#大人になったものだ
「本当の俺は南米に行って牧場を経営したかったんだ!」
と、酔っ払うたび、家族に酒臭い息と怒声を浴びせたウチの親父さん。
あれから二十年。
私が、当時の彼のように叫びはじめた。
たまたま親子として存在した、二人の夢の叫びが、重なった。
二十年という時差はあったけど。
タバコ臭くて、ワガママな親父さん。
こうはなるまい、と願いつづけていた彼に、私は追いついた。
仕事と私事。
いつからか、時間に追われはじめた。
常識と自意識。
いつからか、時代に追いかけられるようにもなった。
もし、私に子供のような存在があったなら、
「本当の俺は!」と、ソイツに、いつか叫ぶだろう。
私は、あの親父の息子だから。
今昔の叫びの鎖は、またひとつ繋がり、先に伸びていく。
うん。
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