーで野菜をとる人々の姿を見ていました。
不思議な表情
時間は昼2時過ぎです。サラダバーの向かいに設置されているコーヒーメーカーも人気があって、みんな続々とカップをコーヒーにセットしています。こちらからはみなさんの正面の様子が目に入ります。
そんな様子を、なにも考えずにぼんやりと眺めていると、あることに気がつきました。
全自動のコーヒーマシンにカップをセットして、コーヒーができあがるまでって30秒くらいありますよね。
みなさん、そのときの待っている表情がとても「ぼぉー」としているというか、何かが抜け落ちたような、とても不思議な表情をしているんですよね。
べつに深刻そうでもないし、かといって満たされている感じもしない、とらえどころのない表情で虚空を見つめたりしています。
たとえば主婦っぽい方は、なんだか家事や育児に一息つけた今ここにある安心感とともに、そこに入り混じる未来への不確かさへの不安でしょうか。安心と不安の入り混じった表情を感じさせます。
中年のサラリーマンは営業の合間でしょうか。少しほっとしている感じで気が抜けているとともに、なんだか哀愁も含んだ表情です。
お昼に気分転換に入ったと思われる80歳くらいのおばあさんも、サラダを選んでいるときや、席についておじいさんと食べているときとは違うようで、
コーヒーを待っている間は、リラックスした感じと、何かをあきらめたかのようや達観した目つきで、正面のどこか一点をじっと見つめています。
まあ、とにかくみなさん無意識ですが、すべての感情が入り混じりつつ、それをただ静かに受け止めているような不思議な表情をしています。
素が出ている
たしかにあの、コーヒができるまでの20秒から30秒の間って、何かを考えるには短すぎるし、かといってそのほか時間をつぶせるものが周りにありません。だから自然とその人の素の感情がさらけでてしまうのかもしれません。
その素というのが、やはり一筋縄ではなくて、前向きなものから後ろ向きなもの、明るいものから暗いものまで、その相反するものが縦横無尽に複雑に入り乱れたような表情となっていて、なんか人間っぽいなあと思ったわけです。
一般的には表情って「笑顔」ばかりが賞賛されがちですよね。
でも、このコーヒーメーカーからカップにコーヒーが注がれるまでのわずかな時間の「不思議な表情」。これもすごく魅力的であることを発見したのです。
そんなことを考えながらぼんやりと過ごした昼下がりでした。