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ランニング素人の私がサハラマラソンを完走できたシンプルなメンタル術。
君たちがしてきた練習はすべてここでは通用しない。
高性能スポーツWatchで計画された練習方法や、
積み上げられたデータから導き出された計画的なTime、
それらはここでは一才通用しない。
君たちは今、世界一Crazyなレースを走るために世界中から
集まってきた世界一Crazyなひとりなんだ。(仲間なんだ)
遂に、第38回サハラマラソンが幕を開けた。
TVでワッキーが走っているのを初めて観てから約10年
走ることに1mmも興味のなかった私の全身全霊全細胞 FULL OPEN なり、本能剥き出しになった。
俺も絶対に出てやる。
『絶対に何もしないから。』
終電を逃してしまった 故意に あの週末。
理性だけではとてもとても対処しきることのできない、漢(雄)の本能に似たあの感覚。
あれから10年。
幸運にも?あの時の本能は少しも衰えることなく、この時は迎えた。
世界一過酷なレースのひとつと言われるサハラマラソンはその名に劣ることなく、想像の5倍は過酷だった。
Over night stageでは24時間以内を目標にしていたが、(あわよくば20時間以内に . . . .)
とんでもない。
26時間かかってしまった。
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睡魔に襲われ、真夜中に幻覚が現れ、道が歪み、私のヘッドライトの明かりを頼りにう○こをしている背後から迫り来る後方集団 . . .
真夜中の砂漠をなんとか前進するのが精一杯で、足を前に進める以外のすべての身体機能がオフになってしまった。
こんな時のため用に準備していたMusic Playlistも、みんなに無理やりお願いして送ってもらった(過去の彼女を含む)ボイスメッセージや動画も観ることも聴くこともできなかった。
これが身体の限界なのだと、身を持って感じた。
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. . . . .
. . .
. .
.
と、まぁ、僕のサハラマラソンマウント話はこの辺にしておきましてっと。
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自らがそうだったようにこれからこの得体の知れないレースに初参戦する人にとっては、僕がこの世界一過酷(らしい)なレースのひとつのサハラマラソンで何を得て、何を感じて、その後の人生はどう変化したかなんて、どーーうでもいいことでしょう。
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『 挑戦者にとって誰かの Success Story、そんなことはどうでもいいことなのだ。そんなものは挑戦しないものが感動していればいいのだ。 』
ってことですね。
そんなことよりも、
” お前は誰だ、何を準備して、何を食って、どんな練習したか教えろ ”
ってことですよね。
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そんなに仰るなら、わかりました。
本当に少しだけ、サハラマラソンを完走した(完歩)ひとつのサンプルとして、僕のサハラへ向けて準備してきたものなどをマウント気味にここでシェアさせていただければと思います。
(※本気で順位を狙っている方や真剣にサハラマラソンを完走したい方には当ブログはもはや弊害になる可能性もありますのでご注意ください。)
ただ、これだけは肝に銘じておいてください。
それは、このCRAZY なレースには、 " 正解 " なんてものはないということを。
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冒頭でお伝えした通り、正に運営が初めの挨拶で、話していた通りのレースだからです。
" 1 + 1 = 5 " にもなり、" 1 + 1 = 2 " ではないかもしれない。
全てが正解になり、残念ながらその全てが不正解にもなり得る。
さらに厄介なことに、みんな仲良く、” 共通 ” の正解もない。
ネットに溢れる情報や経験者からのありがたきアドバイスの数々 . . .
月間最低でも200km以上のランニング習慣
10kg背負って数日間の山籠り
トレラン、マラソン、長距離レースなどの経験
暑さ、環境対策対策、塩分と発汗量の調整
必殺靴下2枚履き
腸に負担をかけない食事
スペシャルドリンクの配合
塩分摂取の頻度
シューズのサイズ
砂地での練習
真夏の少量の水分補給での訓練
ロングラン、インターバルラン、フォームの改善
筋力トレーニング
装備品の数々
. . . . etc
全部正解だし、全部間違いかもしれません。
であるからして、
僕からのマウント気味のアドバイスなんて特に絶対に真に受けてはいけません。
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夜◯いされそうになりました。
女人断ちしたって僧侶も性欲まみれです。
だって人間だもの。
話せば長くなるので、またの機会にでも
だって、それらが必ずしも、あなたの正解になるとは限らないのですから。
昨日までの正解が今日は役立たずになることも、その逆も然り。
更に言えば、正解かどうかは本番までわからない。
もう、いったいぜんたい何をしたらいいのやら. . . .
