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2024年10月18日

家で本を読んでいると、開け放した窓の外からジョウビタキの鳴き声がふいにして、今年も無事に——秋というにはこんなにも暑いのに——遠くの国からこちらへ渡ってきたのだということが、姿は見えないものの、声でわかる。そうして、庭師として独立したのは2022年の5月だが、そのような日付より、ジョウビタキの古名であるヒタキを屋号にしたこともあり、毎年最初にその声をきくとき、独立してから年月の経ったことを感じる。昨年の今頃はシャツの上に一枚羽織っていた気もするが、今年はシャツ一枚でさえ暑いというのはさすがに堪える。と、不平を言っても仕方がない。これまでよりいっそう庭仕事に励み、この住みにくき世を局所的にでも住みやすくするよりほかはない。

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