オズの魔法使い
現在40歳の私にとって、映画の原体験は小学生の頃。
年代でいうと1990年代。
映画が好きだった母が違法コピーダビングで
集めたVHSが家には3〜400本はあった。
レンタルショップが世に出回りだした1980年代後半ごろの作品たちをはじめ、1990年代当時の最新作たちを日曜日の朝から2階の居間で、兄弟妹3人でみるのが我が家の休日風景であった。
いろんな作品を3人でみたが、子供のころというのはとかくお気に入りがあると繰り返し観るもので、また三者三様の好みはあるものの兄、弟、妹の3人のパワーバランスでは長男(私)の好きの割合が多くなる。
そこに弟の好きが加算されると、お気に入りから通年のレギュラーメンバーくらいに格上げとなる。
そこでわりを食うのは妹だ。
兄2人の好みに合わせて観ることのが多かった。
別に一緒に観なくてもいいのだが、兄2人…
いや、長男(私)の
「3人一緒に観る!」という暗黙のルールの強制力があったのだと思う。
そのため妹のお気に入り作品は観る機会が少なかった。だが少なかったがゆえに印象的だ。
それがタイトルの「オズの魔法使い」
全く1980年代にも1990年代にも掛からない1939年のアメリカ映画。ミュージカルでファンタジー。
以下、印象的だったシーンのピックアップ。
白黒画面の現代から、主人公のドロシーが
オズの国へ迷い込んだ途端、カラー画面に
なる鮮明さ。
西の魔女が死に際、
「溶けちまうよ!溶けちまうよ!」
と叫んでいたときの怖さ。
ちなみに我が家の映画鑑賞は英語教師の
母の影響下で字幕のみ。
これは母の暗黙の強制ルール。
そのため上記の死に際のセリフは、
「I'm melting!melting!」
「What a world!what a world!」
という英語の語感の印象が強い。
ドロシーがオズの国からカンザスへ戻る時と
最後のセリフ。
「There's no place like home!」
「家ほどステキなところはない!」
今では70代になった母と老犬しか住んでいない家。当時のVHSもどこかへいってしまった。
2階の居間だった場所に帰ると、あの頃の3人とたくさんの映画たちを思い出す。