そんなレースに出ようとしているのですよ、あなた?笑
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ただ、ご安心を。
そんな世界一やんちゃなレースですが、完走する方法はあると思います。
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サハラマラソンが初めての公式の?マラソンレース。
※ 厳密言えば10年前くらいに九十九里の浜マラソンに出たことがあります。(10km部門)前日の雨のお陰で砂浜はガチガチにしめ固められていました。
走る系のスポーツ経験なし、ランニング習慣はほぼなし。
サハラマラソンで出場を決めたのは2024年大会の約1年前の3月頃。
4月頃からランニングを歯磨きレベルにまで習慣化することからスタート。
ランニングフォームや身体の使い方はYoutubeで学び、登山の知識は『岳』。
5月中頃にAナルの手術(6痔ほど切除)。
術後のこの世のものとは思えない痛みに毎便、涙と共に血を流し、6月は走るどころか歩くことすらままならなかった。
9月にはシューズが合っていなかったのか右足が短腓骨筋腱部炎になり、1ヶ月近く大切な残暑の日々の練習はできてない。
年末に試しにワラーチRUNしたら右のふくらはぎの側面に激痛スイッチがONになり、油断しているとONになり、激痛で走れなくなる。
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サハラに出ると決めた3月〜Aナルまでを歯磨きレベルにまでランニングを習慣化する期間とし、6月はほぼAナルの養生期間に消費され、
7月から3月末までの月間平均ランニング距離は100kmちょい
月間最高練習距離は3月の185.7km
ご覧の通り、世界一過酷らしいレースに参加する割にはあまりにも心ともない練習量と経験値なのは一目瞭然でしょう。
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そんな私が完走(完歩)できたのですから、ご安心を。
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更に朗報です。
サハラマラソンの完走率は通年、一部の回を除き、通常であれ参加者全体で8割を超えています。
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続いて、悲報?です。
この8割以上という数字には最大の秘密が隠されています。
当たり前っちゃ、当たり前の話かもしれませんが、
この世界一CRAZYなレースに向けて最低限の準備をしてきた人の中の8割ってこと。
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つまり、何の準備も練習もしていない人は、この8割には含まれていない可能性が非常に高いということ。
稀に飛び入り参加的な感じで完走してしまう人もいるかとは思いますが、母数にしたらかなり少数だと思います。
更には各人、当日の身体のコンディションや天候、身体的構造の違いなどにより、例え本番までに完璧に?身体、精神、装備品を準備したからといって必ず完走できるとは限らないってこと。
もう、わけがわかりませんよね。笑
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であるからして、少し精神論っぽくなってしまいますが、素人がこの得体のしれないサハラマラソンを完走するの最大の鍵は、
『いくつの正解を準備(想定)し、無理矢理にでも正解にしてやる力』にあります。
つまり、 準備(想定) × 無理矢理にでも正解にしてやる力 + 練習量
🟰
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順位を狙っている人にとってはこの公式が
準備(想定) × 練習量 + 無理矢理にでも正解にしてやる力
になるかもしれませんね。
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とまぁ、兎にも角にも僕は自分がこのレースのためにしてきたことを文字通り、本当に無理矢理にで " 正解 " にしたかったんです。
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なぜならこれで完走できなかったら、
『ほら、やっぱり練習が足りなかった』
『まずはフルマラソンとか他のレースで経験を積まなきゃダメか』
『準備不足か』
『素人には軽量化が1番大切だって言ったろ?』
『あんな食事じゃダメだよ』
『ちょっと、考えが甘かった』
などの戯言を . . .
自分のやってきたことを一旦、客観視し、作戦を練り直し、準備をし直し、また一から、試行錯誤しながら、釣りに行くのも我慢し、真冬のクソ寒い中の練習するのも、すごーく嫌だったから。笑
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そもそも走ることが好きなわけでも他のレースに出たいわけでもなく、サハラマラソンに出たいのに他のマラソンレースで経験を積むなんて論外です。
同じことを繰り返すようですが、マラソン素人がこの得体の知れないレースを完走(完歩)するための1番大切な心構えは、自分がこのレースに出るためにしてきたことは全て正解なのだと、脳を洗脳し、無理矢理にでも正解に持っていく力です。
何故なら、あれがダメでこれが正解なんてものは、このレースではほとんどの場合、存在しないからです。
身体面、物理的な装備品、精神面、これら全て、当日持ち合わせているもので全てで、対処するしかないのです。
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誰々さんは私よりもずっと練習している、
私は誰々さんよりもできない、走れない、経験がない、
身体構造が違う、思うように準備ができなかった . . . etc
安心してください。
それら全ては脳の錯覚です。
High Way to Hell(※1)が流れ始めたら自分のやってきたことのみを
信じて、右足の後は左足を出し続けるのみです。
※1 サハラマラソン公式ソング
さすれば、必ず毎日ゴールできます。
そして、また次の日も同じことを繰り返すのみです。
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次回はもう少し為になることを書けるよう精進いたします。
それでは皆さん。
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