プロラグビー選手が競技外の活動を始めて痛感した自分の未熟さ。
私はラグビー選手として活動していますが、
昨年2023年からラグビー選手と並行した形で、東北地方を中心にラグビーの「普及活動」と「競技力向上」を目的としたプロジェクトを立ち上げ活動しています。
今年もたくさんの方々のご支援があって継続して活動を進めることができています。
本当に感謝しております。
自分はこれまでスポーツばかりして生きてきました。確実に勉強の時間よりもスポーツをしてきた時間の方が長いです。
少年時代の私は、スポーツで飯を食うんだ!とそんなことだけを考えていました。
でも実際に今その当時の夢をある意味叶えているんですよね。笑
そこについては誇りに思っていますが、スポーツ選手には終わりがあるとは当時は全く思っていなかったため、勉強に時間を費やしている時間はもったいない!スポーツをするんだ!
とそんな少年時代を過ごしていました。
そんな自分は29歳になった今もスポーツにたくさんの時間を費やしています。
そしていつかは引退がきて競技生活の終わりがきます。
俗にいう「アスリートのセカンドキャリア」というものが絶対に訪れます。今までスポーツしかしてこなかった人間がそれも30歳超えている人間が、社会に放り出され仕事をしていくのです。
そんな超難易度の高いステージがいずれ訪れると分かっているのに、具体的にそのことについて考えようとしてきませんでした。
しかし、私は昨年から競技外の活動をすることで、そのことについて深く考えるようになりました。
その理由が競技外の活動を進めていく中で、自分の未熟さを痛感したためです。
どのような未熟さを痛感したかというと、、、
ラグビーの世界でずっと生きてきたため、その世界を基準に物事や世間を見てしまっていた、いわば世間知らずの人間だということです。
これはもしかしたら自分の感覚だけなのかもしれませんが、
少なからず、ラグビーのコミュニティはどの世界にもない特別なコミュニティだと思っています。
とても繋がりや仲間意識が強いですし、ラガーマン同士というだけで気持ちが分かり合えたりと、なかなか他にはないコミュニティだと思います。
私もこのラグビーのコミュニティには一生関わり続けたいと思っているくらい素敵なものだと思います。
しかし、そのコミュニティの中だけで生きていくことは不可能です。
新しい世界で仕事をしていくことになるので、今までの自分の感覚では通用しない部分が出てくるはずです。
言葉遣い、態度、行動など今までの感覚では相手にされないこともあると思います。
自分が世間知らずの人間だと知ることができただけでも大きな成長だと思います。
私は、競技外の活動を始めたことによってありがたいことにいろいろな方々と関わらせていただいています。
この経験を現役中に感じられたことは私の中でとても大きな経験になっています。
ラグビー界以外の方々と繋がりを持たせていただいたことでこの1年で自分をを大きく成長させることができました。
本当に繋がりに感謝すると同時にプロジェクトを発足させて良かったなと思っています。
もうひとつ自分の未熟さを痛感している事があります。
それは何かというと、、、
「思考力の弱さ」です。
この思考力とは一般的には、「自分の経験や持っている知識をもとに考える力」を指します。
この「思考力」が弱すぎることに気づきました。
そもそも自分の経験や持っている知識のほとんどが競技生活に関係していることなので、その範囲でしか物事を考えられないのです。
さすがにこれはまずいぞ。と痛感しました。
また、考える事。その事自体をしてこなかったので、考える事について深みが出ないのです。
先日会った友人がとても面白い表現をしていました。
「思考のシャッターが降りてくる」と。
まさにこの通りで物事について考えていると、もう考えるのを辞めようと思考のシャッターが勝手に降りてくるのです。
これはまさに、今まで物事を深くまで考えることをしてこなかった経験がそのまま今になって自分に返ってきているのです。
これらのことに大きな危機感を感じ、今必死にいろいろなことを学んでいます。
今気づけたことをポジティブに捉えるしかないと思っています。
こっからだ!と気合いを入れるしかないと思っています。
そして何より、自分みたいな思いをしなくてもいいように自分の経験をできる限り伝えていきたいと思います。
過去は変えられませんが未来は変えられます。
毎日を大切にし、これからも頑張っていきたいと思います。