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僕の壮絶な高校野球人生No8



一回戦の相手は兵庫県の名門高校だった。


大会前の下馬評は完全に向こうの方が上。


新聞でも、運が良くて勝ち上がることができたと書かれたほどだ。


でも僕たちはそれに対して悔しくなかった。


当たり前だからだ。


高校野球ファンなら誰もが知っている名門校ばかり集まる近畿大会に、

僕たちみたいな誰も聞いたことのないような高校が急に登場しても、

あの高校には勝てるはずがないと思われて当然なのだ。





だが、、、






高校野球ファンの予想は、見事に外れた。。





一回戦、




9回裏、2アウト。


野球部のメンバー全員と、応援に来ていた人、総勢1000人もの人達が、
その時を待ちわびていた。


試合終了。。




僕たちは、、




勝った。。




湧き上がるベンチ。。

1000人以上の人間の「ワァー」という地響きのような、歓声。。




僕は、涙が出てきた。


よく分からない。。


あんなにひどい経験をしたのに、大変だったのに、嫌だったのに。



「これが高校野球か。」と思った。



小さな頃からの夢だった甲子園。


約4000校もある中から、50校ほどしか出場できない、甲子園。


そんな場所へ、僕が所属する野球部が出場するなんて。。



初めて大きな夢が叶った瞬間だった。。




でもまだ近畿大会は始まったばかり。


次も、その次の相手も、名門高校だ。。




でも僕たちは、、


僕たちの奇跡は、こんなものでは終わらなかった。



2回戦、相手は過去に何度も甲子園出場経験のある、大阪の超名門校。






勝利。





3回戦、近畿大会の準決勝だ。

僕たちはもうこの時点で、全国的にも高校野球のレベルが高いと言われている近畿地方の中でベスト4に入っていた。




相手は、甲子園常連校。







勝利。



新チームが始まり、公式戦で数えるともう10勝もしていた。



そして決勝戦の日がやって来た。


僕たちのアルプススタンドは、大盛り上がりだった。


「もうどこにも負ける気がしない。」


野球部のメンバー、監督、コーチ、応援に来てくれている学校の生徒、先生、
そして僕たちをここまで支えてくれた親たち。


全員がこう思っていたはずだ。



そして試合が始まり、、








僕たちは、、




優勝した。





僕はまた泣いてしまった。


本当に嬉しかった。


「みんなが一つになる」 ということはこういうことだ。
と身に染みて感じる瞬間だった。



みんなありがとう。

応援に来てくれた学校の先生や生徒たち、ありがとう。

そして、家族にありがとう。

辞めなくてよかった。こんな経験、今後いつできるか分からない。

それくらい心が引き裂かれるくらい感動した。




大会も無事終了し、


冬を越え、




春になった。



待ちに待った甲子園。




小学校3年生の時に野球を始め、誰もが憧れる場所が、

「甲子園」ということを知り、皆がそこを目指し、

雨の日も風の日も、疲れている日も、みんなが遊んでいるときも練習をしてきた。

でもその中で、ここに来ることができるのは、ほんの一握りの人間だけ。

そんな野球の神様が集まる場所。




僕たちのアルプススタンドには、2000人以上の応援団が来ていた。

アルプススタンドは満席。

一般の席もほぼ満席。

地方大会の球場とは、何もかもが違う。



両校がベンチ前に並んだ瞬間、甲子園は、一気に静まり返る。


そしてその時が来た。




「集合!!」


僕たちの夢の舞台は幕を開けた。。



続く。。

こばりょう。https://linktr.ee/ryomakobayashi









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