企業内新規事業は、なぜ上手くいかないのか?
私は、若い時に新規事業の立ち上げを任せられたこともあります。
また、経営者となり、新規事業(部)を創ってきました。
しかし、その内実は華々しいものではなく、
軌道に乗らずに終わったもの、
形になっているものの持続的成長が叶わずというものばかりでした。
こうした結果は、参入タイミング、地の利、結束力等々の問題だった
と言えますが、実際のところは実力不足と言っても過言ではありません。
ですので、社内新規事業はなかなか難しいものだと感じています。
社内新規事業は、まったくのゼロベースで立ち上げる、
いわゆる起業よりもインフラ面・リソース面は格段に揃っており、
環境面は問題なしですが、なぜだか上手くいかない…
その理由は、いくつかあるかと思います。
(1)理念、志にズレが生じる可能性が大きい
(2)戦略、戦術面を確認して進めるが、行動面での食い違いが生じやすい
(3)社内的感情のもつれが生まれる
私は、特に3つ目の社内的感情が大きいと感じます。
既存の部門から見れば、
『新規事業は何をもたもたしている?』
『そもそも、何しているの?』
『オレたちが食わしてやってる…』と言い、
新規部門からすれば、
『既存事業がヤバくなっているからだろ!』
『なんだその非協力的なのは?』
『ケチばかりつけんなよ、だったら自分でやってみろ!』
といった感情が生じやすくなる。
お互いエネルギーの向けどころが、
本来は外に向けていかなければならないのに内向きになっていきます。
いずれにしても、
新規事業の活動も、既存事業の活動も、「メンバー=人」は肝になります。
その肝となる「人」には感情があります。
事業の魅力、会社の魅力だけで、「人」は行動し続けるとは限りません。
感情のコントロールをうまくできる会社、人が
事業の創造、成長をつくるのかもしれませんね。