日記・個人的に好きな島本理央さんの本を紹介します。
YOASOBIのプロジェクト『はじめての』での参加が発表されていました島本理央さんの作品が好きで、個人的におすすめの3冊を紹介したいと思います。
『リトル・バイ・リトル』
2003年刊行。僕が初めて島本理央さんの作品にふれたのがこの本でした。青春、うん。青春かも知れない。センセーショナルになにかが起きるわけじゃないけれど、主人公のふみがしっかりと一歩一歩を踏みしめて歩んでいく人生の一部がこの本の中に切り取られています。
たゆたうように読んでいると忘れてしまうけれど、ふみたち三人は少し込み入った事情を抱えて、それが物語の中で時折顔を出して不穏な気配を醸し出す。
ふみは物分かりの良いふうを装っていてもそれは確実に心に影を落としていて、その影が徐々に薄くなっていく。その過程を青春と呼ぶのなら青春なのかも知れません。
僕はこの本を何度も読み返していて、その度になにか救われた気持ちになる、僕にとってはお守りのような一冊です。
『クローバー』
2007年刊行。主に登場する4人のキャラクターには愛せずにはいられない愛しさがあります。4人ともとても魅力的なのにどこか欠点があって、でもその欠点さえ愛おしいほどです。
キャラ立ちの良さとしっかりと恋愛する物語もあって、今回紹介した作品の中では一番読みやすいかも知れません。
僕にとって『クローバー』はこの登場人物たちに会いたくなって本をもう一度開くことが多い一冊です。4人の中で誰が一番好きなんだろうと思いましたが、難しい。みんな大好きです。
『よだかの片想い』
2013年刊行。こちらも恋愛についての物語です。けれど、『クローバー』より全然ストレートじゃない。恋愛に絡みつく蔦や靄をひとつひとつ振り払いながら、扱いの分からない初恋のうねりの中で主人公のアイコが成長していきます。
恋愛についての物語だけれど、恋愛の行方よりもアイコの成長の行方を追う物語かも知れません。
たまに読み返そうとして、途中でつらくなって閉じてしまう本です。気持ちに余裕がある時に、ふと開きたくなる本です。
島本理央さんが直木賞を受賞された時に、いろんな本屋さんで平積みになって特集の棚が設けられていたのを思い出しました。当時から好きな作家さんでしたので、どこの本屋さんでも大きく取り上げられているのを見て自分のことのように嬉しかったです。
その島本理央さんが今回YOASOBIとのプロジェクトで一緒になると知って、直木賞を受賞された時のように嬉しかったです。
島本理央さんが書く物語がどんなものになるのか、そしてその物語がどんな音楽になるのか、これから2月の発売が楽しみです。
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