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読書記録 継続的デリバリーのソフトウェア工学

読んだのはこちらの本。

端的な書評を言うと、ソフトウェアを作っていく上での指標としてかんがえるべきポイントを教えてくれる書籍だなと。
題名的には工学的な内容をガッツリというよりは、ソフトウェアを作っていく上でどんな指標に注意を払いながら設計と実装を進めるべきかを指し示してくれます。

テスト容易性やそれを実現するためのDIなどの概念、良いソフトウェアを構成するための指標としてのモジュラー性や、凝集度、関心の分離などについて述べています。

これ単独で具体的なコードとしてどうあるべきか?といった部分を理解するには少々具体例が足りていないので、それを補うものは必要となりそうです。

DIについては軽く触れられているものの、より具体的なものを掘り下げて知りたい場合は、なぜ依存を注入するのか DIの原理・原則とパターンなどを参照すると良いでしょう。

また、テスト容易性と実際に(単体)テストを実装していく上ではテスト駆動開発などが具体的な例示として有用でしょう。

題名には継続的デリバリーと称されていますが、正直なところCI/CDについては具体的な話についてはほとんどありません。継続的にソフトウェアをデプロイ・リリースできるようにすること、そのために漸進的な取り組みを進めることの重要性や、プログラマが迅速にフィードバックを受けられることの重要性については述べられていますが、具体的なCIやCDの手法については述べられていません。
これらを補う目的で、GitHub CI/CD実践ガイド――持続可能なソフトウェア開発を支えるGitHub Actionsの設計と運用などを読んでも良いでしょう。

継続的デリバリーのソフトウェア工学自体は、具体的な例については少ないものの、"考え方の軸を教えてくれることに特化した書籍"だと感じました。本書籍でどんな軸があるのかを理解しつつ、具体的な手法や事例について学ぶことでより体系的かつ、効率的な個別技術の理解を深めることができそうです。

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